※本記事は公益財団法人日本環境協会様からの情報提供で作成しております。

環境ラベル「エコマーク」を運営する公益財団法人日本環境協会(所在地:東京都千代田区、理事長:新美 育文)は、2023年度のエコマークアワード受賞者を下記の通り決定しましたのでお知らせします。
https://www.ecomark.jp/award/2023/

  • 最優秀賞 受賞

ビー・エム・ダブリュー株式会社
エコマーク認定取得プロジェクト BMW GROUPの取組みについて

[選考理由] ビー・エム・ダブリュー株式会社(BMW GROUP JAPAN)は、2022年3月のビー・エム・ダブリュー東京株式会社での認定を皮切りに、約1年という短い期間でBMWおよびMINIブランド、すべての正規ディーラーで認定を取得した。この中には直営ディーラーのほか、運営主体が異なるディーラーが含まれている。本部主導によるチェーン一括の認定取得ではなく、個々のディーラーごとに申請する方法が取られており、その理由は、各社がトップダウンに頼らずにエコマーク認定に自主的に向き合えるようにするためだという。この目標に向け、資本の異なる全国のディーラーをまとめ上げた苦労は想像に難くなく、BMW GROUP JAPANの高い理念とリーダーシップ、実行力に敬意を表したい。
このプロジェクトを通じて、ディーラー各社が自主的に環境配慮の取り組みを実践する環境が醸成されたことは大きな成果であり、本アワードの本旨である、「消費者の環境を意識した商品選択、企業の環境改善努力による、持続可能な社会の形成におけるエコマークの活用」と呼ぶにふさわしい好事例である。

  • 優秀賞 受賞

株式会社カカクコム
エコマークを活用したエコ・サステナブルな情報発信

[選考理由] 株式会社カカクコムは、購買支援サイト「価格.com(カカクドットコム)」で、2021年10月よりエコ・サステナブル情報の提供を開始。環境情報ニーズの高まりに応え、信頼できる情報としてエコマークを取り上げ、プリンタ、インクカートリッジ(純正、互換)、トナーカートリッジ、スキャナ、ノートパソコン、デスクトップパソコン、プロジェクタ、電卓の9分野で約3,000製品(2023年9月時点)のエコマーク商品を掲載している。BtoCがメインのECサイトにおいて、エコ・サステナブル情報は価格や品質などに比べ目立たないものが多いなか、“振り切った”画面設計/デザインで消費者の情報ニーズにアプローチしている点を高く評価したい。エコマーク商品特設ページや関連の企画ページ、さらにはサイトの最大の特徴となっている検索機能の絞り込み条件に「エコマーク」を追加する徹底ぶりで、サイトを利用する幅広い層にエコ・サステナブルに対する気づきを提供している。商品の価格と販売店がタイムリーに比較できるという、商品購入に直結する情報とエコ・サステナブル視点の融合は、消費者の消費行動を環境配慮へと変容させる手段として、大きな可能性を感じさせる。

澤田株式会社
puny eco 手芸業界初!エコマーク取得の手芸糸 環境を愛しながら、安心安全な糸で手芸を楽しむ

[選考理由] 澤田株式会社は、エコを謳うには第三者認証を取得すべきという社内意見を即実行に移し、リサイクルPET繊維を100%使用した手芸糸にてエコマーク認定を取得。エコマークを表示することで顧客とのコミュニケーションにうまく活用している。同社が打ち出す“手芸+エコ”という新しい価値観は、とても新鮮なものに映る。手芸・編み物という趣味を通じて無理なく環境活動に取り組むきっかけにしたいという思いが、製品化につながっているという印象を強く受けた。糸を染色する通常の製造工程を、ペレット原料に色を付けてから糸を紡ぐという、管理等が難しくなる工程に敢えて変更することで、染色廃液を発生させず、染色のための水使用量も大幅に削減している。こうした環境負荷低減を重視したモノづくりの姿勢は、サステナブルな社会実現への意気込みを感じさせる。
今後、糸からアパレルに目を向けた同社のさらなる持続可能な取り組みにも期待したい。

野添産業株式会社
再生原料を使用したストレッチフィルムの開発とエコマークを活用した環境ブランド戦略

[選考理由] 包装資材を製造販売する野添産業株式会社は、回収したストレッチフィルムをストレッチフィルムに水平リサイクルする循環システムを構築した。ストレッチフィルムは薄く伸びる性質から再生原料を使用しての製造が難しく、多くがバージン原料を使用して製造されている。しかし同社は、ポストコンシューマのポリエチレン原料の分別強化や原料の配合割合について試行錯誤を重ね、再生原料を50~80%使用したストレッチフィルムの製造に成功している。一般にリサイクル製品は、品質と価格の面でマイナスイメージを持たれることも多いが、同社は販売したストレッチフィルムを使用後に自社車両で回収し、自社工場で再生した材料を使用する一気通貫の循環を実現することで、品質が劣らないことはもとより、価格面でもバージン材使用製品より安価に提供している。こうした弱点を克服した企業努力も評価のポイントとなった。

