家事代行でインド女性の自立と子どものサポートを目指す~ボーダレスジャパン インド事業担当 水流早貴さん~

起業家
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今回はボーダレスジャパンの新規事業としてインドでの家事代行サービス「SAKURA Home Service」を立ち上げている水流さんに話を伺いました。

 

水流 早貴  (Saki Tsuru)
1992年生まれ。岐阜県出身。都留文科大学卒業。
学生時代にインド現地企業・NGO、フィリピンの社会的企業でインターン。
2016年パーソルキャリア株式会社入社。
約2年半、人材紹介事業で法人向けの採用コンサルティングに従事。
退職後、ボーダレスジャパンに入社し、2019年7月より事業立ち上げのためインド渡航

 

きっかけはインドでのバックパッカー経験

現在の活動

―――本日はよろしくお願いします。最初に、現在の活動について教えてください。

2019年6月からボーダレスグループの中でインド事業を立ち上げ、7月からインドで活動をしています。

インドのスラムで学歴やスキルがなくどこにも雇用をされず、低賃金で働かざるを得ない女性に対して、SAKURA Home Serviceが自社雇用をしています。

そこで、プロフェッショナルな家政婦になるため、マナーやお掃除スキルのトレーニングを行い、現在は主にインド人富裕層の家庭に派遣する事業を行っています。

 

国際協力に興味を持ったきっかけ

―――国際協力に興味を持ったきっかけは何でしょうか?

大学2年生のときにバックパッカーでインドにある小さな村を訪ね、現地のNGOを訪問し、ボランティアに参加したことがきっかけです。

そこの村では、親がいなかったり、親が低収入であるため、学校に通うことができず、子どもが働いているところを目の当たりにしました。

その経験から、生まれてきた環境で将来が決まってしまうのはとても理不尽だと思い、彼らのために何かしたいと思い、途上国でインターンやNGOの活動を始めました。

また、このバックパッカーの経験だけでなく、自分の幼少期の経験も影響していると思います。

私は小学生の時に虐められた経験があり、自分に対してコンプレックスを感じていました。

自分が強くなり、成長すれば、周りから馬鹿にされないと思い、自分を変えたいと思って生きてきました。

私は自分の意志によって人生を変えてきたのに、インドの子どもたちは、ロールモデルが周りにいなかったり、低収入ゆえに選択肢がなく、やりたいことを実現できないって、すごく理不尽だなと思ったんです。 

 

―――新卒のときはどのようなキャリアを選んだのでしょうか?

新卒では人材会社に就職をして、2年半ほど法人営業として働きました。

大学卒業の段階で、ビジネスによってインドの貧困問題を解決したいという漠然としたビジョンはあったけど、学生時代のインドでのインターンを通して自身の実力不足を痛感していましたね。

まずは、ビジネススキルを身に付けるために、就職という決断をしました。

起業に興味を持ったきっかけ

―――起業家に関心をもったきっかけは何だったのでしょうか?

父親が会社員を辞めて事業を興していたので、幼少期の頃から、起業という選択肢もあるんだ、くらいには思っていました。

私は人前に出るのが苦手で、昔からリーダーのような役割からはほど遠いため、起業家タイプではないと思っていました。

ただ、インドで成し遂げたいビジョンに対して、ど真ん中に取り組む既存の企業や団体がなく、自分で創るのが近道だと思い、ボーダレスジャパンで事業を立ち上げることに決めました。 

ボーダレスジャパンについて

―――ボーダレスジャパンのグループ会社間の関係を教えてください。

各々の事業体は志のある起業家が立ち上げて、独立して事業を進めています。

現在は、約30の事業がありますが、創業期の起業家同士で月に1回はミーティングを行っており、各社の抱える経営課題にアイディアを出したり、フィードバックをしたりする機会があります。

ボーダレスジャパンのいいところは、同じ社会課題に本気で取り組む社会起業家として、お互いに切磋琢磨できる環境があることです。

皆どんなに忙しくても、ヘルプを出すとスカイプで相談に乗ってくれますし、各社のノウハウや学びを共有しあっています。 

 

誰に対してもリスペクトを決して忘れない

活動するうえで大切にしている考え

―――いまの活動で大切にしている考えは何ですか?

相手に対してリスペクトをもって接することです。

私たちが雇用しているスラムの女性は、もともと会社には所属せず、個人のメイドとして働いてました。

インドでのメイドという職業は、社会的地位が低い人の仕事と認識されています。

家主にやれと言われたことには、逆らえない。

家主がメイドを気に入らなければ、明日から来なくていいよと言われて、簡単に職を失ってしまう。

雇用契約は交わしていないことが多く、不当な条件で働く女性も少なくありません。

創業期からいるメイドメンバーも、入社当初は自分に自信がなく、いつも何かに怯えている様子でした。

過去の話を聞いてみると、不当な扱いを受けてきたことが分かりました。

そういったバックグラウンドを持った女性たちだからこそ、

相手をリスペクトして、強みや良いところは褒めて認めること

頑張る女性が正当に評価されて適正な給与が貰えるよう評価制度も作って、彼女たちが誇りを持って働けるようなマネジメント・環境作りを行っています。

 

―――メンバー構成はどうなっていますか?

現在は、メイドさん2名、トレーニング担当のローカルスタッフ1名と私の計4名です。

今後、人数が増えたら、創業期からいるメイドさんメンバーは、スーパーバイザーとして活躍してほしいという想いでトレーニングを行っています。

いずれは、私たちがトレーニングを行わなくても、メイドさんの中からスーパーバイザーが育ち、彼女たちがリーダーとなって、次のメンバーを育てられるような組織にしたいと思っています。 

メイドさん達と

 家事代行サービスにしたきっかけ

―――なぜ家事代行サービスにしたのですか?

家事・子育てなど、母親としての強みを活かすことができると考えたためです。

また、スラムの多くの女性は既にメイドさんとして働いているため、彼女たちのスキルに付加価値をつけることができたら、もっと収入を上げられるのではないかと考えました。

また、インドにはメイド文化があり、都市部では共働き世帯が多く、メイドさんは生活に欠かせない存在ですが、質がよく信頼できるメイドさんを見つけるのが困難という、顧客側の課題もあります。

ビジネスとしてもニーズがあり、入り込む余地があると思い、家事代行業をやろうと決めました。 

 

貧困をなくすために。行動が第一 

起業家として必要なスキル

―――今、働いててどんなスキルが必要だなと思っていますか?

マネジメント、ファイナンス、マーケティング、、、全部ですね(笑)

経験がない分、日々インプットすることも大切だと思いますが、全部自分一人でやろうとせず、事業を最速で進めるために、周りの人を巻き込んで頼ることも、起業家として大切なスタンスだと思っています。


読者へのメッセージ

―――最後に国際協力で悩んでいる人にメッセージをお願いします。

 悩んでいる暇があったら、すぐにできる小さなことでいいから、とにかく行動をしたほうがいいと思います。

何も動かずに悩んでいても、解決したい社会問題は、一歩も解決に向かわないですよね。

貧困問題に興味があるのであれば、貧困問題解決に取り組む活動家やNGO等に話を聞いてみたり、インターン・プロボノで経験を通して学んでみたり、目的意識をもって動いてみることです。

熱意をもって取り組めることに真剣勝負で向き合った先に、自分なりの社会に対するインパクトの出し方を見つけられると思います。

 

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