途上国スラムにおける貧困問題の解決〜坪田勝志さん〜

起業家
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本日はスラムにおける貧困問題をビジネスという切り口で解決しようされている坪田勝志さんにお話を聴きます!

小規模飲食店のマイクロフランチャイズ事業を通してスラムに住む人々の収入源をつくり、スラム街に影を落とす貧困の連鎖を断ち切ろうとする姿。

社会問題解決の為に起業された坪田さんの覚悟と哲学に迫ります!

大学2年時にフィリピンを訪れ、彼らとの生活レベルの差に衝撃を受ける。
卒業後、重機を扱う会社や人材会社を経て、社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」に入所。
現在、フィリピンにて小規模飲食店のフランチャイズ事業を展開。

1. ソーシャルビジネス-途上国スラムにおける貧困問題の解決

解決したい社会問題

ーーー坪田さんが解決したい社会問題についてお聞かせください。

僕が向き合っている社会問題は『途上国スラムにおける貧困問題です。

貧困というのは言うまでもなく世界中にあり、それら全てが僕の取り組んでいきたい社会問題です。

”その第一歩として”フィリピンに存在するスラムの一つ「トンド地区」にてソーシャルビジネスを開始しています。

まだ始まったばかりで、偉そうに話せる事はありませんが、何か少しでも参考になればと思います。

事業内容

ーー具体的な事業内容を教えてください。

小規模飲食店のマイクロフランチャイズ事業を立ち上げています。

自社がライセンサーとなり、スラムの貧困に苦しむ「親」と、小規模飲食店のフランチャイズ契約を結びます。

フランチャイズ契約において、彼らの経験や預金等の条件は一切なく、「義務教育過程の子どもをしっかりと学校に通わせること」が唯一の契約条件となります。

彼らが頑張れば頑張るほど彼らの収入は増え、同時に自社に入ってくるロイヤリティも増える。

それが次の投資(フランチャイズ店舗数の拡大)に繋がるという狙いです。

 

ーー”マイクロ”フランチャイズですか?

フランチャイズというと日本のコンビニオーナーのようなものを想像されるかと思いますが、こういった普通のフランチャイズビジネスって、オーナーになるのにまず一定の資金が必要なんですね。

けれど、お金を持っている人にしかビジネスのチャンスが与えられないというのは、不公平というか、それでは貧困に苦しむ人の状況はいつでも変わりません。

機会の不平等なんですよ。

そこで、貧困状態でお金がなくても、教育を受けずに育ってしまったとしても、本人達の頑張り次第で誰でも自分の仕事を持てるというのがマイクロフランチャイズです。

具体的には、フランチャイズオーナーとして独立する際、開業資金を全て自社で立て替えます。

ここもあくまでビジネスなので、彼らの売上が出始めた段階からしっかり返済をしてもらいます。

学歴や資金、いわゆる社会的信用がなくても、ゼロからでもチャレンジできる仕組み

それがマイクロフランチャイズの特徴です。

 

ーースラムに住んでいる貧困層の人たちが、小規模とはいえ飲食店を経営することは可能なんですか?

最初に話した通り、まだ開始したばかりで、想定と違うことがたくさん起こるんだとは思いますが、僕は可能だと信じています

彼らの多くは仕事の経験が殆どありません。

だから、まずは基礎研修から始め、従業員として既存店で修行を積んでもらってからフランチャイズオーナーになるというステップを用意しています。

 

ーーなるほど、研修と現場で経験を積むことによって接客や経営スキルを0から学べるんですね。

この飲食店ではタコライスを売るんですが、店舗での調理工程も可能な限り簡単に設計しています。

一方で、オペレーションが簡単な分、「ただ”儲けることだけ”を目的としている企業」に真似されるようなことは避けないといけないので、商品のキモになる部分のレシピ開発にはかなり時間をかけていますし、完全非公開にしています。

 

2.フィリピンで出会った貧困問題

貧困問題に取り組みたいと思うようになった理由

ーーなぜ貧困問題に取り組みたいと思ったのですか?

