机上の理論にうんざりした破天荒な大学時代#1~WFP 並木愛さん~

国際協力

コロナ禍で、私たちは身を守るために行動を自粛しています。

しかしそんな中でも日本を飛び出し、国連WFP(世界食糧計画)職員としてルワンダの難民キャンプで働いている日本人の存在を知っていますか?

第1章では、並木さんの現在の活動と、現在に至るまでの経緯をお伝えします!

並木さんはなぜ様々な挑戦を続けられているのでしょうか?

1989年千葉県出身 県立千葉女子高校卒業後、進学した法政大学では、全国2,000kmの自転車旅と南アジア、アフリカへのバックパック旅行に明け暮れる。
4年次休学し、イタリアヴェネツィア大学へ留学。
2013年 法学部国際政治学科卒業。
ロンドン大学政治経済学院にて国際開発マネジメント学修士号取得。
デロイトトーマツコンサルティングで官民セクターの経営コンサルティングに携わる。
2017年 広島平和構築人材育成事業の国連ボランティアとして世界最大の人道支援機関である国連WFPジンバブエ事務所に赴任し食糧ニーズ調査を担当。
2018年~ JPO派遣制度でルワンダ事務所に異動し、現在はジェンダー、保護、パートナーシップ構築担当として15万人の難民支援に従事。

WFPでの活動について

ーーー現在はどのような仕事をされているのでしょうか?

アフリカの東部にあるルワンダという国で、国連WFP(世界食糧計画)のプログラム政策官として仕事をしています。

具体的な仕事は、難民支援とパートナーシップですね。

難民支援では、WFPが行う食糧支援が、難民の方々にとって満足に行われていることを確認、助言しています。

パートナーシップは、これまで民間企業やNGO、政府と組んできました。

今は政府とのパートナーシップが多いですが、もっと民間企業とパートナーシップを組んで、ドローンを使った食糧支援などもやりたいと考えています。

[国連WFP]
国連唯一の食糧支援機関であり、かつ世界最大の人道支援機関で2020年のノーベル平和賞を受賞しました。

破天荒な学生時代

ーーー学生時代の活動と、それによって得られたものを教えて下さい。

学生時代の活動は、かなり破天荒で好奇心旺盛に好きなことをやりました。

国際協力を勉強していましたが、机上の理論ばかりでうんざりしたんです。

そこで、タンザニアやバングラデシュ・インド・モロッコを数ヶ月かけてバックパッカーとして周り、ホームステイをしました。

あと、サイクリング同好会にも入っていましたね。

顔から足の先まで真っ黒に日焼けしながら、仲間と日本中を走り回りました。

宮城県の気仙沼では、お金も寝る場所もなかったので銭湯の床に寝かせてもらったり、夕食の残りを分けていただいたりしたこともあります。

これらの学生時代の経験を通じて、自分はこれまで世界、日本で起こっていることを知らなかったと気付きました。

また、社会問題の本質を理解するためには、現地の人々と同じ釜の飯を食べて、じっくり話し合うことが大切だという視点を得ました。

ーー大学4年の時、イタリアのヴェネツィアで世界遺産の保存学を学ばれたのはなぜですか?

理由は2つあります。

1つ目は、世界の美しい風景や文化を後世に残すことに貢献できる仕事に就きたかったことです。

2つ目は、あまり人が選ばないような留学先でユニークな経験がしたかったからです。

同じ大学にいる友だちの、約8割はアメリカやイギリスに交換留学していました。

みんなと同じことはしたくないということで、マイナーな留学先を探したところ、ヴェネツィア大学が見つかました。

ちなみに世界遺産の修復学は2種類あります。

ひとつは壁にペイントしたり彫ったりする、テクニカルな修復。

もうひとつは都市マネジメント。

伝統的な街の風景を、都市化や観光客の増加などの問題から守り受け継ぐためすべきことを、地域住民が主体となり学びます。

私は後者の都市マネジメントを学んだのですが、街全体が世界遺産であるヴェネツィアは、まさに外部による観光の推進と、地域住民による景観の保存運動が同時に起きている街でした。

そんな場所で、勉強したことが住民として生活しながら実感できるのは面白かったです。

将来役に立つからではなく、好奇心の赴くままに世界遺産の保存学を選択しました。

挑戦し続けられる理由

ーーープライベートでも、様々な活動や勉強をされていると聞きました。仕事との両立は大変ではないですか?

大変だと感じたことはありません。

子どの頃から今までチャレンジしたことは全て、自分でやりたいと思って挑戦したものです。

好奇心のままに生きることは時にリスクを伴いますし、失敗したら辛いですが、両親や周囲の応援や助言のおかげで楽しくチャレンジできています。

また、極端にポジティブ思考であることも理由かもしれません。

昔から何かに挑む時や失敗続きで逆境に立たされた時には、心のどこかから”絶対にうまくいく”という声が聞こえて来ます。

最近チャレンジしている5ヶ国語目(日、英、伊、西に続く仏語)の習得は、趣味に近いです。

もちろん、国連において語学力を身につけることは自身のキャリア構築に活きます。

しかしそれだけではなく、いろんな国の人たちに会ったときに彼らの母語で話すとぐっと関係が近くなれる気がするのでやっています。

ーーー次回予告

並木さんの活動力の源は「好奇心」なのかもしれませんね。

次回は、並木さんが国連WFPで働くまでの経緯に迫ります!

実は並木さん、国連に絶対入りたくなかったのだとか…?!

*ライタープロフィール
横山愛未
教育と福祉に興味がある大学1年生。
「知らないから差別をする」という信念のもと、様々なことを経験から知るために活動しています。
目の前で苦しんでいる人を笑顔にしたい。