国連職員になりたい大学生が今、できること#3~WFP 並木愛さん~

国際協力

前回は並木さんが社会問題に興味を持ったきっかけやWFPで働くまでの経緯をお聞きしました。

今回は国連職員になるためにやっておくべきこと、そして実際に並木さんがやっていたことをお届けします。

しかしコロナ禍の今、なかなか今までのように行動することはできません。

そこで、もし並木さんが今大学生だったら、どのように行動していたかお聞きしました。

キャリアに悩んでいる人へのメッセージは必見です!

1989年千葉県出身 県立千葉女子高校卒業
通った法政大学では、全国2,000kmの自転車旅と南アジア、アフリカへのバックパック旅行に明け暮れる。
4年次休学し、イタリアヴェネツィア大学留学。
2013年 法学部国際政治学科卒業
ロンドン大学政治経済学院にて国際開発マネジメント学修士号取得
デロイトトーマツコンサルティングで官民セクターの経営コンサルティングに携わる。
2017年 広島平和構築人材育成事業の国連ボランティアとして世界最大の人道支援機関である国連WFPジンバブエ事務所に赴任し食糧ニーズ調査を担当。
2018年~ JPO派遣制度でルワンダ事務所に異動し、現在ジェンダー、保護、パートナーシップ構築担当として15万人の難民支援に従事。

国連職員になるには

ーーー国連職員になるために学生時代からすべきことは何ですか?

まず、国連という組織は一口ではまとめられないと捉えてください。

国連は細かいものも含めると100以上の組織から成る集合体です。

そのため、国連に興味を持ったら、なぜ興味を持っているのか、特にどんな問題の解決に興味があるのか、その問題を解決する人が集まる場所はどこなのか、について突き詰めることをお勧めします。

まずは自分は何をやりたいのか、何ができるのか、そして社会は何を求めているのか、に焦点を当てて考えてみるとそれぞれのポイントが重なるところに進むべき道に関するヒントが見つかるかもしれません。

実際に働いている人に話を聞きに行ってみたり、インターンシップをしたり、国連フォーラムの国連職員now!というサイトを見たりすると良いのではないでしょうか。

足を動かすことも大切ですね。

自分が解決したい問題は何か、どこにあるのかを理解したらその問題を自分の目で見て確認することで、自分ごととして理解できるようになります。

それが、目標のキャリアを実現するための原動力になるはずです。

ーーーJPOで採用された理由はなんだと思いますか?

2回目の応募で合格できましたが、応募当時は修士号は持っていたものの、職務経験は最低でも2年必要なところ、ギリギリの2年3ヶ月で、英語力も応募者平均よりも下だったので合格できるとは思っていませんでした。

合格できたのは熱意があったから、そして徹底して準備を重ねてきたからかもしれないです。

例えば、過去のJPO合格者の方約20人にお話を聞いて、アドバイスをいただきました。団体の中のミッションや、求める人材、私の経験をどう繋げるか、しっかり整理した上で面接や書類審査に望んだので、自信がありました。

ただ、合格をもっと確実にするならフランス語の勉強をしたり、関連する職務経験を積んだりするといいでしょう。

[JPO]
JPO(Junior Professional Officer)派遣制度のこと。
政府の費用負担を条件に、国際機関が若手人材を受け入れる。
35歳以下の日本人に対し、原則2年間国際機関で勤務経験を積む機会を提供。

参考:外務省 国際機関人事センター JPO派遣制度

今後の展望

ーーー近い将来、やりたいことはありますか?

2つあります。

1つ目は、紛争地や被災地で緊急人道支援に携わることです。

なぜなら、最初にWFPを選ぶきっかけになったのも、厳しい境遇に立たされた人々が尊厳や、生きようと前に進む力を取り戻すプロセスに人道支援を通して携わりたいと思ったからです。

現在はJPOのため安全基準をクリアした地域でのみ活動が許されていますが、その後は最も支援のニーズが集まる地域で活動をしたいと思っています。

2つ目は、近い将来ではありませんが、日本で課題解決に取り組むことです。

私の軸は、日本にあります。

一生アフリカにいることは考えていません。

国際機関ってキラキラして見えると思うのですが、そのような良い面があれば悪い面もあるんですね。

悪い面というのが、家族や友人と離れることです。

今後結婚をして出産してから、家族と一緒に住めない地域を転々とすることは、自分にとってあまり現実的なことではありません。

また、日本の伝統文化の保存や地域の発展に貢献することにも関心があるので、日本に帰ることも選択肢のひとつです。

私の感覚としては、自分は円を描くコンパスみたいな感じです。

軸が日本から支えてくれているので、私はいつも安心して弧を描くことができています。

十分に弧を描いたあとには、少しずつ軸に向いて歩き出す。

つまり、最後に畳まれて、日本に戻る感覚ですね。

コロナ禍の今、並木さんならどうする?

ーーーもし今、このコロナ禍で並木さんが大学生だったらどう行動しますか?

まずは、10年計画帳をつくります。

他には、興味がある分野で活躍している人に連絡をして、相談に乗ってもらいますね。

このコロナ禍をもしネガティブに捉えずチャンスと捉えるならば、人生の上での投資期間とすることができるかもしれません。

つまり、行動に制限がかかっている分、情報を得ていくとか、将来のプランを立てるとか、腰を落ち着かせて戦略を練るのには最も適している時間なんじゃないかなと思いますね。

でも実際、真面目な学生ではなかったので、やっていたかどうかはわかりませんけど。笑

メッセージ

ーーー将来のキャリアについて悩んでいる人たちへメッセージをお願いします。

どんどん悩んで挑戦して失敗して、少しずつ納得の行く道を見つけてください。

私の好きなガンジーの言葉に、”Happiness is when what you think, what you say, and what you do are in harmony”(幸せとは、あなたが考えること、言うこと、行動することの全てが調和している時のことだ)というものがあります。

逆に言えば、考えること、言うこと、行動することのひとつでも一致していなければ人生に物足りなさを感じてしまう、といえるのかもしれません。

自分の心に正直に、納得のいくキャリアを歩まれることを願っています。

ーーー編集後記

並木さんは好奇心が強くて、行動力があって、とても自分に素直な方だという印象を受けました。
インタビューの際、少し答えにくい質問をしてしまいました。

その際、「おもしろい質問」だとおっしゃってくれたのですが、それは一見難しそうに見える物事に対しても「おもしろい」と好奇心を持ち、行動する並木さんの考え方が表れたものだと思います。

並木さんのお考えや価値観はとてもおもしろく、読者の方々に伝えたいことがたくさんありました。

伝えきれたか不安ですが、並木さんの魅力が伝わっていたら幸いです。

ちなみに今回は、通信環境があまり良くないルワンダからインタビューを受けていただきました。

コロナの影響で活動が難しくなった面はありますが、オンラインで繋がるという選択肢が当たり前になって、私たちの可能性が広がった気がします。

記事を読んでくださった皆さんの、キャリアの選択肢が広がりますように。

*ライタープロフィール
横山愛未
教育と福祉に興味がある大学1年生。
「知らないから差別をする」という信念のもと、様々なことを経験から知るために活動しています。
目の前で苦しんでいる人を笑顔にしたい。