今回ご紹介するのは、キャリアの節目に大学院での学びを選ばれたYSさんのインタビューです。
内装設計の仕事を経て、兵庫県立淡路景観園芸学校で環境・造園学を専攻することになったYSさん。
社会人として一度キャリアを築いた上で、新しい分野に挑戦するその背景には、まちと暮らしにおける人と緑の関係性への深い関心がありました。
キャリアチェンジや学び直しを迷っている方に、YSさんの経験が参考になれば幸いです。
目次
経歴と入学までの流れ
まずは、YSさんの経歴と入学までの流れをご紹介します。
〇大学院
兵庫県立淡路景観園芸学校
〇簡単な経歴
2017年3月 首都大学東京(現・東京都立大学)卒業
2017年4月~2023年9月 空間の内装設計
2024年4月~2026年3月 兵庫県立淡路景観園芸学校
〇大学院入学までの流れ
2023年9月 退職
2023年11月 オープンキャンパスに参加
2023年12月 出願・テスト
2024年3月 淡路島に引っ越し(入寮)
2024年4月~ 入学
社会人大学院とキャリアの悩み
Q: なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
A: 緑が豊かなまちづくりに関わりたく、専門知識が必要だと感じたためです。
初めは転職を考えていたのですが、専門知識がないため異分野への転職が難しかったことと、働きながら通っていた緑に関する講座やボランティアをきっかけに、体系的な学びを得たいと思い、大学院進学を決めました。
退職前の2023年4月ごろに漠然と考え始め、退職後から本格的に検討しました。
Q: なぜこのタイミングを選んだのですか?
A: 子育てを視野に入れたライフプランもあり、学ぶなら今が最適だと考えました。
Q: 現職との調整はどのように行いましたか?
A: 退職時点では、大学院進学を決めていませんでした。
2023年秋ごろ、退職の決意を固め、11月のオープンキャンパスに参加しました。
そこで実際の環境に触れ、「ここで学びたい」と強く感じました。
Q: 修学後は、どのような仕事・キャリアをイメージしていますか?
A: 都市の緑地を保全・活用・創出することで、人々が今よりも身近に自然にふれられる環境づくりに貢献したいです。
現時点では、行政での仕事を通じてこれを実現したいと考えています。
社会人大学院とお金の悩み
Q: 大学院進学の費用はどれくらいかかりましたか?
A: 入学金が約40万円、年間の学費が約60万円で、学費の中に寮費も含まれています。
修了までの2年間で約160万円かかる見込みですが、教育訓練給付制度により70%は返金される予定です。
Q: 大学院の費用はどのように工面しましたか?
A: 国の教育訓練給付制度を利用しました。
これにより学費の70%が給付され、生活費も一部支援されます。
教育訓練給付制度は、多くの大学院進学で使えるので、とてもおすすめです。
Q: そのほかにかかった費用はありますか?
車の購入費用や維持費がかかっています。
淡路島は車がないとなかなか生活が難しいですが、首都圏でずっと生活していたため、環境の変化を楽しんでいます。
入学後はとても忙しいので、入学する前に車は購入しておくのがおすすめです。
Q: 通学中も収入源はありましたか?
A: 学業に専念するため、貯蓄と給付金で生活しています。
寮費が学費に含まれていることと、教育訓練支援給付金制度を活用することで収入がなくても安心して過ごせています。
社会人大学院とプライベートの悩み
Q: ライフプランはどのように考えていましたか?
A: 夫と話し合い、子育てを視野に入れたライフプランを立てた上での進学でした
Q: 大学院生活中のリフレッシュ方法や1日のスケジュールについて教えてください。
A: 気分転換にカフェ巡りや自然散策をしています。
授業は平日に3~4コマ、土曜も授業があるため、リフレッシュ時間の確保が難しいこともあります。
Q: 大学院入学後に、同級生とプライベートで交流はありましたか?
A: はい、寮生活であることや、1学年20名ということもあり、距離が近く、交流の機会は多いです。
社会人経験者や留学生など、様々な背景の方がいるため、良い刺激を受けています。
社会人大学院と時間の悩み
Q: 入学前、どれくらい勉強や情報収集をしましたか?
A: 過去問と面接(プレゼンテーション)準備に2〜3週間ほど費やしました。
退職後に準備をしたので、時間の問題はそれほどありませんでした。
Q: 合格が決まり、大学院に進学するまでは、どのように時間を過ごしていましたか?
A: 緑のまちづくりに関わるボランティア活動と、コミュニティカフェでのアルバイトをして過ごしていました。
社会人大学院と情報の悩み
Q: 大学院の情報収集はどのように行いましたか?
A: オンラインでのオープンキャンパスが参考になりました。
また、知人に卒業生がいたため、直接話を聞くことができました。
Q: 志望校を選ぶための情報収集はどのように行いましたか?
A: 環境・造園分野を卒業した知人へ相談しました。
経済的な面やカリキュラム等、学びの環境を総合的に考え、淡路景観園芸学校に決めました。
Q: 出願書類はどのように準備しましたか?
A: オープンキャンパスで必要な書類がすべて確認できたため、スムーズに進められました。
準備の際には大学院経験のある夫がサポートしてくれました。
Q: 出願に向けて特に対策したことはありますか?
A: 研究計画書については、事前に大学院経験者のフィードバックをもらいながら書き上げました。
大学院進学を考えている社会人へのアドバイス
Q: 社会人が大学院に進学する際、どのようなアドバイスがありますか?
迷っている方には、ぜひ大学院への進学を検討してみてほしいです。
社会人になると、直接人から教わる機会や、学びに集中できる時間は減ってくると思います。仲間や先生とともに、とことん学べる環境はとても貴重に感じます。
環境・造園分野について体系的に学べるため想像以上に視野が広がりましたし、知りたかったことに関しては解像度がぐっと高まりました。
これは、個人の学びではなかなか得づらいことのように思うので、大学院ならではの恩恵かと思います!
インタビュー記事一覧
・社会人大学院インタビュー①~IMさん_サセックス大学~
・社会人大学院インタビュー②~小宮陽菜さん_リーズ大学~
・社会人大学院インタビュー③~松丸里歩さん_ロンドン大学ゴールドスミス校~
・社会人大学院インタビュー④~坂本さゆりさん_IE Business School~
・社会人大学院インタビュー⑤~河村泰志さん_サセックス大学~
≫社会人大学院のお金やキャリア、プライベートなどの悩みを解説!
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。