「副業」で「不条理の無い世界の実現」に取り組むNPO法人コンフロントワールドの代表理事、荒井昭則(あらいあきのり)さんのお話を伺いました。

第2弾の今回は、『早く行きたいならひとりで行け。遠くへ行きたければみんなで行け。というテーマで、NPOと民間企業の違い、国際協力への考え方や必要なスキルなどに迫ります!

プロフィール

荒井 昭則 NPO法人コンフロントワールド 代表理事
1994年生まれ。
東京都調布市出身。東京工業大学卒業。
学生時代は、カンボジア支援の学生団体に所属しカンボジアで衛生教育などの活動を行う。
大学3年終了時に1年間休学し、『ボランティアをしながら世界一周』を実施。
大学卒業後は、大手人材系企業に在籍しながら、『NPO法人コンフロントワールド』を設立。
ワールド・ビジョン・ジャパン主催『未来ドラフト』グランプリ受賞。


早く行きたいならひとりで行け。遠くへ行きたければみんなで行け。

副業をするうえで意識していること

―――副業もやっていて大変な時意識していることは何ですか?

オンとオフの切り替えをはっきりさせることです。

例えば、先週の土日も友達と旅行に行きました。

その間、仕事のことは全く考えないです。

オフの時にしっかり遊び休んだら、仕事を頑張ろうと思えます。

全力で遊ぶし、全力で仕事するといったようにバランスを取っている感じです

。ただ、たくさん仕事がある時もあるので、その時は何も考えず、無心になってやっています。

 

NPOと民間企業の両立のいいところ

―――NPOと民間企業の両方で働くいいところを教えてください。

民間企業では、最低限の生活が保証されるので、NPOでの活動はお金に関係なくやりたいことに挑戦できるという点です。

私たちの活動はあまりお金になりにくいので、国際協力を本業にするとお金を稼ぐための支援になってしまいます。

あとは、NPOと民間企業で働く人は全然違っていて、どちらにも会えるという点はすごく面白いなと思います。

NPOは、感情的な人やビジョンがしっかりしてる人が多いです。

一方、民間企業は、何かを形にする能力やビジネススキルに長けている人が多いなと思います。

 

活動するうえで大切にしている考え

―――現在の活動の上で大切にしている考え方は何ですか?

①「能力がないと誰も救えない」

②「早く行きたいならひとりで行け。遠くへ行きたければみんなで行け。」

③「現地の人の気持ちはわからない。」

この三つです。

一つ目は、人を助ける能力がないと誰も救えないことを意識しています。

例えば、トイレを作るにしても、コミュニケーション能力や資金調達の能力、マネジメント力などが必要です。

コンフロントワールドでも、きれいごとだけではなく、ちゃんと力をつけることを徹底しています。

ケニアの孤児院で、自分に力があれば、あの時亡くなった子どもを助けられたかもしれないと思いますね。

だからこそ、今の自分に必要なのはNPOを経営して大きくする能力だと思っています。

二つ目は、アフリカのことわざです。

一人でできることと団体でできることは全然違います。

団体でやると一人でやるより時間がかかりますが、大きなことができます。

私は一人でやるよりも、団体のメンバーや団体を応援してくれるマンスリーパートナーと一緒にやるということを意識しています。 

三つ目は、わかろうとはするけど絶対にわかることはないと思っています。

例えば、ウガンダでトイレのない地域に住む人々の気持ちは絶対どこまで行ってもわからないと思うんです。

なので、すべての海外事業は、現地に住むパートナーと一緒にやるようにしています。

私たちは、日本に住んでいるからこそできることをするという役割分担をしようと考えています。

例えば、トイレを作る活動では、現地で10万円集めるより日本で10万円集めるほうが早く、トイレがなくて死んでしまう子どもを救うことができます。

 

現在の活動で必要なスキル

―――現在の活動で必要だと感じたスキルなどはありますか?

お金を作る能力や経営する能力、人を動かす能力が大事だと思っています。

国際協力をやる人は、国際協力に関する知識が必要になりますが、それ以外の知識やスキルのほうが重要だと感じます。

例えば、トヨタの社長が運転をめちゃくちゃ上手になる必要はなくて、未来を見据える能力や経営能力などが必要ではないでしょうか

そういったスキルは読書などで身に付けています。

今はイヤホンで聞くオーディオブックを使って仕事中や電車に乗っている間に流して聞いています。

第3章はこちら

副業で国際協力という新しい働き方#3 ~NPO法人コンフロントワールド荒井昭則さん~