今回インタビューさせていただいたのは現役大学生でありながらファッションブランドAyの代表を務める村上采さんです。

 第一弾では、愛が溢れる世界を目指すファッションブランド「Ay」について伺いたいと思います。

現役大学生は一体どのようなファッションブランドを作ったのでしょうか?

プロフィール
村上采

株式会社Ay代表取締役
慶應義塾大学
高校1年生の時にアメリカのミネソタ州へ1年留学し、南アフリカ人との出会いからアフリカへの興味を持つ。
大学入学後アフリカのコンゴ民主共和国へ二度渡航し、現地とともに衣服生産をするアパレルブランドAy(アイ)を立ち上げる。
2020年6月に株式会社Ayを設立し、郷里である群馬県伊勢崎市の絹織物を生まれ変わらせるラインを発表する(9/12)

ファッションブランドAyとは

―――現在はどのような活動をされているのですか?

 ファッションブランド「Ay」を立ち上げて活動しています。

このブランドでの活動は二つあります。

一つ目は、コンゴの伝統的な生地であるリプタを使った日本人向けのお洋服の製造、販売です。

 二つ目は、私の郷里である群馬県伊勢崎市の伝統的な「銘仙」という着物を使用したお洋服の製造、販売で、こちらのお洋服は新しいコレクションになります。

 コンゴの活動では、コンゴの若者の社会進出やシングルマザー、ストリートチルドレンの職業訓練といった課題に取り組んでいます。

一緒に洋服づくりをしている仲間は、コンゴの若者と現地NGO「APROFED」です。 

APROFEDは、地域を挙げてシングルマザーやストリートチルドレンの職業訓練をしたり、経済的に学校に行けない子どものための学校を作ったりしています。

 この団体のビジョンに共感して一緒に活動を始めました。

一方、伝統的な「銘仙」という着物を使用したお洋服づくりでは地域のおばあちゃんたちと共に活動しています。

こちらは地域の伝統文化の継承という課題に取り組んでいます。

 以前から、私の郷里の伝統的な銘仙が廃れてしまっている現状は耳にしていました。

この3月以降、地元に帰る機会があり、自分が解決したい課題をじっくり考えました。

その結果、日本国内の文化が衰退してることもあり、身近な問題だと感じたんです。

 銘仙でお洋服を作ってみようと思い、取り組むことになりました。

―――このコロナ禍ではどのような活動をされていますか。 

現在はコロナでコンゴに行けないので、コンゴでの服の生産はできていません。

 なぜなら、コンゴ人だけで作るとなると日本人が求めるクオリティーやサイズ感が分からず技術面で厳しいからです。

 しかし、自粛期間に私が何ができるか考え、コンゴでの教育面における取り組みをしています。

 具体的にはコンゴ人と日本人の学生をつなげる活動をしています。

―――ブランドAyが目指す世界を教えてください。

「魚の釣り方を一緒に考えることで、愛が溢れる社会へ」

 ブランドAyが目指すのは、現地とともに成長することです。

 ブランドが潤うだけでなく、関わってくれる方々も私たちも成長できる方法で運営しています。

 表向きは皆さんに「かわいい!」「こんなカラフルな文化があるんだ!」と思ってもらえるように地域の魅力や素敵な部分を前面に出しつつ、裏では地域の課題が解決されている状態が理想です。

魅力を発信するで注目が集まって、商品を買ってくださる方々がいて、お金がしっかりと現地にわたっているサイクルを作り出したいですね。


大学生がファッションブランドを立ち上げるまで

―――Ayを立ち上げた経緯を教えてください。

ずっとアフリカに興味を持っていて、大学でコンゴに関わるプロジェクトに入り、2019年にコンゴに行くことができました。

その時に現地での活動が文化交流や単発のイベントで終わってしまうと、現地のニーズに応えられず持続可能ではないと気づいたんです。 

そして、持続可能な方法はビジネスだと思いました。 

実際にコンゴ人もお金の稼ぎ方や、ビジネスを起こす方法を求めています。

そこで、コンゴの素敵な文化であるリプタという布を使って、ファッションをやりたい人たちと一緒にプロジェクト活動を開始しました。 

そして、帰国後にいろいろな繫がりのおかげで、現地で作ったお洋服を銀座のマロニエゲートさんで出店できることになり、その時に初めてブランドを立ち上げました。

そこから単なるイベントになってしまわないように1年間個人としてAyを続けてきて現在に至ります。

―――次回予告

現役大学生でありながらファッションブランドを立ち上げられた村上さん。

次回は村上さんの等身大の姿に迫ります!