宇宙の環境問題として世界中で問題視されている宇宙ゴミですが、どのような問題点があって企業はどのような取り組みをしているのかをご存知でしょうか。
また、宇宙ゴミを減らすためにできることや解決策・対策はあるのでしょうか。
本記事では、宇宙ゴミ(スペースデブリ)について概要や問題点、衝突事例などについて解説していきます。
目次
宇宙ゴミ(スペースデブリ)とは?
宇宙ゴミ(スペースデブリ)とは、壊れた人工衛星やロケットから剥がれ落ちた塗装や部品など、観測や研究などに機能することなく地球の衛星軌道の上を周回している人工物体のことを指します。
宇宙ゴミの大きさはチリほどの大きさのものから10cm以上の大きさがあるものまでさまざまで、宇宙の環境問題としても注目を集めているのです。
宇宙ゴミの現状
宇宙ゴミの数は、米国の監視ネットワークがとらえている地球軌道上にあるだけでも10cm以上のものが約20,000個、10cm未満1cm以上のものは約50万個あると推測されているのです。
また、宇宙ゴミにはデブリ同士がぶつかって生じる「微小デブリ」ともともと宇宙に存在している「スペースデブリ」という種類もあります。
宇宙ゴミの問題点
宇宙ゴミの問題点について解説していきます。
衝突すると強い衝撃になる
宇宙ゴミは宇宙を秒速8kmで周回していることもあり、1cmの宇宙ゴミに衝突しただけでもスピードを出している軽自動車と衝突したときと同じくらいの衝撃になるため、人工衛星や宇宙ステーションにぶつかる恐れがることが大きな問題点として挙げられています。
数が増え続けている
宇宙ゴミの数は年々増加しており、このままでは宇宙がさらに宇宙ゴミで混雑してしまうと懸念されているのです。
また、増え続けている宇宙ゴミを回収する技術が整っていないことも大きな問題となっています。
宇宙ゴミの落下事故・衝突事例
宇宙ゴミの落下事故・衝突事例について解説していきます。
2013年 エクアドルの事例
2013年4月にエクアドルから打ち上げられた小型が1ヶ月後の5月に通信が途絶えてしまい制御不能になって、1985年に旧ソ連によって打ち上げられたロケットの残骸と衝突しました。
国際宇宙ステーションの事例
2021年5月にカナダから打ち上げられた国際宇宙ステーションの一部であるロボットアームに宇宙ゴミが衝突しました。
ロボットアームに傷は残ったものの、破損する被害はなく国際宇宙ステーションに問題はないとされています。
宇宙ゴミの回収・解決方法
宇宙ゴミの衝突問題を解決するには、回収や軌道を変えるなどの解決方法があります。
しかし、年々増え続けている宇宙ゴミを回収することは難しく、現実的な運用方法としては宇宙ゴミがある軌道を避けるという方法が現実的です。
ただし、問題視されている宇宙ゴミを根本的に解決するために、企業が協力してロボットアームやレーザーなどを開発して宇宙ゴミを減らす努力をしています。
また、人工衛星などが宇宙ゴミと衝突しても甚大な被害を受けないために、シールドを設置して対策することもされているなど、さまざまな対策がされているのです。
宇宙ゴミ除去を行う企業の取り組み
宇宙ゴミ除去を行う企業の取り組みの事例をご紹介していきます。
株式会社アストロスケール
株式会社アストロスケールは宇宙ごみの除去・軌道上サービスに取り組む民間企業の1つです。
2013 年の創業以来、次世代へ持続可能な軌道を継承するためにさまざまな宇宙ゴミの除去に向けて技術開発を行っています。
スカパーJSAT
衛星放送の「スカパー!」を運営するスカパーJSATは、宇宙ゴミの軌道を変化させるパルスレーザーを開発しています。
「1円玉も浮かせられないくらい微弱なレーザー」を宇宙ゴミに照射し続けることで宇宙ゴミの軌道を変化させることが可能なのです。
宇宙ゴミを減らすためにできること
まずは宇宙ゴミの問題を知ることから始め、宇宙ゴミへの取り組みを行なっている企業に共感できたら投資を通じて微力ながらも、宇宙ゴミを減らすことに貢献することができます。
本記事を参考にして、まずは宇宙ゴミについての現状を知ってみてください。
よくある質問[一問一答]
宇宙ゴミとは?
宇宙ゴミ(スペースデブリ)とは、壊れた人工衛星やロケットから剥がれ落ちた塗装や部品など、観測や研究などに機能することなく地球の衛星軌道の上を周回している人工物体のことを指します。
宇宙ゴミの問題点は?
宇宙ゴミの問題点は、微小な宇宙ゴミでも衝突してしまうと大きな衝撃になってしまうことや除去する技術が整っていないにも関わらず数が増えていることです。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。