本日は、株式会社大川印刷に勤める小峰千波さんにインタビュー。
株式会社大川印刷は、創業140年を迎える歴史ある企業です。
再生可能エネルギー100%での印刷を行う環境印刷に取り組む企業で働く意義とは?
学生時代は、地域活性化の活動に尽力した小峰さんのキャリアについて迫りました。
小峰千波(こみねちなみ)
学生時代は、環境デザインのゼミを専攻。
小田原などの地域活性化に取り組む。
2019年に株式会社大川印刷へ新卒で入社。
入社後は、営業部で企画・デザインを行う。
目次
印刷会社のイメージとは異なるクリエイティブ業務?
ーーー現在はどんな活動をされていますか?
2019年に株式会社大川印刷へ新卒で入社しました。
大川印刷は、再生可能エネルギー100%での印刷を可能とし、CO2ゼロ印刷に取り組むなど積極的な「環境印刷」に取り組んでいる会社です。
現在は、社内で企画・デザインや広報など様々な業務を行っています。
企画・デザインでは、企画立案やグラフィックデザイン、入稿データのチェックなどが主な仕事です。
また、広報では、HPでの記事執筆・SNS発信・教育機関での出張授業などを担当しています。
その他にも、インターンの設計に携わったり、社内のプロジェクトに参画もしています。
ーーー印刷会社でも企画やデザインをすることがあるのですか?
そうですね。
もちろん、お見積りをして印刷のみ承る場合もありますが、企画からデザイン・レイアウトまで、弊社が請け負うことも少なくありません。
なので、私の業務としては、クリエイティブなお仕事をさせていただいています。
学生さんが考える印刷会社のイメージとは、異なるかもしれませんね。
ーーー教育機関での出張授業もイメージとは異なるお仕事ですね。
こちらは地域活性化の活動の1つですね。
弊社は横浜市にあるのですが、横浜市はSDGs未来都市と呼ばれており、SDGsに取り組む企業を応援する環境があります。
その一環で、小中学校で企業のSDGsへの取り組みや印刷と環境問題の関係などを講義させていただいています。
きっかけは地元の過疎化
ーーー社会課題に関心を持った原体験やきっかけを教えてください。
きっかけは、大好きな地元の過疎化を実感したことです。
神奈川県の自然豊かなまちが地元で、山もあり海もある素敵な場所なんです。
しかし、年々人口が減っていき、寂しさを感じていました。
地元が好きだからこそ、人が集い続ける場所になるように、地域活性化やまちづくりがしたいと思いました。
ーーー学生時代に力を入れて取り組んだ社会的な活動はありますか?
学生時代は、地域活性化に取り組んでいました。
地域活性化については、環境デザインのゼミを専攻しており、主に地域貢献活動×デザインをしていました。
ゼミでの取り組みの1つに、小田原にある商店街の活性化があります。
その時は、小田原の名物である提灯と妖怪をテーマに商店街をデザインしました。
自分たちで提灯づくりをするため、職人の方に習いに行きました。
ゼミ以外でも、地方活性化に取り組んでいて、市のキャラクターの着ぐるみに入って広報活動することもありました。(笑)
就活中に感じた違和感
就活中に感じた違和感
ーーー就活で大切にしていた軸はありますか?
2つの軸を持っていました。
1つ目は、地域に密着した企業であることです。
この軸は、学生時代の活動から大切にしたいと思っていました。
もう1つの軸は、小峰千波という一人の人間が、会社やその広がりを通じ、少しでも環境や社会に良い影響を与えられるかを大切にしていました。
ーーー2つ目の軸にはどんな背景がありますか?
就活中に感じた違和感が背景にあります。
就活がスタートするとともに、同じ髪型、同じ格好、同じバッグ。
会社説明会で同じように首を縦に振る、あの空間に畏怖を感じました。
また面接では、学生時代の活動や取り組みたい課題へ思いに対して、「ボランティアでいいのではないか」だったり、「それとビジネスは別だ」という言葉を受けてしまいがちな、あの感じは違和感を抱きます。
このままでは、枠に収まってしまうと思ってしまいましたね。
大勢の従業員のなかの一人ではなく、自身の興味・関心・課題感を展開させていけるような企業で働きたいと感じました。
工場見学に潜入してリアルな声を
ーーー大川印刷さんとはどのように出会いましたか?
最初は、リクナビやマイナビで見ていたのですが、就活に違和感を感じてからは自力で探しました。
具体的には、「地域密着企業 神奈川」「地方創生 環境デザイン」「モノづくり 地域密着」のように関心のあるキーワードで検索し続けました。
そこで、関心を抱いたのが大川印刷です。
ーーー関心を抱いてからどのようなアクションを起こしましたか?
「疑いをもちながら現場潜入すること」が必要だと思っていたため、すぐに工場見学の予約をしました。
従業員の方々から実直に、経験談も混ぜた自分自身の言葉で、自社の事業や社会課題解決に対する思いをおっしゃっており、「実のある活動なんだな」と感動しました。
他社の企業を受ける際も、何かしらの形で現場潜入することは意識していましたね。
(オープンファクトリーは新型コロナウイルス感染症の影響で現在は一時休止しております。)
ーーー受ける中で迷った企業やいい会社だと思った企業はありますか?
