社会課題解決にはワクワクさせるようなアイディアが必要⁉#2〜プルデンシャル生命保険 後藤寛幸さん〜

国際協力

プルデンシャル生命保険で働きながら、Cambodian Children’s TrustというカンボジアのNPO団体でも、ご活躍されている後藤寛幸さんにお話を伺いました。

後藤寛幸
1995年1月16日生まれ。長野県出身。
大学生時代にカンボジアへボランティアとして二度渡航。そこで孤児院ビジネスの問題を知る。看護系の大学卒業後、都内の病院で看護師として働く。
その後、プルデンシャル生命保険へ転職。
同社でライフプランナーとして務める傍ら、Cambodian Children’s TrustというカンボジアのNPO団体に寄付をしながら情報発信の立場としても活躍中。

学生時代

ーーー後藤さんの学生時代について教えてください。

学生時代から国際的に人の役に立てる仕事をしたいと思っていました。

元看護師の母親から「国境なき医師団」について聞き、医療の視点からも国際協力できると知ったのです。

その影響で、看護学部で医療を学びました。

また、カンボジアへ二度渡航しています。

一度目は、スタディツアーです。

孤児院へボランティアとして伺い、子どもの生活環境や将来への想いを聞きました。

本来は家族で生活したいのに、経済的な理由などで、生活ができない現状を知り、この問題を解決したいと強く思いました。

二度目は、孤児院に関わる問題を深く知るために単身でCCTに修行しに行きました。

CCTは、孤児院の子どもと本来の家族を繋ぎ直す支援を行っています。

親がいるのにも関わらず親子を突き放して、隔離した生活環境へ物資を支援しているのが今の孤児院ボランティアの現状です。

親がいるなら、親に戻し、そして親が育てる。それを支援することこそが、本来あるべき姿だと強く信じ、そこの理念や方針を学びに行きました。

この学生時代の2つの経験を通して、社会貢献への関わり方に関して「医療」の選択肢しか持っていなかったですが、「家族」という視点も加わり、大きな分岐点になりました。

医療でも「家族」を守れるのではないかと思い、看護師を目指しました。

社会課題に興味を持ったきっかけ

ーーー社会貢献に興味を持ったきっかけはありますか?

高校に毎朝届く英字新聞を読んだことがきっかけです。

その中で、子どもの貧困を訴える写真や記事は、とても衝撃的な内容でした。

なぜ人間が数千年も生きてきて、こんなにわかりやすい問題が無くならないのか。

疑問に思い、その解決に貢献したいと強く志しました。

現在の働き方

ーーーさまざな関わり方がある中で、保険会社で働きながら、NPOでの活動や寄付活動をすることに決めたのはなぜですか?

日本で生命保険を用いて、まだ経済的に問題を抱えていない人たちの家族の経済基盤を守る支援をしながら、カンボジアとの関わりが切れないように寄付やCCTの情報発信をすることが自分の使命だと気付いたからです。

当初はCCTに現地で直接関わるつもりでしたが、「これはカンボジアの社会問題だから、カンボジア人のみで解決したい」という理由で断られました。

数回現地に行っただけの私がやるより、そこで生まれ育った方々が解決する方が理想だという結論に至ったのです。

同団体からは「この社会問題は、日本人の行いが大きく絡んでいるが、日本人の多くはこれを知らない。この問題を日本に強く訴え、その結果私たちの活動を支援する資金を調達して欲しい」と依頼されました。

つまり、私の使命はカンボジアではなく、日本国内で行うことでした。

カンボジアで学んだことは、経済基盤がしっかりしていなければ親子(家族)関係は壊れ得るということです。

その教訓は、日本人にもあてはまるはずです。

前職の看護師をしていた頃、家族の誰かに万が一のことが起きた時、経済的に厳しく、十分な医療や介護を受けられず崩壊していく家族を見てきました。

日本人も経済的な理由で家族を守り切れない事態が訪れる可能性があります。

日本人として気づいた以上、それを守っていくことが自分に求められる仕事だと考えました。

しかし、それだけではカンボジアとの距離は離れてしまいます。

そこで、所得の1%をCCTに寄付したり、生命保険信託の普及で国際協力の可能性を広げたりと、日本にいながら、日本とカンボジア、そして世界に貢献できる仕事を見つけられたのです。

国際協力を志す人は、現地で活躍したいと思うかもしれません。

しかし、そこで一歩立ち止まり、本当に自分にできる最善策なのか、また持続的に打ち込めることなのかを考える必要があります。

困難な経験

ーーー現在の活動において「これは大変だった」と思う体験や経験はありますか?

