今回は、高齢化が進むアジア諸国に対して、適切なリハビリテーションや介護を普及する活動を行うNPO法人Rehab-Care for ASIA代表の國谷昇平さんにインタビューをしました。

第3弾では、國谷さんの働き方についての考えをお伝えします。

プロフィール
國谷昇平

都内の病院にて6年間勤務後、2015年から2年間、青年海外協力隊員としてタイのラーチャブリー県にあるポータラーム病院に派遣。
タイでは地域高齢者へのリハビリ指導をし、デイケアセンターを設立した。
帰国後も引き続き国際協力の道で活動するためNPO法人「Rehab-Care for ASIA」を設立。
現在は、NPO代表を務めながら、いくつかの仕事を並行して行っている。


ライフワークとしての国際協力

ーーーライフワークとしての国際協力という考えを詳しくお聞かせください。

一生をかけて、自分自身が関わりたいと思えることを、生活の中で続けていくことです。

それは別に限られた期間のみでやる必要はありません。

自分だったら、タイのポータラーム地域の高齢者福祉に対して、改善したいことを、生活の中で続けていくイメージをもっています。

それが仕事であればいいですが、私にとっては仕事でなくても自分のやれる範囲で海外のことを考えてプロジェクトを進めていくというのがライフワークです。

 

ーーーそういったベースはどのようにしたら見つけられますか?

活動の中で見つかります。

何か人のためになっているなと思ったことを、まずはやってみてください。

そして、それを長く続けるからこそ見えてくるものがあります。


複業としてNPOの活動に関わることの良さ

ーーー自分のやれる範囲で進めるということですが、複数の仕事を並行しながら、NPOの活動に関わることの良さを教えてください。

自分の生活を豊かにしてくれます。

私はタイの活動を通して、自分自身にしかできないことが見つけられました。

タイで寝たきりの人を目の前にしたときに、この人たちを救えるのは自分しかいないという気持ちがすごい出てきたんですよ。

このような経験は、これまでの人生の中でありませんでした。

自分が生きている意味を与えてくれたのが、非営利活動だったんですよね。

だからタイに恩返しがしたいし、今後も一生をかけて付き合っていきたいと思う大事な場所です。

 

ーーー今後もNPOの活動に絞らず、個人事業主として活動していくと考えていますか?

今はまだわからないですが、活動を絞る必要はありません。

例えば、仕事がなくなったらまたリハビリの仕事をするのも常に考えています。

ただ今はいくつか仕事をいただいているので、今の状況を続けたいです。

常にセーフティネットは持つようにしています。

そもそもReCAは、NPOの活動で生計を立てようとしない団体です。

ただ、タイの活動ではお金を得ていないですが、結局今の生活のもとになっている仕事は、そういった活動で出会った人から頼まれています。

「複業」は、どれかが中心ではなく、どれも繋がっています。

正社員として働きながら二枚目に非営利の名刺をもち、違う顔を持つのは大事だと思います。

非営利の活動でできた繋がりは仕事に活かせるので、一つの仕事しかやらないのはもったいないです。

仕事以外の分野でも信頼を積み上げていくことが大事です。


読者へメッセージ

ーーー最後に、読者へメッセージをお願いします。

国際協力は、特別なものではありません。

言葉ができなくても、特別な技術がなくても、その国の知り合いがいなくても、「そこの国が好きで、一緒に何かしたい」という気持ちがあれば十分です。

何か海外でやりたいことや、役に立ちことがあったら、ぜひまずは自分が現地に行ってください。

それ自体が国際協力になっています。

ぜひ興味があるならまずは何か一歩から!