記念すべき第1回目のインタビューイーになってくださったのは、アフリカと先進国をジーンズを通して繋げるGHION DENIM PROJECTを行なっている祇園涼介さんです!

うつ病発症やイギリス留学、商社勤務など様々な経験を持つ祇園さんが現在に至るまでにどういった道のりや思いがあったのか社会貢献を仕事にするまでを聞いていきたいと思います。

プロフィール

1995年3月生まれ。岡山県岡山市出身
小学校〜高校まで野球一筋で育つ。
大学受験の失敗を機に野球を引退。
関西圏の私立大学に進学。
大学1年生でうつ症状と不眠症になり人生のどん底へ。
その後カバの動画に心を撃たれ、アフリカへ渡航を決意。
イギリス留学を経てアフリカで働ける総合商社に入社。
すぐにアフリカに行くことができない現実を知り、アフリカジーンズプロジェクトを立ち上げ、入社10ヶ月で退職。
現在は篠原テキスタイル様にてデニム武者修行中。


カバから始まった国際協力

国際協力を始めたきっかけ

―――国際協力を始めたきっかけを教えてください。

大学一年生の時、ケニアの野生動物保護プロジェクトにボランティアとして参加して、実際に見た光景や景色がすごく印象的でした。

その体験がきっかけで、将来アフリカのために何かしたいと思い、現地で仕事をするために商社に入りました。

しかし、アフリカに行くには7~10年かかるとのことで、自分の好きなものとアフリカをつなげようと思いました。

なぜアフリカに関わろうと思ったのか

―――なぜアフリカに行って、アフリカに関わろうと思ったのですか?

アフリカには物がないと学校で教えられ育ってきましたが、行ってみると意外と都会でした。

汚いボロボロの服は、発展国から大量に送られてきて有り余っています。

このように、いらなくなったものを途上国に送って捨てるということに、憤りではないが違和感があり、エゴを感じました。

私は逆の動きもあっていいのではないかと考えます。

アフリカの人たちが新品を着て、彼らの中古品を先進国に送ることで、お互いが一番高い価値を感じられるのではないかと。

アフリカで新品のものは、めったに手に入れることができないため、すごく価値が高いです。

一方、先進国では、ビンテージジーンズ市場があり、履き古されたジーンズなどが新品よりも高い価値で取り扱われています。

一番価値の高いところで結んであげるのが、一番よいのではないかと思っています。


総合商社に入ったものの…

ファーストキャリアとして総合商社を選んだ理由

―――なぜファーストキャリアとして総合商社を選ばれたのですか?

野生動物が大好きなんで、アフリカに駐在して週末にサファリに行くのが一番の理想なんですよね(笑)

だから、ビジネスを通して、アフリカの生活水準を底上げできることができたらいいなと思っています。

それをやるにあたってはボランティアでなく、継続的にビジネスとして大きいお金が動いていかないと根本の解決にはなりません。

なので、それができる状態として総合商社を目指しました。

商社に入って感じた入社前とのギャップ

―――総合商社に入ってから感じた入社前とのギャップを教えてください。

入社前は、総合商社というとすごくグローバルなイメージをしていました。

しかし、入社してみると1年目ということもありましたが、既存の仕事を回すばかりでした。

私のいた部署は5年目10年目でも同じ種類の仕事をやっている人が多く、自分のやりたいこととはかけ離れているなと感じたのが正直なところです。

なぜ起業家になることを選んだのか?

―――なぜ起業家になることを選ばれたのですか?

