心の繋がりと適切な距離 #2 ~Mpraeso合同会社CEO 田口愛さん~

起業家

今回インタビューしたのは、ガーナのカカオ農家さんの可能性を広げるために活動されている、Mpraeso合同会社CEOの田口愛さんです。

第2弾では、「心の繋がりと適切な距離」をテーマに、今までの活動のエピソードや、田口さんが大切にしている考えなどについてお伝えします!

田口愛

Mpraeso合同会社CEO

国際基督教大学2年生 休学中

1998年生まれ。岡山県出身。
生まれてすぐに父の仕事の関係で幼少期の一部をポーランドで過ごす。
2018年6月 初のガーナ渡航
2018年11月 グラミン銀行でインターン
2019年8月 GOUNOU(ベナンのチョコレート企業)でインターン
2020年5月 Mpraeso合同会社設立

バングラデシュのグラミン銀行やベナンのGOUNOU(チョコレート企業)などのインターンを通してソーシャルビジネスを学び、Mpraeso合同会社を立ちあげる。
Mpraeso合同会社を立ち上げて、現地にチョコレート工場を建設したり、ガーナのカカオ豆の可能性を広げ、カカオ農家の所得向上や教育医療などに還元する基金設立を目指している。

困難だった経験

ーーー今までの活動において困難に思ったことを教えてください。

現地の人と距離感をとるのに難しさを感じています。

この困難は、まだ乗り越えられておらず、頑張っている途中です。

現地のことを深く知りたく、自分の家を作り現地の人と同じように生活してみましたが、完全に同じ生活はできませんでした。

努力しても彼らと根本的に違う部分が多くあったのです。

例えば、私たちが何気なく着てる服やカメラ、スマートフォンも、彼らにとっては未知の存在です。

彼らに今まで無かったものを、外国人の私が持っている訳なんですよね。

無かった存在が加わることで、彼らに存在しないはずだった欲が出てきてしまうんです。

それによって物やお金を盗られることもありました。

しかしそんな時に感じるのは、「彼らを刺激してしまった私が悪かった」ということです。盗んだ人を憎む気持ちは全くありません。

それを機に、私は「現地に自分が長い間加わることでシステムが崩れる可能性がある」と感じました。

適切な距離で現地の状況を把握することは非常に大切ですが、一歩引いて見ることも同じくらい必要ではないでしょうか。

今では、私がいなくても循環する、現地の人々が主体となる仕組み作りになるように努めています。

心の繋がりを維持しつつ適切な距離感を保つため、現地の人に仕事を任せたり多くの人を巻き込みながら取り組んだりしています。

大切にしている考え

ーーー現在の活動する上で大切にしている考えを教えてください。

「豊かさを再定義して、次世代の新たなモデルを作る」ことです。

私が活動する村は、教育や医療のシステムが不十分です。しかし、村の人はなぜか楽しそうなんです。

「君たちはどんな時が幸せなの?」と聞いた時、彼らはさらっと「毎日が幸せだよ。」と答えました。

豊かさを構成する要素は、私たちが想像する以上に多いです。

彼らは、光や雨の恵みに感謝し、自分が今日も食べられるものがあったり、友達と踊ったり歌ったりすることが、何よりも幸せだと言います。

ないものばかりに目を向け、こちらの考える幸せや豊かさを押し付けるのではなく、今彼らにある大切にしているものを、私も大事にしたいなと考えています。

必要なスキルは3つ

ーーー今の活動をしていて必要だと感じたスキルは何ですか。

必要なスキルは3つあり、コミュニケーション力、行動力、決断・判断力です。

①コミュニケーション力

語学の能力以上に相手への積極的な姿勢が必要です。「相手のことに興味があるんだ」という想いを素直に伝えることが大切ではないでしょうか。

実際、私の活動している地域は、現地語であるチュイ語が主流で英語はほとんど通じません。

始めは、一緒に取り組むことに苦労も多かったです。

しかし、相手のことを知りたいという好奇心から、ジェスチャーや簡単な単語を使うところから始めてみたら、どんどん絆が深まってきました。

言語が伝わらない地域でも、非言語でコミュニケーションがとれるはずです。そこで学んだことは、インターネットや本だけでは得られない自身の貴重な体験になります。

②行動力

先頭に立ってみんなを率いるからこそ、みんながついていきたいと思える存在になれるよう、日々行動を怠らないようにしています。

周りに困っている人がいれば自分に何ができるかを考えることが大切です。

例えば、現地の人から「冷蔵庫を買うお金がない。だからマンゴーとパイナップルが沢山とれるけれど保存がきかないんだ。」と相談を受けたときには「冷蔵庫をみんなに買ってあげるお金はないけれど、ドライフルーツの作り方なら知ってるよ。」と答えました。そのようにドライフルーツ作りを現地の人と始めて、 今では現地で有名な保存食になりました。

自分の周りに困っている人がいたら、できることを探して行動しましょう。

③決断・判断力

起業家ですから、常に決断と判断を求められます

最近これらの力が必要とされる場面がありました。

学生20名ほどを連れてスタディーツアーを3月に開催しようと思っていました。

学生も現地の人もそれに向けて沢山の準備をしてくださいました。

しかし、そんなときに新型コロナウイルス感染症が世界中で広がりました。

日本で感染者がほとんどいない時期に、スタディーツアーの実施について決断が求められ、とても悩みました。

「万が一の可能性はある。その状態で現地に行ったときに責任をとれるのか。」取り返しがつかない状況になるかもしれないと感じ、中止を決めました。

本当に渡航したら、ツアー中に国境が封鎖されて、日本に当分帰れなかったと思います。

私たちの日々の判断・決断が未来を創っています。

何か課題にぶつかってしまったとき、「判断する材料が揃っているのか」そして「自分が本当に大切にしたいものは何なのか」という軸を瞬時に導き、意思決定をできる人でありたいなと考えています。

 

次回は、田口さんのこれからの目標や、読者の皆様へのメッセージをお届けします。
ぜひご覧ください!

大きな愛で小さなことから行動を #3 ~Mpraeso合同会社CEO 田口愛さん~

6月中旬クラファン公開予定です!
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ライタープロフィール
竹田つかさ
筑波大学国際総合学類2年
環境心理学に興味があります。「沢山の人が力を発揮できる空間を作ること」が将来の夢です!
Twitter @tsukasa_t27