すごくシンプルに、「自分の人生をどうやって生きたいか」の答えだからです(笑)

 

ーーうーん、なるほど。

順を追って説明すると、僕は大学2年生の時にフィリピンに初めて行って、その時に生まれて初めて”ストリートチルドレン”といわれる子ども達を見ました。

それまで、僕は日本で平々凡々と生活を送っていましたが、その時初めて、

「自分はありえないぐらい恵まれている」

と感じて…。

僕は別に自分で選んで日本という環境に生まれたわけでもないし、彼らだってそれは同じです。

なのに、これだけ生活に差があるのかと強い衝撃を受けました。その体験が今の自分の仕事に繋がっています。

 

ーー”原体験”みたいなものですかね?

うーん、”原体験”って言うほどのものでもなく、別に彼らと暮らしていたわけでもないので。

ただ大学生の時って「今後の生き方」とか「どんな人間になりたいか」みたいなことを悶々と考えだすじゃないですか。

僕はたまたまそんなタイミングでフィリピンに行き、ストリートチルドレンに会って、胸に憤りを感じたんです。


ーーあくまでタイミングが鍵であったと。その大学2年の経験の後はどんなことをされていたんですか?

その時の思考としては「将来は経営者になって、金持ちになって、そしたら学校を建てまくろう」みたいなことを考えていました。

めちゃくちゃ浅はかですけど(笑)

そんな決意をしてから、2年くらいはフィリピンから離れて普通に大学に通い、すぐに就活の時期になりました。

大学卒業後のキャリア

ーー大学卒業後はどのようなキャリアを考えられていたのですか?

「経営者になる」っていうところはブレてなくて、就職活動は総合商社1社に絞りました。

そこは途上国にかなり進出していたし、他の商社に比べて若手の裁量が圧倒的に大きく、一番早く成長できると考えたからです。

まぁ最終面接で落とされてしまったんですけど(笑)それで…恥ずかしいんですが、ビビってしまって。

結局、重機を作っている会社に「ここならフィリピンに行けるかも」という軽い考えで入りました。

その会社では、なぜか人事に配属されて、 “超ホワイトカンパニー”という感じで

「ここにいては自分がダメになる」

と思い、配属から1年もせずに辞めました。

その後、すぐに起業するか迷いましたが、ビジネスの「ビ」の字もわかってなかったので、「やっぱり3年ぐらいは修行をしないと」と思い人材系の会社に転職しました。

その会社は「経営者になる・起業する人が多い」という話をよく聞いていたし、面接でも「起業するので3年で辞めますが採用してください」とか言っても全然オッケーという感じだったのでこの会社を選びました。

でも、1年半ぐらいやって

「”仕事を上手くこなす力”は身についても、”事業をつくる力”はまた別なんだろうな」

と感じ出して、退職・独立しました。

実際に自分で事業をやって、失敗を繰り返した方が早いという考えです。

 

ーー3年間で2回退職を経験されたわけですね。

はい、その後は「フィリピンの雇用を作れる事業を」と考え、最初は介護人材育成事業を開始しました。

なんとか契約までこぎつけるも、ビザの問題でこの事業はストップしてしまいました。

その後もなんとか食いつなぎながら新しいビジネスモデルを考えている時に、社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」というものに出会い、入学を即決。

この5ヶ月のアカデミーの中で、小規模飲食店のマイクロフランチャイズ事業というモデルに辿り着くことが出来ました。

ーーなかなか、長い時間をかけて現在の形にたどり着いたことが分かりました。その一方でフィリピンの問題をどうにかしたい気持ちはブレなかったんですね。

いや、正直大学2年生の時から人材会社を辞める時までは「経営者になりたい」という気持ちの方が強かったと思います。

情けないですが、その時は完全にエゴにまみれてました(笑)。

でも人材会社を辞めて、いざ独立をするという時に、

「じゃあ経営者という生き方の中で、この人生を通して自分は何をしたいのか?どう生きたいのか?」

を改めて必死に考えました。

2,3ヶ月くらい、あぁでもない、こうでもないと、とにかく自分と向き合いました。

そんな、いわゆる「内省」を通じて、「自分が人生をかけてでも向き合いたいこと」っていうのがやっぱりフィリピンで感じたあの時の憤りであり、「貧困という不公平さ」だなと、はじめて腹の底から決意ができました。

 

3.世界の貧困問題の解決

今後の貧困問題への取り組み

ーー自分と向き合った結果辿り着いた世界の貧困問題の解決という道ですが、今後どのようにこの問題を解決していこうと考えていますか?