株式会社LIXIL住宅研究所
木造戸建て住宅の高気密・高断熱化を実現する「オリジナル高性能パネル工法」等の開発

[選考理由] LIXIL住宅研究所は、フィアスホーム、アイフルホーム、GLホームのブランドを展開する住宅フランチャイズ企業である。オリジナルの高性能断熱パネル「eパネル」を使用した高性能パネル工法を開発し、最高レベルでの断熱性・気密性を実現している。高断熱・高気密性を生かし、太陽の光や熱、風など自然の力を利用するパッシブデザインを採用することで、夏に涼しく冬は暖かい居住を実現。省エネと快適な住まいの両立により、環境面だけでなく住む人の満足度を向上させ、生活でのウェルビーイングにつなげている。
さらに、LIXILグループでは、玄関やアプローチに施工するタイル製品でエコマーク認定を取得し、積極的に提案・販売。グループでこれらの技術を活用することで、持続可能な社会の形成に大きく寄与している。環境性能の高い製品が、同社のフランチャイズ加盟店とともにますます広がるよう今後のコミュニケーションにも期待したい。

  • ベストプロダクト 受賞

Re-食器「めぐり陶器」 graceシリーズ [認定番号: 22 128 006] Re-食器「めぐり陶器」 cafeシリーズ  [認定番号: 22 128 008] 有限会社二明商店

[選考理由] 本商品は、回収した不要食器や使用済み食器を粉砕し、「陶土」に混ぜ込んで作られた食器である。食器リサイクルの仕組みは、1997年に発足した「グリーンライフ21・プロジェクト」で研究がスタートし、地域の関連する事業者の努力により長年進められている。このRe-食器「めぐり陶器」は、リサイクル材料を使用した商品でありながら、「カフェで出てきそうなおしゃれな食器」をテーマにスタイリッシュなデザインが実現され、消費者がぜひ使いたいと感じさせる製品に仕上がっており、ECサイト等を通じて気軽に購入することが可能である。個人のみならずカフェやレストランへと使用シーンが拡大する様子がイメージでき、環境配慮の広がりが大いに期待できる製品である。地域の特産品である美濃焼を使用することで、地域社会の活性化にも貢献している。

RICOH IM C6010/C5510/C4510/C3510/C3010/C2510/C2010シリーズ [認定番号: 22 155 041] 株式会社リコー

[選考理由] カラー複合機である本製品は、絶え間ない技術開発と先進性の追求から生まれた、優れた環境配慮型製品である。「SUSTAINABILITY 製品に持続可能性という観点を。」という理念のもと、本体の樹脂総重量に約50%のポストコンシューマ由来の再生プラスチックを使用。業界トップレベルの使用量を実現している。主力シリーズにこれだけの再生プラスチックを使用していることは特筆すべきことであり、リコーの資源循環の取り組みの本気度が伝わる。
本機は省エネ性能、有害物質の使用制限、騒音などのエコマーク基準の各項目で優れていることはもとより、カーボンフットプリントにおいても、省エネ性能や再生プラスチック使用率の向上などにより従来機と比較してCO2排出量を大幅に削減、ライフサイクル全体での環境負荷低減を達成している。組立工場で使用する電力の100%再エネ化も実現しており、低炭素社会に向けた企業努力も高く評価したい。

【エコマークアワードとは】

エコマークアワードは、日本環境協会が2010年度に創設した表彰制度で、本年14回目を迎えました。
環境配慮商品の普及に関する優れた事例を広く公表するとともに、エコマーク商品のより一層の普及拡大を通じて、持続可能な社会の実現に寄与することを目的としています。
「最優秀賞」、「優秀賞」は、エコマークを通じて「消費者の環境を意識した商品選択、企業の環境改善努力による、持続可能な社会の形成」に大きく寄与する取り組みをした企業・団体等を表彰します。
2023年は、6月~7月の応募期間中、一般からの応募(自薦・他薦は不問)、またはエコマークアワード選考委員会(以下、選考委員会)による推薦があった団体の中から、選考委員会による一次審査(書類審査)および10月の本審査(オンラインプレゼンテーション)を経て決定。
「ベストプロダクト」は、2022年度および2023年度に認定されたすべてのエコマーク認定商品(製品・サービス)の中から、評価ポイントおよび認定基準への適合状況等を勘案し、特に環境性能や先進性、エコフレンドリーデザインなどが優れた商品を選考委員会で評価を行い選考。

【表彰について】
2023年12月より、受賞者に個別に表彰(賞状、トロフィ授与)を行います。

【本件のお問い合わせ】
公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局 事業推進課
https://www.ecomark.jp/award/2023/