今回インタビューしたのは、防災カタログギフトなどの事業を行っている株式会社KOKUA代表取締役の泉 勇作さんです。

第三弾では防災カタログギフト誕生の秘話や裏側に迫ります。
想いを形にしたい、仕事に活かしたいという方必見です!!

プロフィール
泉 勇作(いずみ ゆうさく)

幼少期に神戸にて阪神淡路大震災で被災。
その時の記憶は断片的だが、周りの話などから強く災害を意識して人生を過ごす。
自分が役に立ちたいと考え、学生時代は災害ボランティアを中心に活動。
新卒で約3000名の人材ベンチャーに入社。その後転職した会社では動画制作事業などを手掛ける。2019年に一般社団法人防災ガールのアクセラレータープログラムに参画し、2020年、防災サービスの開発、販売を行うため独立。チームでは事業責任者として、全体進捗管理、方針策定、意思決定を行う。


想いを形にするためには

ーーーカタログギフトで防災を広めたいという斬新な発想はどこからヒントを得たのですか

日々の生活の中で、少しだけアンテナを張り続けていたことです。

「何が素敵な世の中につながるだろうか」「どんな人の痛みを和らげられるだろうか、なくせるだろうか」とアンテナを張り続けていていました。

社会人になると、退職や昇進など、お祝い事が学生のときよりも増えます。

でも、贈り物って選ぶのが大変です。

会社の人だとあまりプライベートを知らなかったりするので、その人のパーソナリティに沿ったプレゼントを渡すことがなかなか難しいです。

そうは言っても、他の人と被るのは嫌だし、味気ないものよりも気持ちがちゃんと伝わるものの方がいいなと思った際に、防災グッズってすごく適していると思いました。

「あなたのことをこんなに想ってます」「こんなに考えてプレゼント選びました」ってことが伝わりますし、仮に被ったとしても絶対に困らないものだからです。

あとはなかなか自分で買わないですよね。

この三点が揃っていて、防災カタログギフト事業を始める前からプレゼントとして選んでいました。

これが一般化したら良い世の中になるし、意外と同じ困りごとを抱えている社会人の方は多いのではないかと思います。

ーーーそれは色々試行錯誤していく中で出てきたアイデアですか

自分で会社を立ち上げて事業化する準備段階が一年半ほどあったのですが、その中で小さいものを含めると10個くらいビジネスモデルを考えました。

それを知り合いからフィードバックやダメ出しをもらうことを繰り返しました。

最後にたどり着いてこれはいけそう、これは世の中に必要だなって思えたのが防災カタログギフトです。

ただ、僕たちの事業はまだ始まったばかりで何か大きなことを成し遂げたわけではありません。

ここから社会の方々に本当に必要とされる商品なのかが見えてきます。

僕たちは防災というものを社会に広めていく挑戦者であるということを忘れずに、この事業に向き合って行きたいと思っています。

ーーー防災を当たり前にしていくために必要なことは何ですか

みんながポジティブに関われる仕掛けや仕組みづくりが大切だと思います。

どうしても防災というとネガティブなことを連想してから行動してしまうので、それをいかにポジティブなものに転換できるかが必要だと思っています。

そして防災というものを深刻に捉えすぎて行動できない状況から、もっと日常の中で負荷がかからない形で、自然と防災に取り組める機会を作り出したいと思っています。


学生へのメッセージ

ーーー泉さんのようにビジネスコンテスト(詳しくは第二弾をお読みください)に出場することが難しい、ハードルが高いと感じる学生はまず何をしたら良いですか

起業をしたくてビジネスコンテストにも出たいという学生に向けてですと、僕は社長の話を直接聞きに行くか、本を読むことをおすすめしたいと思います。

ビジネスコンテストに出ることは起業をする上で絶対にしないといけないことではありません。

それよりもビジネスコンテストに出ることが「目的」なのか、それとも起業をするために必要な「手段」なのかを整理してもいいと思います。

起業をする上では、ビジネスコンテスト以外にも、社長の話を聞きにいったり、既存のフレームワークを一つずつ学ぶことも非常に重要です。

また、もっとシンプルな目線でいうと、部活を一生懸命やるとか、目の前の好きなことを突き詰めるとかでもいいと思います。

何かを突き詰めることは無駄になりませんし、自分自身の学びや成長につながるので、自分のできることから始めてほしいです。

ーーー社会貢献を仕事にしたい学生に向けて応援メッセージをお願いします

一般的に言われるSDGsやソーシャルビジネス周りを考えている学生に向けてですと、そんなに悩みすぎないでほしいなと思います。

仮に就職活動で1社目にいく会社がソーシャルな会社でなくても、僕のように個人として続けてきたボランティア活動が、自分の事業になることもあります。

これからの時代、1つの会社ではなく色々なところで経験することも増えてくるので、肩肘を張りすぎないことがとても重要です。

あとは、社会貢献よりは最終的にどんな世界が好きかという話ですね。

自分が信じる世界や「こんな世界になったらワクワクするな、心地良いな」など、そういった世界に近づけることって、別に仕事にしなくても意外と実現できることだと思います。

仕事にするために何かしなくてはいけないというより、自分ってどんな暮らし方や、どんな生き方が好きかということを考え、それに沿った生き方をしたり、仕事を頑張り続けていれば、自然と道は開けてきます。

社会貢献というフィルターで考えずに、自分の身の回りで起こっていること、世の中で起こっていることに対して行動をすることが、社会貢献の一歩になるのではないでしょうか。

試行錯誤を繰り返し、日々アンテナを張り続けていたことで想いを形にされた泉さん。

第三弾も読んでいただきありがとうございました!

今後の記事もお楽しみに!!


お知らせ

2023年1月17日(火)、自分に必要な防災グッズが1分でみつかるパーソナライズ防災サービス「pasobo(パソボ)」のβ版を1月17日にリリースしました。

正式なサービスリリースは3月11日を予定しており、それまでの期間に一般の利用者や有識者とのヒアリングイベントの開催や、公式LINEなどを活用した意見の吸い上げを行う「誰ひとり取り残さない防災」プロジェクトを実施します。

実施期間:2023年1月17日(火)〜3月11日(土)
URL:https://pasobo.jp/
内容:パーソナライズ防災サービス「pasobo(パソボ)」のβ版リリースに伴い、ヒアリングイベントや公式LINEなどを通じて、一般の利用者や有識者の方々から様々な意見を募集します。人によって対策が異なる防災だからこそ、多様な視点を取り入れることで、誰も取り残さない防災対策の実現を目指します。

パーソナライズ防災サービス“pasobo(パソボ)とは
PASOBO(パソボ)は専用サイト上(WEB版提供のみ)で、家族構成や住居立地、建物の耐震基準・階数、ユーザーが災害時に重視することの価値観などを含む約15個程度の質問に回答するだけで、世帯環境における災害リスクや、全国のハザードマップから見た立地リスクを分析し、ユーザーに必要な防災グッズを個別診断して提示します。
(※β版では診断結果の一部と購入機能を制限しています。)