今回は青年海外協力隊として活動された小林義則さんにお話を伺いました!
ザンビアでの協力隊の活動や開発コンサルタントの仕事など社会貢献を仕事にする小林さんに迫ります。

 


“自分から動いた”協力隊

青年海外協力隊へのきっかけ

―――本日はよろしくお願いします!まず初めに、青年海外協力隊に応募したきっかけを聞かせてください。

協力隊に入る前は日本の食品メーカーで働いていました。

小さなころから歴史が好きだったこともあり、海外で働くことに興味はありました。

しかし、なかなか食品メーカーでは海外との関わりがなくて、モヤモヤしていました。

そんな中でたまたま青年海外協力隊の存在を知ったんです。

「自分をボランティアとして試したい」
「途上国で働いて困っている人のために仕事をしたい」

という思いを叶えるきっかけになるぞと。それで普通に迷わず応募しました。

応募した職種は、食品メーカーで勤めていた経験を活かして食育支援・健康支援に関わるものにしました。

ザンビアでの活動

―――具体的にどのような活動をされていましたか?

アフリカのザンビアで、食習慣を改善するためのプロジェクトをしていました。

日本では毎日同じものを食べるということは多くないと思います。

だけど、アフリカっておかずのレパートリーがとにかく少ないんですよ。

主食は決まっていて、おかずにお肉があればいいほうで、なおかつ手に入る野菜も少ないんです。

バランスの良い食事だとは言えないんですよね。

それを改善するためにキノコやお米を農家さんに配ってモニタリングしながら、どんな風に料理や加工をしたら食卓が彩り豊かになるか提案しました。

 

―――そういった活動の中で、乗り越えるのに苦労したことはありましたか?

相手との信頼関係づくりです。

僕は前任の隊員がいない現場に赴任しました。

だから、相手は日本人の扱い方や私の能力がよくわからないんですよね。

その状況を乗り越えるために信頼関係づくりから始めました。

だけど、僕には自分の仕事の能力を発揮できる機会があまりなくて、信頼を得ることに苦労して「何しに来たんだろう」って始めの半年はモヤモヤしていました。

最終的には、自分から沢山農家を訪問したことで、農家さんからの連絡が徐々に増えるようになりました。

お仕事と仲間の数がどんどん増えて、それからは活動がとても楽しかったです。

現地の人と週末にご飯を食べたことも沢山ありましたし、今でも連絡を取っています。

 


開発コンサルタント業界の生の声

青年海外協力隊後の仕事

―――青年海外協力隊を終えた現在、国際協力においてはどのような活動をされていますか?

開発コンサルタントの会社に勤めて、JICAから発注される仕事に対して受注をする営業マンとして活動しています。

政府間のODAのやり取りの中に民間として携わっている感じです。

また、草の根的な国際協力をボランティアでやってきた経験があるので、それを国際協力に興味がある人たちに発信する活動もしています。

―――開発コンサルタントの会社に入ろうと考えた理由をお聞かせください。

協力隊の時は、1対1で現地の人と語り合って支援するような活動をしていましたが、そういった活動をしている中で、国が動くような仕組み作りに寄与できることをやってみたいと考えました。

そうして、JICAとのやり取りをする開発コンサル業界での仕事を見つけ、挑戦することを決めました。

途上国への思いが協力隊を機に強まった上でこの業界に飛び込んでいるので、ステップアップをしたような感覚です。

開発コンサルの仕事

―――具体的にどのようなお仕事をしていますか?

毎週JICAから公示っていうお仕事が発注されるんですよ。

それに対していろんな仕様が決まっているので、我々の会社が可能かどうかを判断して受注をする仕事をしています。

受注をした後は、地図を作る能力をアフリカの政府に移転したり、作成したりしています。

 

―――開発コンサルタントのお仕事の良い点をお伺いしたいです!

メリットは、やりがいを感じられるところです。

JICAなどから受注して道路や建物を作るような大きな援助の枠組みの中で働いていますし、成果も目に見えやすいです。

その一方で、枠組みの中で働いているからこそ組織の中でやることが決められているので、草の根的な活動をしているNGOと比べると自由度が少し異なると思います。

 


国際協力=学び合い

活動する上で大切にしている考え

―――活動をするうえで、大切にしている考えや哲学を教えて下さい。

国際協力っていう話になると、どうしても「与えてあげる」みたいな目線をもっている人が多いような気がします。

だけど、個人的には、ザンビア人が大変そうというよりむしろ幸せそうに見えたんです。

日本ももちろん沢山の社会問題を抱えていますし、それを解決することも日本の課題です。

だけど、じゃあ日本と比べてザンビアはどうなのか考えたときに、向こうは収入や寿命、栄養面で問題がある一方で彼らは、のほほんと幸せそうに暮らしているように思えます。

彼らに

“Are you happy?”

って聞くと

”I’m happy.“

って絶対答えますからね。

幸せのものさしは国によって全然違うんだろうなあって考えています。

そういう目線を忘れてしまうと、エゴになってしまうんですよね。

彼らから学ぶことも絶対にある、っていう視点で活動すべきだと思ってます。

読者へメッセージ

―――最後に、これから国際協力を志す人にメッセージをお願いします

国際協力って何をやったらいいのか分からない人も多いと思いますし、興味がある人からお話を聞こうとしても、連絡を取るのって敷居が高いんですよね。

だけど、意外と蓋を開けてみると「私にもできるんじゃないかな」とか「この分野だったら私も得意!」などと思えることもあります。

そういう意味で、僕は情報が皆さんに回るようにしたいと思っています。

例えば、大学生の方で、社会人になるにあたってどういう道をたどれば国際協力に携わることができるのか考えている人もいると思います。

国際協力には政府間のものから草の根的なものまで、いろんなレベルがあります。

だから、自分がどこの段階に関わるのかを考えるために、ロールモデルを見つけて気軽につながりを求められるようなコミュニティーをみんなで作っていきたいと思います。

ぜひ周りのロールモデルに気軽にドアをノックしてみてください。