今回インタビューさせて頂いたのはオイシックス・ラ・大地株式会社で食の社会課題を解決する活動の推進や発信を担当する上田ゆうなさん。

第1弾では上田さんの現在の活動内容、どんな未来を描きたいのかについてお届けします。

プロフィール
上田ゆうな

学生時代には、NPO法人アイセック・ジャパンでの活動や、貧困層を支援するフィリピンのNGOでのインターンなどを経験。
2013年6月からオイシックス株式会社(現・オイシックス・ラ・大地株式会社)でインターンを始め、その後2014年4月に新卒入社。
Oisixの商品・サービスの広報を経験。
また、入社以来、約400人の農業関係者が集うシンポジウム『N-1SUMMIT』や、4万人以上を動員する収穫祭イベント『東京ハーヴェスト』などをプロジェクトマネージャーとして企画・運営。
現在は、食に関する社会課題を解決する活動の推進や発信を担当している。

現在の活動

ーーー現在の活動を教えてください。

食に関する社会課題を解決するための活動をしています。

私の仕事は、主にイベントの企画・運営を通じてそれを行なってきました。

私が関わっているイベントの1つに『東京ハーヴェスト』があります。

全国の生産者さんが東京に集まり、マルシェやキッチンカーで食材を売るイベントです。

また、食材を売るだけではなく、産地に行かないと見られない生産者さんの技や農業の機械を体験できる場を子どもたちに提供しています。

都内の人はあまり生産者さんと関わる機会はないと思います。

楽しい食のイベントとしてやることで多くの人に食材を食べに来てもらいつつ、生産者さんにも興味を持ってもらいたいです。

コロナの影響で、今年はこのようなオフラインでの大々的なイベントは難しいので、オンライン開催しました。

オンライン開催することで世界中のどこからでも参加出来るので、裾野が広がればいいなと思っています。


食に関する社会課題

ーーー食に関する社会課題にはどのようなものがありますか。また、オイシックス・ラ・大地が取り組む課題解決について教えてください。

例えば、「先進国と途上国の格差」、「農業従事者の減少」、「気候変動」、「食品ロス」などがあります

先進国では肥満が問題視される一方で、途上国では飢餓が課題です。

また、農業は自然の影響を大きく受けます

気候変動による気温の上昇や自然災害の増加に対応しながら栽培しなければならず、難易度が上がっています。

オイシックス・ラ・大地が取り組んでいる課題はたくさんあるのですが、その1つが「先進国と途上国の格差」です。

例えば、先進国と途上国の格差の問題に取り組むTABLE FOR TWOというNPO法人があり、オイシックス・ラ・大地は協力企業としてその活動に関わっています。

協力内容は、当社の商品のいくつかをTABLE FOR TWOの対象商品とし、売り上げの一部を途上国の子どもたちの給食として寄付することです。

また「食品ロス」の削減にも取り組んでいます。

例えば、市場に出回るものは規格が決まっているため、それに合わないものは畑から出荷する時点ではねられてしまいます。

オイシックス・ラ・大地では、形が不揃いであったりサイズにバラつきがあったりしても、おいしさに問題がなければお届けをしています。


働いていて感じるやりがい

ーーーオイシックス・ラ・大地で働く中で感じるやりがいは何ですか。

事業として社会課題の解決に取り組むため、持続的により大きい活動ができることがやりがいです。

オイシックス・ラ・大地が目指しているのは、事業活動を通して社会課題を解決することです。

事業として解決に取り組んだ方が、会社としても利益があり、活動を持続できるため、よりインパクトも大きくなります。

続けられることは、どの課題を解くにも大事だと思っています。

また、イベントでは生産者や来てくれたお客様の声を直接聞けることもやりがいです。

生産者さんの方からは『主役にしてくれてありがとう。』

イベントに来てくれた子どもたちからは『農家になります!』

などと言って頂けるのは嬉しいです。

イベントに来た子どもたちの記憶に残っていて、彼らが将来キャリアを考える時に農業や漁業などの一次産業に関わってみようと思う人が増えれば、農業従事者不足の課題解決にもなるのではないかと思います。


創りたい社会

ーーー活動を通して創りたい社会を教えてください。またそう思ったきっかけは何ですか。

努力する生産者が報われ、誇りを持てる社会』です。

そのような社会を創りたいと思ったきっかけは2つあります。

1つ目は、学生時代の経験です。

インターンでフィリピンに行った時に目にしたのは、現地の農家の方々の食生活が豊かではない実情でした。

生産者の方々にはもっと儲かって、毎日の食生活を豊かにして欲しいなと思っています。

また、国内の農家さんの手伝いに行った時に、その農家の方が『跡継ぎどうしようかなと思っているんだよね。』とおっしゃっていました。

農業の担い手不足の問題は今までニュースで観る話でしたが、農家の方々の声を直接聞き、本当に起こっていることだと実感したことも大きいです。

2つ目はオイシックス・ラ・大地に入社し、実際に畑に行って生産者の方々と話した経験です。

生産者の方々はコントロールすることが難しい自然を相手にしています。

そんな状況の中でもおいしいものを作り、お客様に届けようと頑張っている話を聞きました。

私自身、食べることが好きなので生産者の方々には感謝していますし、彼らが報われて欲しいと思っています。

ーーー次回予告

第2弾ではフィリピンでのインターンや就職活動など上田さんの学生時代にスポットを当ててお伝えします。