社会人として働きながら大学院に通うという選択は、多くの人にとって大きなチャレンジです。

小宮さんは、その道を選び、リーズ大学で学びながら、自身のキャリアや生活にどのような変化があったのかを語ってくれました。

この記事では、小宮さんの経験を通じて、社会人が大学院に通う際のさまざまな側面について深掘りしていきます。

留学先・経歴と留学までの流れ

まずは、小宮さんの留学先・経歴と留学までの流れをご紹介します。

留学先・経歴

〇留学先
リーズ大学
Climate Futures: Science, Society and Politics MSc(2023/9〜2024/9)

※他出願大学
◆Central European University🇦🇹(MESPOM)
◆University of Sussex🇬🇧
◆University of Bath🇬🇧
◆King Stage Business School

〇経歴
2000年生まれ
東京外国語大学卒
株式会社サーキュレーション入社

留学までの流れ

2022年
11月 情報収集を開始
12月 海外留学の意思決定/大学リサーチ(※1)

2023年
1月 書類準備/Duolingo English Test受験/出願(MESPOM, Sussex)
2月 IELTS受験/書類準備
3月 出願(King Stage, Bath)/合否通知(MESPOM, Sussex)
4月 合否通知(Bath)/在校生とzoom(Sussex)/出願(Leeds)
5月 合否通知(King Stage, Leeds)/在校生とzoom(Bath)→進学先決定


社会人大学院とキャリアの悩み

社会人大学院とキャリアについてを伺いました。

Q: なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?

A: サステナビリティ関連の仕事がやりたくて会社に入りましたが、徐々に心境の変化がありました。

自分がやりたいことをより探求できる環境に身を置きたいと強い、会社の上司とも相談していった結果、転職か大学院進学のどちらかを選ぶ必要があると感じることになり、11月に進学を考え始めました。

Q: 進学を決断したきっかけは何でしたか?

A: 進学を決断したのは12月です。同じ時期に進学を考えている人がいたことで、精神的な後押しを受けました。

また、語学と費用がクリアできることが分かり、進学を決意しました。

Q: 現職との調整はどのように行いましたか?

A: 進学を考え始めたタイミングで少しずつ相談もしていましたが、最終的には6月に進学が確定した段階で、正式な報告をしました。

その後2ヶ月程度引き継ぎを進め、8月末に退職しました。

Q: 進学後、キャリア観は変わりましたか?

A: 進学後、キャリア観はより具体的になりました。

海外で働くことに対するハードルを感じ、日本に戻る選択肢も考えています。

特にビザの問題が大きく、海外でのキャリア形成には厳しい条件が伴うことを実感しました。


社会人大学院とお金の悩み

この章では、社会人大学院とお金についてお聞きします。

Q: 大学院進学にかかる費用はどのくらいでしたか?

A: 学費だけで約470万円(約2.6万ポンド)かかりました。

さらに渡航費に約25万円、ビザと健康保険費用で約25万円が必要でした。

家賃も月14万円と高額で、金銭面での負担は大きかったですね。

Q: その費用をどうやって工面したのですか?

A: 奨学金を探しましたが、12月にはほとんどの募集が締め切られており、間に合いませんでした。結局、親に借りる形でお金を工面しました。

Q: 大学院在学中にアルバイトをしていましたか?

A: はい、5月から6月にかけて授業が終わった後にアルバイトを始めました。

それまでは忙しくてアルバイトをする余裕がありませんでした。


社会人大学院とプライベートの悩み

この章では、社会人大学院とプライベートについてお聞きします。

Q: ライフプランについて、結婚〜出産などのイベントへの影響を想定していましたか?

A: 結婚や出産といったライフイベントへの影響はそれほど感じていませんが、歳を重ねるにつれて考えることは増えると思います。

進学を決めた理由の一つは、若いうちにやりたいことをやっておきたいという思いがあったからです。

Q: 大学院生活中のリフレッシュ方法や1日のスケジュールについて教えてください。

A: 毎日4時間ほど授業があり、そのほかにも予習に多くの時間を割いていました。

リフレッシュのために大学寮のジムを利用したり、料理や外食、パブでの時間を楽しんだりしていました。

時には旅行もして、心身のバランスを保つようにしていました。

Q: 家族や友人との交流はどうしていましたか?

