社会人大学院に通うことは、スキルアップやキャリアの向上に大いに役立つ一方で、学費や生活費、さらには収入の減少など、金銭面の悩みを抱える人も多いです。
限られた収入の中で、どのように学費を捻出し、生活を維持するかは多くの社会人大学院生にとって重要な課題です。
本記事では、社会人大学院を経験した方のインタビュー記事の抜粋を紹介します。
・社会人大学院インタビュー①~IMさん_サセックス大学~
・社会人大学院インタビュー②~小宮陽菜さん_リーズ大学~
・社会人大学院インタビュー③~松丸里歩さん_ロンドン大学ゴールドスミス校~
・社会人大学院インタビュー④~坂本さゆりさん_IE Business School~
・社会人大学院インタビュー⑤~河村泰志さん_サセックス大学~
目次
社会人大学院経験者 IMさんの「お金の悩み」インタビュー抜粋
Q: 大学院進学の費用はどれくらいかかりましたか?
A: サセックス大学での学費は1万8500ポンド(約300万円)でした。
ポンドの為替レートにもよりますが、現在のレートだと約350万円ほどになります。
渡航費や生活費も含め、全体で約300万円程度を見込んでいました。
Q: 大学院の費用はどのように工面しましたか?
A: 奨学金を考えましたが、仕事しながらの応募が面倒で結局利用しませんでした。
最終的には自分の貯金と家族からのサポートで賄いました。
Q: 通っている間に収入を得ていましたか?
A: はい、現地でイベントのアルバイトをしていました。
例えば、新入生歓迎会で無料のピザを配る仕事をしていました。
また、前職の仕事も業務委託で週に3〜4時間ほど継続していました。
Q: 卒業後、年収は上がりましたか?
A:前職よりは下がりました。現在はNPOで働いており、一般企業と比べるとどうしても年収は低めになってしまう傾向はあります。
現職以外の内定がでたNPOで、給与が20万円程度のオファーもありましたが、最終的にはもう少し良い条件の職場に決まりました。
生活に困らない程度はもらえているのと、やりたいことなので、給与が下がったことはそこまで気にしていません。
社会人大学院経験者 小宮陽菜さんの「お金の悩み」インタビュー抜粋
Q: 大学院進学にかかる費用はどのくらいでしたか?
A: 学費だけで約470万円(約2.6万ポンド)かかりました。
さらに渡航費に約25万円、ビザと健康保険費用で約25万円が必要でした。
家賃も月14万円と高額で、金銭面での負担は大きかったですね。
Q: その費用をどうやって工面したのですか?
A: 奨学金を探しましたが、12月にはほとんどの募集が締め切られており、間に合いませんでした。結局、親に借りる形でお金を工面しました。
Q: 大学院在学中にアルバイトをしていましたか?
A: はい、5月から6月にかけて授業が終わった後にアルバイトを始めました。
それまでは忙しくてアルバイトをする余裕がありませんでした。
社会人大学院経験者 松丸里歩さんの「お金の悩み」インタビュー抜粋
Q: 大学院進学にかかる費用はどのくらいかかりましたか?
A: 学費が約2万ポンド(300~400万円)、渡航費が20万円ほどかかりました。
留学エージェントはbeoの登録制サポートを利用しましたが、合格すれば料金が返ってくる仕組みだったため、費用はほとんどかかりませんでした。
その他、ビザと健康保険の費用や家賃も必要で、シェアハウスの月額家賃が850ポンド(12~17万円)です。
生活費は日本と比べて高く、時間に余裕があることもあって、スーパーで食材を購入して自炊するようにしています。
※1ポンド=150~200円
Q: 奨学金は利用しましたか?
A: はい、JASSOの海外留学支援制度の給付金を利用しました。
支援額が大きく、返済不要という点が魅力でした。
ただし、出願書類が多く奨学金の準備は、大学院の出願よりも大変でした。
奨学金の調査や準備は時間がかかるのと、期日が早いため、計画的な準備をおすすめします。
Q: 奨学金の選考はどのようなステップでしたか?
A:奨学金の選考は大きく分けて2つのステップがあります。
まず、書類選考で申請書や推薦状が審査されます。
過去の経験、大学院で学びたいこと、修了後に取り組みたいことを記載した書類が必要でした
次のステップとして、面接が行われます。
ここでは、留学先の言語でのスピーチを行い、志望動機や研究計画についての質疑応答があります。
事前に想定される質問とその回答を暗記し、面接に臨みました。
Q: 奨学金で留学にかかる費用を賄えますか?
A: 奨学金で学費の大部分をカバーできますが、生活費は若干不足します。
そのため、1月に退社した後は、日系美容室で受付の仕事を週10〜15時間ほどしています。
≫社会人大学院インタビュー③~松丸里歩さん_ロンドン大学ゴールドスミス校~
社会人大学院経験者 坂本さゆりさんの「お金の悩み」インタビュー抜粋
Q:大学院進学にかかった費用はいくらでしたか?
A:学費と入学費で日本円にして約700万円かかりました。
その他、MBAの予備校や試験対策費用には約150万円かかっています。
Q:その費用はどのように工面しましたか?奨学金などは利用されましたか?
A:金融機関に勤めていたため新卒から資産運用をしており、その資金を使用しました。
IE Business Schoolの奨学金に応募しましたが、残念ながら不採用となりました。
外部の奨学金については、そもそもオンラインMBAに対する奨学金があまりなく、検討しませんでした。
Q:在学中も働いていましたか?
A:在学中の半分は働きながらでしたが、入学の1週間前位に妊娠がわかり、途中で出産したため後半は産休育休を取っていました。
≫社会人大学院インタビュー④~坂本さゆりさん_IE Business School~
社会人大学院経験者 河村泰志さんの「お金の悩み」インタビュー抜粋
Q: 大学院進学の費用はどれくらいかかりましたか?
A: 学費は約19,000ポンド(日本円で約330万円)、そのうちデポジットが5,000ポンドかかりました。※2022年当時のレート
渡航費は片道30万円ほどかかり、その他にもビザ、健康保険、家賃、生活費などがかさみ、全体ではかなりの額になりました。
Q: 費用はどのように工面しましたか?
A: 最終的には、前職で貯めた貯金を主に使いました。
大学が決まってから奨学金に応募しようと思っていましたが、JASSOや国の奨学金は締め切られてしまっていました。
なので、結果的に大学の奨学金3,000ポンドしか受けられませんでした。
Q: 在学中もお金を稼いでいましたか?
A: 在学中は、International Student Ambassadorとしてキャンパスツアーの案内やオープンキャンパスのイベントに参加していました。
報酬だけではなく、学内でのつながりができる点も大きかったです。
また、生物多様性クレジットの創出を目指すイギリスの企業で有給インターンシップも行いました。
Q: 卒業後、年収は上がりましたか?
A: 年収は下がりましたが、前職は年齢の割に高額な水準だったため、あまり気にしていません。
年収アップよりも自分がやりたいことを優先したキャリアチェンジです。
≫社会人大学院インタビュー⑤~河村泰志さん_サセックス大学~
社会人大学院の悩みをジャンル別に解説!
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社会人大学院とお金の悩み
社会人大学院とプライベートの悩み
社会人大学院と時間の悩み
社会人大学院と情報の悩み
社会人大学院と語学の悩み
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。