現在、juwi自然電力のプロジェクトマネージャーとして、太陽光発電の普及に尽力している北さん。

第2弾では、彼がどうして環境問題に興味を持ったのか、また現職に至るまでのキャリアステップについて迫っていきたいと思います。

プロフィール
北 俊宏

高校時代に発展途上国のゴミ問題に興味を持ち、大学から環境活動に従事。
大学卒業後、廃棄物処理や資源リサイクル事業を手掛けるDOWAエコシステム㈱にて5 年間勤務。
2013年10月 青年海外協力隊としてスリランカのキャンディ市役所へ赴任。
学校や住民集会での環境教育やコンポストの普及活動に従事。
2016年2月 juwi自然電力にて太陽光発電所建設のプロジェクトマネージャーを務める傍ら地域での環境教育等を続けている。

学生時代

―――環境問題に興味を持ったきっかけについて教えて下さい。

小さい頃に受けた様々な環境教育(小学校でのゴミ処理場の見学や4大公害病学習など含め)の経験や、両親が教師だったことも影響して、ちょうど高校生の頃に興味を持ち始めました。

そして、高校3年生の進路選択で明確に環境問題を意識するようになりました。

しかし、今から20年前は環境学部があまりメジャーでなかったこともあり、どこの大学に行けばいいのかもわわからなかったです。

自分はその当時理系だったので、とりあえず大学に行ってから考えようと工学部に進学しました。

入学後、化学や物理の専門的な授業を受けることになり、徐々に自分がやりたいことはのはこれではないと気づきました。

同時に、自分がきちんと考えずに大学選びをしてしまったことに、とても後悔しました。

そこから編入や再受験などの模索もしましたが、それはそれでかなりのエネルギーを必要とするし、結局その選択肢は選びませんでした。

その際、4年後社会人になるときは間違った選択を取らないように、後悔しないように選択したいと思いました。

大学3年生からの一斉就活のタイミングで卒業後の進路を考え出す人が多い中で、私は大学1年生の春から考え始めることができたのは幸運だったと感じています。

私は、「6 – 3 – 3 – 4 – 40の法則」を持論として持っています。

これは、小学校、中学校、高校、大学、社会人それぞれの段階の長さを示すものです。

最初の6,3,3では選択を間違えても自動的に次のステップへの転換の機会が訪れます。

しかし、40に入ってしまうとシフトチェンジのタイミングが自動的には訪れません。

では、この40をどのように生きるか。

今までの自分を振り返ってみると、長く続けてきたものは部活動の野球しかないことに気づきました。

だから、1回きりの人生で何か打ち込めるものを新たに見つけたいと思い、その答えが人生を通して環境問題に取り組むことでした。


就職活動

―――就職先を決める際の軸となる考え方はどのようなものでしたか?

私は、トップダウン型のいわゆる目標設定をしてそれに向かって努力するというやり方が苦手です。

元来三日坊主の私は、1つのことを続けることに関して不安があったため、長期的な計画を立てて、その通りに人生を歩んでいくのは自分には無理だと感じていました。

だから、〇〇年後にこうしようという具体的な目標を設定するよりは、仕事を通して環境問題に関わっていくという大きな道だけを定めました。

その大きな道の中で、自分がその時にやりたいと思ったことを全力でやるのが就職の時から今に通じる私の方針です。

だから前の会社ではリサイクル事業をやっていましたし、青年海外協力隊では環境教育に従事しており、今は発電所を作る仕事に就いています。

環境問題に取り組むという大きな道の中で、業種や職種問わず色んな仕事にチャレンジしてきました。


転職

―――前職(DOWAエコシステム)から青年海外協力隊を経て、現職(juwi自然電力)に転職しようと思ったきっかけは何ですか?

自分のキャリアが見えてしまうことが面白くなかったからです。

たしかに、前の会社は、日本の基幹産業で安定感がありました。

給料面や福利厚生に関しては今よりも良かったです。

しかし、安定した大企業だったからこそ、社内の様々な人のキャリアを見ていると、自分も同じような道を結局は辿るのだろうと感じて、新しいことに挑戦してみたいと思いました。

 

―――前職(DOWAエコシステム)と現職(juwi自然電力)それぞれの魅力について教えて下さい。

前の会社は、 私が入社した時点で120年ぐらいの歴史がありました。

もともとは鉱業の会社でしたが、途中から環境事業にも展開しています。

環境事業では、鉱山の技術を活かしたリサイクル事業や廃棄物処理事業を行っており、特に資源循環型事業というものに魅力を感じて入社を決めました。

一方ベンチャー企業である現職は、福利厚生や給与の面では多少落ちる部分はあるのですが、今後の自分のキャリアが良い意味で定かではないことが面白いと思っています。

加えて、本業に影響がない範囲であれば副業が認められていることも利点の1つです。

また、コミュニティー活動が盛んなこともベンチャー企業のいいところですね。

次回予告

自分の“やりたい”という気持ちに常に素直であり続けることの大切さについて語ってくれた北さん。

次回は、そんな彼の今後の展望や、作っていきたい未来について迫りたいと思います。