まずは、開始したばかりである今の飲食ブランドで、マイクロフランチャイズの店舗をできるだけ増やしていきます。

しかし、「店舗が生む収入源」だけでは社会的インパクトにも限界があります。

つまり、タコライス店を100店舗まで拡大しても、100世帯分の収入源しか生まれないという事です。

だから、店舗拡大が上限に達した段階でアプローチ方法を少し変え、「小規模ビジネスオーナーの輩出企業」になりたいと思っています。

この事業における一番の価値は、スラム住民の収入源をつくること以上に、彼らが成功体験を得られるという事だと思っています。

「自分にも出来るんだ」と。

これをつくる事ができれば、タコライスのブランドでは100店舗が限度だとしても、その100店舗の中で自信と経験・スキルを得た人達は、次は自分のスモールビジネスを作っていけばいいと思います。

もちろん、このフェーズでも自社から資金・ノウハウの側面からサポートを行います。

このフェーズになれば、タコライスショップというのはあくまで一つの「入り口」という位置付けになると思います。

読者へのメッセージ

ーー最後に読者の方、特に「社会問題解決に挑戦したいけれども、一歩踏み出せずにいる方達」に向けメッセージをお願いします。

まず何よりも、「自分と向き合うこと」を大切にして頂きたいと思います。

変に焦るのではなく。

というのも、挑戦したいのに一歩踏み出せないというのが僕はあまり理解できないというか、本当に腹の底から何かやりたいと思っていたら、誰になんて言われようと、何が何でも絶対にやりたいじゃないですか。

「一歩踏み出せずにいる」っていうのって、勇気が無いとか実はそういう話じゃなくて、シンプルに本気度がそこまで達していないという事なんだと思います。

そういう意味でも、色んな人と話して、色んな世界を見て、自分はこの人生で何をしたいのか」という事をちゃんと自分に問い続けて頂きたいです。

別に社会問題を解決しようとする人がカッコイイ訳でもないし、特別エラい訳でもない。

何よりもまず大切なのは、「自分がどう生きたいのか自分でわかっている」という事だと思います。

その上で、世の中で起きている問題に憤りを感じたり、素直に「この不条理をなんとかしたい」と思うなら、あとはツベコベ言わずに頭使って行動するのみです。

先を行く先輩を見つけてアドバイスを貰いにいってもいいし、今すぐやれることは何でもあるはずです。

 

社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」の最終発表会にて坪田さんが登壇された際の紹介動画と登壇動画になります。もっと坪田さんについて知りたい方!小規模飲食店のマイクロフランチャイズ事業について知りたい!方はぜひ見てみてください!

ボーダレスアカデミー ファイナルピッチ-出場者NO.1 坪田勝志

フィリピンのスラムにおける貧困連鎖を断ち切る | ボーダレスアカデミー 坪田勝志

社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」についてもっと知りたい方はこちらから

ボーダレスアカデミー | 社会起業家をつくるソーシャルビジネススクール

ボーダレスアカデミーは社会問題を解決する社会起業家をつくるソーシャルビジネススクールです。社会起業家・現役経営者が講師を努める本格的な社会起業プログラム。4カ月間でビジネスプランを完成させ、卒業と同時に起業を目指します。

COCOCOLOR EARTH(ココカラアース)
ライタープロフィール

白石達郎 早稲田大学人間科学部3年 NGO Day In Life 代表
マレーシアで、「正規就労ができず不法滞在状態となってしまう移民」と
「移民を積極的に雇用している企業」との情報差を埋める求人メディアを運営
目標:「マレーシアの不法移民問題を解決すること」
   「世界一のパパになること」

 

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