『半数の人間が抑圧されている世の中が、うまく行くはずなどありません。』

この言葉はパキスタン出身の人権活動家、マララ・ユスフザイさんのスピーチの一部です。

マララさんは、このスピーチを通して女の子の権利向上を訴えました。

SDGsのゴールの1つにも「ジェンダー平等を解決しよう」があります。

それでは、世界と日本にはどのようなジェンダー格差の問題が存在するのでしょうか?

ジェンダーとは

まず、『ジェンダー』という言葉について説明します。

ジェンダーとは、性別に対して社会的、文化的に作られる性別を指します。

具体的には、「男性は稼いで女性は家事をするべき」という考えや、「男の子はヒーロー、女の子はプリンセスが好き」というステレオタイプなどです。

今回は、そんなステレオタイプから生まれる女性の格差に焦点を置き、発展途上国と日本で起きている問題を紹介します。


発展途上国での女性の格差

人身売買、児童婚

ユニセフが発表したデータによると、世界では、約7億5,000万人の女性と女の子が18歳未満で結婚しており、そのうち3人にひとり以上(約2億5,000万人)が15歳未満で結婚しています。

児童婚の原因の一つが、貧困です。

児童婚が根強く残るアフリカの地域には、子どもが多くいる貧困家庭がたくさんあります。

そのような家庭の一部は女の子と金品を交換し、養う家族を減らしながら生活費を稼ぐのです。

また、児童婚が慣習になってしまっている地域も多くあります。

そのような地域では結婚に対する教育が足りていないために、児童婚という風習がおかしいことに気づけていません。

児童婚は全体的には減ってきてはいるが、その減少の速度は緩やかです。

特にアフリカでは急激な人口増加にその減少率が追い付かず、児童婚を経験する子どもの数は2050年までに現在の1億2,500万人から3億1,000万人に増加する見込みと言われています。

≫子どもの貧困とは?貧困の現状や原因、私たちにできることを解説!

参照:ユニセフの主な活動分野/子どもの保護/児童婚

女性器切除

途上国の一部の地域では、女性の性器切除の慣習が残っています。

推定では、これまでに2億人以上の女の子が切除を受けてきました。

切除を受ける多くの場合、医療知識や技術を持たない人が簡易的なカミソリを用いて行う場合が多いです。

そのために、施術時に大量出血をして命を落としたり、HIVを含む感染症になったりと、多くのリスクがあります。

家族は、このようなリスクを知っていながらも慣習には逆らえず、この儀式を娘に受けさせます。

参照:ユニセフの主な活動分野/子どもの保護/女性器切除

教育格差

アフリカや南アジア地域を中心に、識字率の男女差が大きい地域が多くあります。

識字率の格差が大きい地域のほとんどでは、女の子には教育は不必要という考えや通学路で襲われるリスクが理由で学校に通えていません。

読み書きができないと、職業の選択肢が狭まったり、公共サービスを正しく受けられなかったり、薬を正しく使用できなかったりするなど、様々な問題が起こります。

≫識字率とは?世界の現状や向上にむけた取り組みを解説!

日本国内でも

政治参画の格差

日本では女性が国のトップになったことはなく、女性議員の割合は約10%以下です。

先進国の平均の水準は約26%なので、海外と比べても低い水準であることがわかります。

「夫は働き、妻は家庭を守る」、「政治は男性のもの」というジェンダーバイアスが根強く残っているためにこの現状が改善しないと言われています。

参考:Proportion of women MPs inches up but gender parity still far off

経済格差

日本では、男性就業率が84.3%であるのに対し、女性はわずか71.0%%。

また、女性管理職の割合はわずか7.8%です。

これらの数値は、他のG7の国々と比べるとかなり低いです。

経済格差の原因として、女性が無報酬の家庭内労働に費やす時間の多さが挙げられます。

女性が家庭内労働に費やす時間は男性の4倍だそうです。

これにより、有給の仕事に従事する時間が減るために、キャリア形成や昇進の機会が奪われています。

また、先ほど説明した女性の議員数が少ないことも男女の経済格差の原因と考えられています。

女性議員が少ないと、女性目線の政策が作られにくく、女性が活躍しやすい環境が整いません。

参考
男女共同参画局/男女共同参画白書 令和3年版
女性登用に対する企業の意識調査(2020年)


さいごに

企業において女性に活躍の場が与えられることは、利益の向上につながります。

実際に、多様性に富んだ企業ほど長期的な業績が良くなるというデータや、女性が男性と対等に経済活動に参加すると日本のGDPは5500億増加するという予測があります。

日本だけでなく発展途上国においても、女性が社会で力を発揮することによって得られる恩恵は多くあるはずです。

女性のためにも、社会全体のためにも、まずは自身がジェンダーバイアスを持っていないか、考え直してみませんか?

≫あなたは大丈夫?日本社会に潜む無意識のジェンダーバイアスとは
≫スポーツとジェンダー問題~変わりつつあるスポーツ業界の現状~ – 

ライタープロフィール

杉野 若葉(すぎの わかば)
青山学院大学地球社会共生学部1年
世界中の女の子が「女の子に生まれてよかった」と思えるために、自分に何ができるか模索中。