自分が伝えたい社会問題を、どれだけ訴えても、相手になかなか興味を持ってもらえなかったことです。

当初は、「孤児院ビジネスを解決するために、ビジネス経験を積みながら、しっかり報酬を得て寄付したいからプルデンシャル生命保険に転職しました」と、お客様に自分の経緯を話していましたが、あまり興味を持っていただけませんでした。

モラルに訴えかけても、社会問題の解決に繋げるのは難しいことを身を持って実感しました。

正義感が強い人は、他者の倫理観に訴えがちです。

しかし、本当に社会を変えたいなら、みんながウキウキしたり、親しみやすい「アイディア」を広げたりしていくことが効果的だと気づきました。

必要なスキルや知識

ーーー今の活動をしていて必要だと感じたスキルや知識とそれらを使用した事例を教えてください。また、そのスキルや知識を今どのように身につけようとしていますか?

価値創造のスキルです。

社会問題の解決に大勢を呼び込むためには、訴えではなく、やってみたいと思ってもらえるような価値のあるアイディアが必要だと思います。

例えば、生命保険信託の仕組みでいうと、保険金が支払われた瞬間に数千万円の経済的なインパクトを必ず残せるのは一種の価値だと思うんです。

社会貢献のために一生懸命働いていても、その目標が達成できるかどうかはわからないですよね。

でも、保険金のお支払い時には、必ず大きな社会的影響力を残せる約束ができます。

それはとても価値のあることです。

人生の価値が上がると思えるような社会貢献の仕組みを作ることで、興味ないお客様でも参加したいと思ってもらえます。

また、「価値創造=ヒアリング×ロジック×妄想力」という考え方が大事です。

有名な例で挙げれば、プラン・インターナショナル様の「女の子の未来に投資を」という広告コピーです。

それまで倫理的に訴えかけることで寄付を募っていた当団体が、何だか楽しそうだなと興味を引く価値に形を変えた瞬間でした。

ロジックだけで考えてしまった場合、例えば、生命保険信託に関して、「あなたが亡くなった時の生命保険金500万円で数千人の子どもたちにランドセルを送れます。どうですか?」という伝え方になってしまいます。

相手がどんな想いを持っているのかしっかりヒアリングすることで、そのお客様が「若い人たちにもっと社会貢献を仕事にしてほしい」という想いを持っていた場合

「あなたの人生が上手くいっても、いかなくても、いつか必ず、あなたの人生の最後で、このように後世の社会に良い影響を残せます。それがこのプランです。」

という風に説明の仕方が変わってきます。

なので、ヒアリングをすると、その人の本質的なニーズを見極めた上で、ロジカルに説明できます。

モラルに訴えかけても伝わらないジレンマがある中で、価値を作ることが社会貢献への興味が少ない人に関心を持ってもらうたった一つの方法だと思います。

単なるモラルや倫理に訴えかけるのではなく、参加することで少しでも誇らしく生きられたり、ウキウキするような価値を作ることがとても大事なポイントになると考えています。

最終章は後藤さんの今後のキャリアや、応援メッセージを紹介します!

考えていることを行動に落とし込むことの重要性とは#3〜プルデンシャル生命保険 後藤寛幸さん〜
ライタープロフィール
熊野ひかり 明治大学文学部3年
社会的意義のある成長企業への投資やソーシャルビジネスに関心があります。現在は、社会課題をITを用いて解決しようと試みるベンチャー企業で長期インターンをしています。