途上国スラムにおける貧困問題の解決〜坪田勝志さん〜

2.フィリピンで出会った貧困問題

ーーーここからは坪田さんの過去に迫っていきたいと思うのですが、そもそもなぜ貧困問題に取り組みたいと思われたんですか?

すごくシンプルに、「自分の人生をどうやって生きたいか」の答えだからです(笑)


ーーーうーん、なるほど。

順を追って説明すると、僕は大学2年生の時にフィリピンに初めて行って、その時に生まれて初めて”ストリートチルドレン”といわれる子ども達を見ました。

それまで、僕は日本で平々凡々と生活を送っていましたが、その時初めて、

「自分はありえないぐらい恵まれている」

と感じて…。

僕は別に自分で選んで日本という環境に生まれたわけでもないし、彼らだってそれは同じです。

なのに、これだけ生活に差があるのかと強い衝撃を受けました。その体験が今の自分の仕事に繋がっています。

ーーー”原体験”みたいなものですかね?

うーん、”原体験”って言うほどのものでもなく、別に彼らと暮らしていたわけでもないので。

ただ大学生の時って「今後の生き方」とか「どんな人間になりたいか」みたいなことを悶々と考えだすじゃないですか。

僕はたまたまそんなタイミングでフィリピンに行き、ストリートチルドレンに会って、胸に憤りを感じたんです。


ーーーあくまでタイミングが鍵であったと。その大学2年の経験の後はどんなことをされていたんですか?

その時の思考としては「将来は経営者になって、金持ちになって、そしたら学校を建てまくろう」みたいなことを考えていました。

めちゃくちゃ浅はかですけど(笑)

そんな決意をしてから、2年くらいはフィリピンから離れて普通に大学に通い、すぐに就活の時期になりました。


ーーーフィリピンからは離れていたんですね。その後のキャリアについては
どう考えていたんですか?

「経営者になる」っていうところはブレてなくて、就職活動は総合商社1社に絞りました。

そこは途上国にかなり進出していたし、他の商社に比べて若手の裁量が圧倒的に大きく、一番早く成長できると考えたからです。

まぁ最終面接で落とされてしまったんですけど(笑)それで…恥ずかしいんですが、ビビってしまって。

結局、重機を作っている会社に「ここならフィリピンに行けるかも」という軽い考えで入りました。

その会社では、なぜか人事に配属されて、 “超ホワイトカンパニー”という感じで

「ここにいては自分がダメになる」

と思い、配属から1年もせずに辞めました。

その後、すぐに起業するか迷いましたが、ビジネスの「ビ」の字もわかってなかったので、「やっぱり3年ぐらいは修行をしないと」と思い人材系の会社に転職しました。

その会社は「経営者になる・起業する人が多い」という話をよく聞いていたし、面接でも「起業するので3年で辞めますが採用してください」とか言っても全然オッケーという感じだったのでこの会社を選びました。

でも、1年半ぐらいやって

「”仕事を上手くこなす力”は身についても、”事業をつくる力”はまた別なんだろうな」

と感じ出して、退職・独立しました。

実際に自分で事業をやって、失敗を繰り返した方が早いという考えです。


ーーー3年間で2回退職を経験されたわけですね。

はい、その後は「フィリピンの雇用を作れる事業を」と考え、最初は介護人材育成事業を開始しました。

なんとか契約までこぎつけるも、ビザの問題でこの事業はストップしてしまいました。

その後もなんとか食いつなぎながら新しいビジネスモデルを考えている時に、社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」というものに出会い、入学を即決。

この5ヶ月のアカデミーの中で、小規模飲食店のマイクロフランチャイズ事業というモデルに辿り着くことが出来ました。

ーーーなかなか、長い時間をかけて現在の形にたどり着いたことが分かりました。その一方でフィリピンの問題をどうにかしたい気持ちはブレなかったんですね。

いや、正直大学2年生の時から人材会社を辞める時までは「経営者になりたい」という気持ちの方が強かったと思います。

情けないですが、その時は完全にエゴにまみれてました(笑)。

でも人材会社を辞めて、いざ独立をするという時に、

「じゃあ経営者という生き方の中で、この人生を通して自分は何をしたいのか?どう生きたいのか?」

を改めて必死に考えました。

2,3ヶ月くらい、あぁでもない、こうでもないと、とにかく自分と向き合いました。

そんな、いわゆる「内省」を通じて、「自分が人生をかけてでも向き合いたいこと」っていうのがやっぱりフィリピンで感じたあの時の憤りであり、「貧困という不公平さ」だなと、はじめて腹の底から決意ができました。

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