A: 親とは週に1〜2回電話で連絡を取っていました。

最初はホームシックにもなりましたが、友達ができてからは乗り越えられました。

Q: 大学院入学後、クラスメイトとプライベートで交流する機会はありましたか?

A: はい、ありました。

実際、ほとんどの時間をクラスメイトと一緒に過ごしていました。

私のクラスは特に仲が良く、プライベートな交流も頻繁にありました。

Q: 同級生との交流の時間は持つべきだと思いますか?

A: 持つべきだと思います。特に、社会課題に対してフラットに話し合える友人がいることは非常に大きな意味があります。

日本では感じていた距離感が、クラスメイトとの間にはなく、同じ課題意識を持った仲間たちが世界中から集まっているため、お互いにとってのセーフゾーンのような感覚が生まれました。

社会人大学院と時間の悩み

この章では、社会人大学院と時間についてお聞きします。

Q: 大学院入学前、情報収集や準備にどれくらい時間をかけましたか?

A: 年末年始の休みに一気に進め、その後も土日を利用して準備を進めました。

特に在校生と連絡を取るのが大変で、SNSを活用して3人ぐらい連絡をとり、2人と実際に話をしました。

Q: 勉強時間を確保するためにどのように工夫しましたか?

A: 仕事の合間や休みの日を利用して勉強しました。

勉強とプライベートのバランスを保つことが難しいこともありましたが、工夫しながら両立させていました。


社会人大学院と情報の悩み

この章では、社会人大学院と情報についてお聞きします。

Q: 情報収集にはどのような手段を使いましたか?

A: Keystoneなどの検索サイトやSNSを利用しました。

また、各大学の説明会にも参加しましたが、最終的には自分で情報を集めることが多かったです。

特に英語での検索が重要で、日本語だけでなく英語でも情報を探しました。

Q: 出願書類はどのように準備しましたか?

A: 5校に出願ししました。準備した書類は、Personal Statement、推薦状(各大学1~2名分)、語学試験の証明書、卒業証明書、履歴書(CV)です。また、大学によってはインタビュー(面接)も必要でした。

Q: Personal Statementの作成には誰かにサポートしてもらいましたか?

A: はい、エージェントを利用すると添削がついてくる場合もありますが、私は学部の大学の先生やネイティブの友達にサポートをお願いしました。

Q: 出願関連の情報はどこから得ましたか?

A: パーソナルステートメントに関しては、同じ専門領域の人の例文を参考にして、バックグラウンドや必要な内容を把握しました。

社会人大学院と語学の悩み

この章では、社会人大学院と語学についてお聞きします。

Q: 語学の準備はどのように行いましたか?

A: 4歳から8歳まで海外に住んでいたため、語学に関してはそれほど苦労しませんでした。日本でもシェアハウスで外国人と暮らし、定期的に英語を使うことでスキルを維持していました。

Q: 入学後、語学に関して苦労したことはありましたか?

A: 特にありませんでした。事前に十分な準備をしていたため、試験や課題でも問題なく対応できました。


海外大学院に進学を考えている社会人へのアドバイス

Q: 社会人が海外の大学院に進学する際、どのようなアドバイスがありますか?

A: 英語力や専門性に自信がない場合でも、諦める必要はありません。

多くの大学が条件付き合格を出してくれるので、語学試験に多少の不安があってもチャレンジする価値があると思います。

また、企業の出資制度や奨学金も活用できる場合がありますので、早めに情報を集めて準備を進めることが大切だと思います。

小宮陽菜さんのnote記事では、より詳細な大学院進学の体験記が書かれているのでぜひこちらもご覧ください。

#1
https://note.com/hina_sunflowerst/n/ndee480696c2d

#2
https://note.com/hina_sunflowerst/n/ne3d747b566df

#3
https://note.com/hina_sunflowerst/n/n2c1a2d044f03