今回インタビューしたのは、方南町駅でベビーカーを10年間おろし続けるベビーカーおろすんジャーさん

「楽しむ」をモットーに地域の方と助け合い続けるベビーカーおろすんジャーさんが、活動を始められたきっかけや10年にもわたる長い間続けられた秘策などを伺ってきました。

この記事を読めばきっとあなたも明日から街のヒーローに。

2.「好き」と「楽しい」こそ続けられる秘訣

ベビーカーおろすんジャーさんにはもう一つの顔がある。おろすん祭りの運営としての顔である。現在、「食」、「体験」、「防災」が3つの柱として行われているこの祭り。中でも印象に残っているのは最初の祭りだという。

「二人しか来なかったんです。誰も僕のことを知らなくて駅で活動している人という認識しか持たれてなく、特に告知もせずに自分の少ないフォロワーにやるよーって言って集まったのが二人の子ども。

でも、きてくれたからこっちはもう100%準備したものやりました。そしたらすごい喜んでくれたんです。だから今も続けることができています。

今あるイベントは、その子たちの反応を見て改善もしたので、やはり最初のイベントは印象的ですね。」

(おろすんジャー・以下同)

最初は二人しか集まらなかったというおろすん祭りも、今では数十人集まる人気イベントとなっている。ひとえに持続することによるものであろう。10年近く活動を続けられた理由は、二つあるという。

「町の人が受け入れて仲良くしてくれたことと、好きでやっているので使命感がないことですね。自分で週に3回はやろうとか決めていないので、行く日も時間も自由にしています。気楽にやることが続く理由です。もう趣味ですね。」

そんなおろすんジャーさんが活動の中で大切にしていることは「楽しい」ということである。

「とにかく楽しいを考えてやってます。

駅での活動は、やっぱり断られることもいっぱいあります。

でも、断る側も嫌じゃない雰囲気にはしたいなって思っています。

真面目に『持ちましょうか』と言うと、断る人は少し気まずいけど、陽気に「よかったら持たせてくださいよ!!」って感じでいくと断られても「えー無理なんすか!」と切り返して、断る側も「なんだこのふざけたやつは(笑)」と気まずい思いをしません。

駅に立つときもお祭りの時も楽しくいきたいんです。

防災に関してもそうなんですけど、昔、学校でやった避難訓練とかあんまり覚えてないなって思って。楽しかった思い出がないから。

でも、消火器は楽しかったから覚えていたんですよ。

被災した方からは、ふざけるなって思われるかもしれないけど、防災訓練をゲームのようにすることで子どもたちに覚えてもらえるのかなと。

こどもたちからすると楽しいがないと絶対に身に付かないし、イベントにも来ないと思うんです。なので、活動でも祭りでも一番の楽しいを大切にしています。」

みんなの居心地が良い場所を創っていきたい。彼はそう語る。

 「今はイベントを始めたばっかりで参加者は多くないけど、子どもだけが参加するイベントをやりたいとは思っていなかったんです。

高齢者や障がいのある方など、世代を超えた方たちが集まれるきっかけを創りたいと思っていて、それをおろすん祭りでやっていきたいです。

子どもたちとはつながりが増えてきたけど、まだ高齢者や障がいのある方とはちょっとずつ広げている状態なんです。

だから、みんなが居心地の良いイベントに近い将来していきたいと思っています。」

第3章はこちら
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