地域と関わりたかったので市役所なども考えていました。
しかし、年功序列的な風土や地域に関わる仕事ができるかわからなかったので受けませんでした。
また、JRグループの湘南ステーションビル株式会社は印象的ですね。
JRの駅ビルを運営している企業なのですが、学生時代に作品を飾っていただいていたこともあって、学生時代から交流がありました。
面接のために伺った時、通りかかる方やオフィスの方の挨拶はもちろん、表情や雰囲気が生き生きしていてよかったです。
内定ブルーの乗り越え方
ーーー内定後には何か課題に感じたことはありましたか?
実は、内定ブルーの期間がありました。
社内の年齢層が幅広く、「実際、若手である私の意見ややりたいことを理解していただけるか?」と悩んでいました。
今思えば全然悩む必要はなかったのですが。(笑)
この悩みを社長に相談すると、入社前にアルバイト期間を設けていただけることになりました。
この期間で何も問題なく、若手の意見ややりたいことに対し応援・協力してくれる企業だとわかり、安心してスタートできました。
社内全体に環境問題への意識が行きわたる
社内全体に環境問題への意識が行きわたる
ーーーどんな思いをもって働かれていますか?
日々、意義をもって働いています。
お客様の持つ課題に、印刷物や企画提案により伴走させていただくことが嬉しいです。
また、新たな視野や可能性を広げやすく、挑戦のハードルが低いです。
だからこそ、会社を通じ社会にもっと多くのモノ・コトを貢献していきます。
ーーービジョンに対して、社内にはどのような人が多いですか?
まず、皆さんとても優しいですね。
お父さんやお母さんみたいな方が多いです。
学生の頃に抱いていた会社のイメージとは全然違いましたね。
ビジョンに対しても、環境問題や社会問題に関心のある方がたくさんいます。
お子さんがいらっしゃる方も多く、子どもの世代まで問題を残したくないとおっしゃっていました。
また、年齢層が幅広い会社ですが、好奇心や挑戦心という話は会社でよく出てきます。
朝礼では、ビジョンや※クレドと絡めて自分自身の気持ちや意見を共有する機会が多くあり、他人事ではなく自分に落とし込んで考え、言葉として伝える文化があります。
※ブルーズクレド 「クレド」は信条などと訳され、何か迷ったときの心の拠り所となる考え。元よりあった「7つ」のクレドとブルーズミュージシャンの名言をかけ合わせ発展させた。
0.1%までこだわりきる
ーーー会社の雰囲気として社会課題の解決にどれくらい比重を置いていますか?
本業全体が環境問題や人の健康に深く結びついていることもあり、本社・営業所関わらず意義を持ち活動しています。
朝礼では、「品質と環境」という枠があり、FSC®︎森林認証紙の使用率推移や、ノンVOCインキ(光化学スモッグを引き起こす原因物質を出さないインキ)の使用率と、わずか0.1%の不使用の理由を共有していただいたりと、自分ごととして社会課題解決を考える機会が多くあります。
また、気候変動や環境問題などのセミナーがある場合、多くの時間を要するものや参加費がかかるものであっても「いいよ、いってきな!」と快く背中を押してくれます。
ーーーちなみに0.1%の不使用率の理由はなんですか?
ノンVOCインキが金色や銀色に対応できないことが理由です。
ただ、0.1%はしょうがないという訳ではなく金色や銀色のインキもノンVOCインキに対応・ご提案できるよう、インキメーカーとパートナーを組んで一緒に歩んでいく必要があります。
私たちには作る責任があると思っているので、100%を目指さなければならないと感じています。
様々なパートナー連携して課題解決を
ーーー今の会社ではどんなスキルが身につきますか?
まずは、様々なパートナーと課題解決をする力ですね。
弊社の文化として、年次に関わらず、自身の経験から湧き上がる課題感や希望を大切にしています。
そのため、様々なパートナーと連携してプロジェクトを立ち上げられるので、このようなスキルがえられます。
また、これに関連して、部署の垣根なくプロジェクトを結成して社会課題に取り組むためマネジメント力やチームビルディングも身につきます。
ーーー今後のビジョンがあれば教えてください。
子育てをしている方や多くを学びたい次世代のために、生きやすい笑顔でいられるまちをつくっていきたいです。
実際に、NPO法人こまちぷらす様の「ウェルカムベビープロジェクト」に参画していたり、教育機関での出張授業・講演の機会をいただいています。
それらの活動をもっと拡げていきたいです!
読者へ応援メッセージ
ーーー最後に社会貢献を軸に就活をする学生へ応援メッセージをお願いします。
自分と対話し、褒めてあげる時間も大切にしてください。
軸を見つけられず嘆く学生さんも少なくありません。
そんななかで、自分のもつ課題感をもとに就活をしているのは素晴らしいことです。
“会社を使って”環境・社会に対して貢献ができるか?
自分がやることに意義はあるのか?
自分だからこそできるアプローチとは?
対話すると見えてくることがあります。
課題感や好奇心を曇らせないように、メンタルケアは忘れずに!
きっと大丈夫です。

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
