挑み続ける41歳は若く眩しい大人だった。 〜NPO法人HERO代表 橋本博司さん〜

3 これからの自分と、これからの社会。

―――国際協力における、今後のキャリアプランを聞かせてください。

40代はなにか一つのことに注力して、50歳になったら一旦全部リセットしようと考えています。

ざっくりの人生プランですが、20代では全く違うジャンルの3つのことに挑戦しようと思ったんですね。

お店作ったりとか、海外に行ったりとか、会社に入ってその中で動くっていうのも僕の中では挑戦でした。

30代では途上国の活動をやろうと決めましたが、なにが自分に合っているのか分からなかったので、学校や医療、貧困対策の事業などいろいろなことに挑戦しました。

40代はどうするかっていうと、その中で一つに絞って本気でやろうかなと思っているんですね。

この10年は社会的にも世界的にも一番有効なものを見つけ出して、そこに集中していくような時期にしたいと考えています。

そして50歳になった時に、一旦自分の中での成功体験や実績をゼロベースで見て、そこから何を本当に自分の人生としてやっていきたいのか考えたいですね。

やっぱり途上国だと思ったら続けると思いますし、いや日本だなと思ったら日本に行くかもしれないし、別の団体を立ち上げするかもしれません。

―――今後の社会課題の潮流や、新しい動きがどのようになっていくか、何か考えがあれば教えてください。

ソーシャルビジネス、社会企業がもっと広がって、それをしていない企業が下手したら淘汰されていくのではないかと思っています。

投資の世界でも、環境のことを考えていない企業はこの先なかなか選ばれにくくなっていくかもしれません。

それから、日本発の巨大NPOが出てきてほしいなとも思っています。

UNICEFや、アメリカのRoom to Readのような、大きな組織のイメージです。

しっかりとした予算を持っていて、自分たちで収益を稼いでいて、1000人、2000人を雇用するNPOって、今は日本にはないんですね。

―――大きなNPOができるためには、どんな変化が必要だと思いますか?

NPOで働く人の給料をしっかりと出すことですね。

民間企業以上に出せるくらいの状態にならないと、転職先としてはどうしても選ばれにくいですし、実際そういった現状は既にあります。

民間で働いてから、理想だった社会貢献・国際協力の現場に30歳を過ぎて転職しようとしたら、下手すると給料3分の1とかになってしまいます。なので、なかなか優秀な人材が集まりません。

逆にアメリカやヨーロッパでは、民間からNPOに転職したら給料が上がる世界なので、優秀な人材がどんどん入ってきて組織としても大きくなっています。

―――理想とする社会を教えてください。

日本が、「世界に貢献することを喜びとする国」になったら最高だなと思います。

今のところは、国際社会において経済では劣らない位置にいますが、この先すぐに中国やインドに抜かれていきます。

さらに少子高齢化が進んで人口が減少し、おそらく限界が来ると。

お年寄りが多くなるということは、その分の時間的余裕や経験、知恵がたまるわけです。

それを「抱える」のはもったいないじゃないですか。

そうではなくて、いろんな国にどんどんノウハウを提供して、貢献していこうぜっていう。

お金を持っているという豊かさではなくて、貢献することによる豊かさが尺度になるような国になったら理想ですね。

―――最後に、国際協力を志す人への応援メッセ―ジをお願いします。

今までお店立ち上げたり、民間企業に入ったり、いろいろやってきましたが、結論から言って今の自分のやっていることが1番楽しいんですね。

何が1番違うのかっていうと、出会う人が変わったことです。

特にうちのスタツアに参加してくれる学生や寄付をしてくださる経営者の方々ですね。

スタツアでカンボジアに行くとなると自分の大切な時間とお金を費やすことになりますし、学校に寄付をするとなると企業の利益を出すことになります。

でも、そういう考えがベースにある方たちは、みんな素晴らしく話していても面白いです。

経営者に限って言えば、やっぱり成功してる人が多いんですね。皆さん応援してくれますし。

この世界に飛び込んでもらうと、それが体験できるのかなと思いますので、ぜひ日本の方に挑戦してもらいたいですね。

cococolor earth(ココカラーアース)
ライタープロフィール
関沼久瑠美
中央大学 経済学部国際経済学科4年
フィリピン、インドなど5ヵ国でのボランティア活動を通して複雑に絡み合う社会課題を目にし、自分にできることを模索中。

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