「モンゴル」に新しい産業を創る理由とは??~ HushTug 戸田貴久さん~

3.「自分のやっていることを、ソーシャルビジネスだと思ってない」
 

―――現在の活動をする上で、軸になっているものがあれば教えてください。

「誰かのきっかけをつくる」ということをずっと意識していて、それが事業をやるモチベーションであり、今の活動の軸になっています。

僕が銀行員だったころ、周りに20代で起業をしている人はまず居ませんでした。だから、何かしてみたいと思ってもどうしてよいか分からなくて。

でも、上京してから東京で知り合った方が20代で活躍していて、そういう出会いで僕の人生が変わったんです。

このような自分の経験から、変わりたいけど変われないとか、チャンスがない人ってたくさんいるわけで、そういう人たちの背中を押してあげられるようなきっかけを作れる人間になりたい思いました。

今の事業もこの軸に繋がっています。

モンゴルには優れた素材があって、優秀な若い方がいるけれどノウハウとお金がない。でも日本にはそれらがあったので、両者の強みをうまく組み合わせてモンゴルに新しいきっかけをつくりたいと考えています。

自分たちの事業を通して、「挑戦したい」「本気でやりたい」と思った方がいるなら、飛び込んでこれるような環境をつくっていきたいと思っています。

特にモンゴルには、チャンスがない若い子たちがたくさんいます。それってすごく不公平だなと感じています。子供時代に親に捨てられたり、ゴミ山で生活をせざるをえない子どもたちがまだまだいるんですね。実際に僕の通訳である相棒もそうでした。

「平等」って、みんな同じという意味だと思うんですけど、僕は「平等」ではなく「公平」でありたいと考えています。

―――今後、ソーシャルビジネスの流れがどんなふうになっていくのか、考えがあれば教えてください。

消費者とビジョンを共有して、コミュニティになっていくようなビジネスの作り方が、これからもっと加速していくんじゃないかなと思います。

ただそれはあくまでもソーシャルビジネスというカテゴリで絞った話ではないです。 

僕は、自分がやっていることをソーシャルビジネスだとは思っていません。

 ソーシャルビジネスには、社会のためや誰かのため、可哀想な人を助けるみたいなニュアンスが入っているように感じるんですね。

僕は別に助けたいとは正直思っていなくて、彼らと一緒に協力してできるからやるのであって、自分たちにもメリットがなければやりません。

 また、誰かのためや人のためにならない事業は、今後どんどんなくなると思っています。

 例えば、発展途上国の労働力を安く買い叩いて安く売るビジネスシーンは現状たくさんあります。今は、消費者が知らないだけで、今後どんどんSNSなどで拡散されるので消費者の共感を生まないと思うんです。

大企業は生き残るかもしれませんが、これから生まれる企業としてはやっぱり生き残れないのではないかと思っています。 

 ―――最後に、読者の方、特に社会課題解決に関心のある人たちに向けて応援メッセージをお願いします。

 「社会課題を解決する」というと、大きい問題から小さい問題まで色々あると思いますが、自分の手の届く範囲で一生懸命になることが大事かなって思っています。

それから、「僕たちはこういう想いでやっています」とか「こういうストーリーでやっています」というスタンスで顧客を獲得しようと考える方がいますが、正直あまり通用しないですね。

モノやサービスの良さ・メリットが消費者に伝わり、あくまでその後に製品の裏側のストーリーに共感してもらう。これが正しい流れかと思います。このような流れで消費者の感情が動くということを意識しないと本当に売れないので。「エゴの押し売り」にならないように気をつけるべきですね。

自分が誰かを助けたいと思っても、他人からすると痛くないので、何も思わないじゃないですか。

「自分のやりたいこと」と、「お客さんが求めていること」を一緒にしない

これをちゃんと切り分けてやれると、すごく意味があると思います。

 

cococolor earth(ココカラーアース)
ライタープロフィール
関沼久瑠美
中央大学 経済学部国際経済学科4年
フィリピン、インドなど5ヵ国でのボランティア活動を通して複雑に絡み合う社会課題を目にし、自分にできることを模索中。

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