今回は、「兼業」で「不条理の無い世界の実現」に取り組むNPO法人コンフロントワールド代表理事の荒井昭則(あらいあきのり)さんのお話を伺いました。
荒井さんのこれまでのキャリアを深堀り、民間企業とNPOの両立の魅力に迫ります!
荒井 昭則
NPO法人コンフロントワールド 代表理事 1994年生まれ。
東京都調布市出身。東京工業大学卒業。
学生時代は、カンボジア支援の学生団体に所属しカンボジアで衛生教育などの活動を行う。
大学3年終了時に1年間休学し、『ボランティアをしながら世界一周』を実施。
大学卒業後は、大手人材系企業に在籍しながら、『NPO法人コンフロントワールド』を設立。
ワールド・ビジョン・ジャパン主催『未来ドラフト』グランプリ受賞。
これまでの活動
ーーー荒井さんの現在の活動について教えていただけますか。
大手人材系企業に在籍しながら、兼業でNPO法人コンフロントワールドの代表理事をしています。
現在の活動は、主にアフリカ中心に、ウガンダ北部の南スーダン難民に対して物資の支援やウガンダ南部でトイレや貯水タンクの建設、タンザニアで学校の建設です。
その他にも、ペルーの刑務所で作られた商品や、ウガンダで就労支援を受けた女性が作った小物や家具などを日本で販売しています。
ーーー大学時代の活動を教えてください。
学生時代の始めは、一般的な理系大学生でした。
大学の授業もほどほどに勉強して、テニスサークルに所属していました。
ーーー理系大学生だったんですね。当時の学びは今の活動に生きていますか?
実験のアプローチ方法が今でも生きています。
実験では、過去の研究データを見てわからないことを仮説立て検証します。
それが本業でも活きてます。
ーーーありがとうございます。その後はどのような経緯で国際協力に携わるようになりましたか?
その後、東南アジアで一人旅をした際に訪れた、カンボジアがとても印象的で海外に目を向けるようになりました。
そして、そのときに出会った方にカンボジアの国際協力団体に誘われて入ったのが、国際協力に関心を持ったきっかけです。
長期休みを利用してカンボジアなどでボランティアをしていたのですが、もっといろんな国を見たいと思い、休学してボランティアをしながら世界一周をしました。
就職の話
ーーー次に就職のお話をお聞きします。JICAや官公庁は雰囲気が合わなかったとお聞きしましたが、もう少し深堀りさせていただきたいです。
就活を始めた時は、経済産業省やJICAを考えていました。
しかし、説明会や就活イベントに参加する中で、そこを目指す就活生と相性が合わないと感じました。
その時に、「行政で世の中を良くすること」と「民間企業で世の中を良くすること」でアプローチ方法が違うとわかったんです。
ーーーその後はどのような軸で就活をしましたか?
自分の中で当事者意識が持てるかどうかを軸にしていました。
つまり、なぜ自分がやっているか明確に答えられる場所で働きたいと考えました。
また、世界一周をする中で、自分の仕事に誇りを持って楽しそうに働いている人とたくさん出会いました。
しかし、日本では、楽しそうに働く人が少なく、働く環境を整えたいと思い人材系の企業に絞りました。
ーーー現在勤めている会社と迷った会社はありますか。
現在の会社を含む2社で迷いました。
どちらもよかったのですが、面接で会った人の印象で現在の会社に決めました。
一緒に働きたいなって思えたのが大きいですね。
NPOの立ち上げについて
ーーー会社で働きながらNPO法人を立ち上げるまでを教えてください。
正直、最初から法人を立ち上げるという意気込みはなく、成り行きでスタートして結果的に法人化に至りましたね。
もともとは、内定後に働きながら国際協力に携われないかなと考えたのがきっかけです。
それで働きながら国際協力を考えるイベントやNPOの代表に登壇してもらうイベントを何個か主催しました。
そこでたまたま会った人と意気投合して、始まったのがコンフロントワールドです。
それから寄付をいただくようになったり、活動をウガンダで行うにあたり法人化する方が色々と都合がよくなり、その流れで法人化しました。
ーーーということはNPOを作りたいというよりは、やりたいことをやった結果が法人化なのですか。
そうですね。
ベンチャーを立ち上げるような学生とは違い、いつの間にかNPOができていましたね。
民間企業とNPOの両立はどのように?
ーーー働きながらNPOをやるにあたり、一番苦労したことはありますか。
自分の時間管理が難しいですね。
寝る時間を削ると体を壊しますし、本業に重きを置くとNPO法人での時間が削られるし。
土日もNPO法人のことを考えるし、何か作ろうって思うと何かやっちゃうし。
とはいえ、完全に本業も副業も考えない時間も作ります。
ーーーちなみにその何もやらない時間は何をしてるのですか?
コロナが無かったら、友達とご飯に行ったりしてました。
今はなかなかそうはいかないので、マンガ読んだりゲームしたり、意図的に何も考えない時間を作るようにしています。
ーーー今後のキャリアプランはどのように考えていますか。
35歳のタイミングでNPOを引っ張るビジネスマンになりたいと考えています。
もう少し具体的には、NPOでは代表の年齢が40歳で若いって言われるような状態なので、次の継承する役割を担っていきたいです。
なので、本業では小さい事業を大きくする経験を積んでいきたいですね。
国際協力を志す人へのメッセージ
ーーー国際協力を志す人へメッセージをお願いします。
国際協力は、自分の人生の100%じゃなくていいと思っています。
「大学の研究をしたい、趣味を没頭したい、でも国際協力もやりたい」そんな形で人生の20%くらいの割合でもいいと思います。
ただし、片手間という意味ではなく、その20%は全力でやったほうが良いと思います。
自分の人生全てを国際協力に捧げる必要はなく、自分のやりたい形で、その結果誰かが笑顔になったり、誰かの命が救えることもあると思います。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。