第1・2章では、多賀さんのこれまでの歩みと現在の活動についてお聞きしました。
最終章である今回は、会社員とフリーランスそれぞれの良さや、今後主流になるであろう働き方についてお伺いしました!
多賀さんが大切にされている言葉や、読者の方へのメッセージもお届けいたします。
ぜひ最後までお読みください!
多賀俊二さん
1965年生まれ、広島県呉市出身の55歳。
2013年中小企業診断士に登録。
1991年、金融機関の業界団体に就職し、25年間勤務。2016年4月独立!
草の根金融(社会課題を解決するため、一般の人が行う手作り金融の営み)の普及・発展を目指す。
2017年6月、直腸がんが見つかり、11月手術。
今は元気に復帰しているがんサバイバー。
様々な働き方
ーーー会社員とフリーランスそれぞれの良さは何でしょうか?
会社員の良さは、組織がバックアップしてくれることです。
また会社ならではの福利厚生があるのもメリットだと思います。
社会保険料や交通費を会社が出してくれたり、金融などの雑誌も会社のお金で買えたりするのです。
正社員だと、身分保障がきちんとあって、ある程度は将来の不安を抱かずに働けることがメリットですね。
一方で、フリーランスの良さはとても自由なところだと思います。
自由な分、お金が稼げない場合もありますが、日本では簡単には飢えて死にません。
働く場所や、一緒に働く人を選べるのもフリーランスの良さですね。
ーーー今後の社会はどのような働き方が主流になってくるでしょうか?
2~3個の仕事を掛け持ちするのは当たり前になると思います。
平日の昼・夜・休日でそれぞれ違う仕事をする、という働き方です。
大手企業の正社員なら安泰なんて言えなくなってきました。
メインにする仕事も、どんどん入れ替わっていくような働き方が主流になるのではないでしょうか。
多賀さんの今後
ーーー今後やっていきたいと考えていることはありますか?
まずは金融コンサルタントとして盤石になるために、M&Aや事業再生など、実務面の問題を深堀りしたいです。
また、自分のできることを今まで以上に発信し、世の中の人に知ってもらうことで、コンサルタントの注文を増やしたいですね。
それと並行して、地域金融機関がSDGsに力を入れるなど、ソーシャルファイナンスをめぐる状況が変化しつつある今、ソーシャルファイナンスに関する学びを深め、この分野での研究者・活動家として貢献したいと考えているところです。
多賀さんが大切にしている言葉
ーーー意思決定をする際に大切にしている言葉や考え方はありますか?
2つあります。
1つ目は、“至誠天に通ず”。
誠実さを極めて対応したら、必ず後につながるという格言です。
私は、完全にこの格言のようには生きられません。
返信をすぐにすることや、締切を守ることが苦手だからです。
しかし私は、根っからのお人好しで、いい人をやめられません。
それならば、誠実に生きることを貫く”スタンス”でいようと思っています。
2つ目は、“叶うと思います”。
少年院出身でRIZINなどで活躍する格闘家である、朝倉未来さんの言葉です。
彼は、古巣の少年院で自身の経験を語ったことがあります。
最初に朝倉さんが「夢を持っているか」と聞いたところ、手を挙げる人はいませんでした。
しかし、自分の経験を伝えた後には、次々と手を挙げ、自分の夢を語りました。
夢を語った一人ひとりに、朝倉さんは「叶うと思います」と力強く伝えたのです。
私は、この言葉に背中を押されてきました。
オススメの本
ーーー読者の方にオススメの本はありますか?
『はじめよう、お金の地産地消ー地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する』(英治出版)です。
木村真樹さんが書いた本なのですが、
彼は金融機関で働いたのち、A SEEDJ APANでの活動を経て、若くして自らソーシャルファイナンスの道に進んで、今も頑張っています。
そのため、彼の言葉はCOCOCOLOR EARTHの読者の方々に刺さるのではないでしょうか。
視点も優しいので、ぜひ読んでみてください。
読者の方へのメッセージ
ーーー読者の方へのメッセージをお願いします。
コロナ禍にあって多くの人が生きづらさを抱え、経済の枠組みさえ変わろうとする現在、草の根から金融・経済を創出する小さな営みにこそ、希望があると思います。
できることがあれば、ぜひ一緒にやりましょう。
社会的なお金の流れをここまで考えてきたので、お力になれることがあるかもしれません。
社会的な活動をしたいと考えている人とつながり、金融のあり方を変えていくことが私の夢であり野望なので、ぜひお声がけください。
ーーーお知らせ
「お金の赤ひげ」「一人NPOバンク」の手始めとして、「ソーシャルビジネス・NPO・中小企業のお金の問題 無料相談承ります!」案内ページを作りました。
http://tagashunji.net/freeadvice
ぜひ上記ページをご覧になり、お気軽にご相談ください。
編集後記
インタビュー中、多賀さんはとてもオープンにお話してくださり、多賀さんの価値観を世の中に届けたいと思わされました。
私は、社会貢献とビジネス・金融を縁がないものだと考えてしまいがちだったのですが、そうではないのだと多賀さんから教わりました。
また、インタビューを通して、「多賀さんは生きづらさを抱えた人も、そうでない人も同じように、当たり前に楽しく生きられる社会を望んでいる」と感じます。
私も多賀さんのその姿勢に強く共感しました。
障がいを持っている人、心と体の性別が異なる人がマイノリティとされ、生きづらさを抱えることに違和感を覚えます。
ご自身も生きづらさを抱えてきたにも関わらず、長年業界団体に勤務され、独立された多賀さんは、強く、優しい方でした。
読者の皆さまにも感じていただけたでしょうか。
多賀さんの魅力が多くの方に伝わり、多賀さんをロールモデルとされる方がいらっしゃれば幸いです。
横山愛未(よこやままなみ)
大学1年生です。
特別支援教育やキャリア教育に興味があります。
多様な人の価値観や考え方、立場などに寄り添える人になりたいです。
Twitter:https://twitter.com/y_manami2020
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。