起業家にも社長にもなりたかったわけではないですが、たまたま自分のやりたいことをしていく中で起業することが一番いい方法だと思ったからです。


とりあえずやってみるというハッピー思考

アフリカで活動する際のマインド

―――アフリカで活動する上で、大切にしている考えを教えてください。

現地の人の生活を変えようとするのではなく、現地の人が望むのであれば現地の人が変えていくべきだという考えを大切にしています。

ただ、アフリカの人たちのなかには、国際感覚の乏しい人も多く、選択肢や考え方が広がるきっかけを与えることができるかもしれないです。

あくまで、彼らがやっていくために本当に何を望んでいるかを聞くことが大切です。

 現地でのコミュニケーション

―――全く違う文化圏の中で信頼の構築はどのように行われていますか。

現在、日本で文化人類学を専攻されている方が現地で何十年と関係を築いているところにお世話になっています。

ただ、彼らとの壁を自分から取っ払っていくことはとても大事だと感じました。

自分は外国人で彼らの生活とは違うと考えているとすぐに伝わるし、ほんとの関係性は作れないのでどっぷり漬かるのが大事なのかなと思っています。

過去の失敗

―――国際協力において、1番の失敗談を教えてください。

ちょうど2週間前にエチオピアに行ったんですが、現地でビジネスされている方と食事をしてタクシーを乗ろうとしたら、首絞め強盗にあいました、、、

気絶までしてしまい、起きたら何も無い状態で、、、

命の危険を感じたことで、新たに覚悟を決める良い機会にはなりましたが、過去最大の失敗だったと思います。

―――被害に遭わないために気を付けていることはありますか?

夜遅くは出歩かないようにしています。

また、できるだけ目立たないように歩いたり、基本的にタクシーを使ったりしています。

現地にどっぷりと入っていかなければならないので難しいですが、自分が生きていなければ活動さえできないなので、リスク管理はとても意識するようになりました。

現在の活動で必要なマインドとスキル

―――今の活動をしていて必要だと感じたマインド(哲学)があれば教えてください。

人生の中でやりたいことは全部やっていこうと思っていています。

その時にちょっとでも興味あることを一生懸命やって、それが興味なくなれば離れてもいいので、すぐ行動に移してやってみることが大切です。

私は、興味あることにはお金も時間も惜しまずにやってきました。

大学一年生の時、ずっと続けてきた野球をやめて、興味あることがゼロになりとてもしんどかったです。

ですが、そこからカバがすごく好きになり、カバに関する論文やレポートを書いてみたり、図鑑を調べてみたり。

いくらカバのことを知っていても普通は、将来のキャリアには一切つながりません。

そんなものでもいいからやってみる。

すると、私の場合は、カバからアフリカにつながり現在の活動があるわけです。

―――今の活動をしていて必要だと感じるスキルとその事例を教えてください。

正直、必要だなと思っているスキルは無くて、何もない状態でもなんでもやれるかなという、、、ハッピー思考です(笑)。

思いがあれば、スキルがなくてもそれを伝えればできる人が集まってきて、彼らが形にしてくれる。

他力本願ではあるんですけど、自分にはスキルがないからって始めないという考え方は持っていないです。

「とにかくやりたいことを言ってみる」

それをすることで誰かが共鳴して手を貸してくれるようになってきます。


4.アフリカの魅力を知ってもらう

理想の社会と自分の関わり方

―――理想とする社会とそこにどう自分が関わりたいのか教えてください。

アフリカは、日本から物理的距離はヨーロッパと変わらないのに、心理的距離が遠い場所だと感じます。

なので、アフリカの魅力をもっと多くの人に来て、知ってもらうことができたらいいと思います。

メディアで見せられている可哀そうな人という考え方ではなく、本当に彼らがどのようなマインドで暮らしているのかいろんな人に知ってもらうのが自分の役割です。

―――今後の展望を教えてください。

最終の理想は、アフリカの人たちが自力で発展させていくことです。

そのために私たちはそのきっかけを作りたいと思っています。        

―――アフリカでのビジネスの面白い点はなんですか?

すごく難しいから面白いです。

相手が何を考えているかわからないからこそ、現地で信頼できるパートナーと組んでる人は強い絆を感じます。

そこに人種は関係なく、本当に通じ合っているのをたくさん見てきてるので、現地での人間関係を構築して一緒に事業を進めていくおもしろさはあるなと感じます。

読者へのメッセージ

―――最後に国際協力の道を志す人たちに応援メッセージをお願いします。

自分はどこで勝負していくのか、どういう所に携わりたいのかしっかり見定めたうえで突き進んでほしいなと思います。