今回は、ソーシャルビジネスで国際協力をされている中村八千代さんに公開インタビューを行いました!
第三弾では、キャリア形成についてお伝えします。
これまでに100名近くのインターン生を受け入れ人材育成を行なってきた中村さんが語る、学生が今やっておくべきこととは!?
将来国際協力に携わりたい学生必見です。
1969年東京生まれ。明治大学商学部卒業後、カナダに留学。
帰国後、父親の会社が倒産し、連帯保証人として自身も26歳で4億円の借金を背負うことに。借金返済後、2006年に途上国の恵まれない子どもたちを支援する非政府組織(NGO)「国境なき子どもたち」の派遣員としてフィリピンに赴任。2010年にソーシャルビジネス「ユニカセ・コーポレーション」を創設、貧困層の青少年の雇用機会創出を目的としたレストランをオープン。
2021年2月、感染症拡大の影響でユニカセレストランは閉店し、青少年育成事業を軸とし講演活動や新規事業を立ち上げ再スタート。
学生のうちに身につけておくべきこと
ーーー国際協力に将来携わるために、学生のうちからやっておくべきことはなんですか?
専門性を身につけて欲しいです。
私の場合は、留学をして「マーケティング」を学んでいました。
加えて、現場で実感したおすすめは「会計」です。
経理などがわかっていると、どこの国で働くにも強みになります。
英語で会計を学ぶCPAという米国公認会計士という資格があります。
これはかなり難しいですが、ぜひチャレンジしてみて欲しいです。
また、人間力として、コミュニケーション能力や、忍耐力、創造力も身に付けておくと良いと思います。
ーーーそのコミュニケーション能力、忍耐力、創造力はどのように身につけられますか?
この3つは経験によって得られるものです。
私の人生、52年を振り返ってそう感じます。
オンラインでもよいので、あらゆるバックグラウンドをもった方々とお話ししたり、イベントに参加することから始められるといいと思います。
キャリア形成
ーーーキャリア形成において大切なことを教えてください。
まずは、自分自身のことを知ることが大切だと思います。
好きなことや、やっていてワクワクすることを積み重ねると、自分の強みやアイデンティティを確立させることができます。
自分の強みは何か意識して考えておくといいでしょう。
私はカナダに2年半留学して異文化交流やマーケティングの勉強をし、20代の頃は国際協力などの社会貢献分野よりもビジネスに関心がありました。
しかし、フィリピンに派遣されたことから、専門にしていたマーケティングやビジネスで国境を超え、恵まれない環境下で育った青少年たちの役に立つことができると知りました。
自分が持っている強み(ポジショニング)と必要とされているもの(ニーズ)をマッチングすることが、私がイメージするキャリア形成の最初の一歩です。
ーーー人生のうちに達成したいゴールや自身のビジョンはどのくらい明確に設定するべきだとお考えですか?
あとで修正可能なので、できるだけ明確に設定することをおすすめします。
実際に、私は大学生の頃、流通の業種にしか関心をもっていませんでしたが、現在では流通とは異なる国際協力というフィールドで活動をしています。
20年、30年という時間のなかで多くの出来事に影響されて「中村八千代」という人物が作り上げられました。
これまでに、家庭の事情で夢を諦めざるをえなかったり、やりたい事は変化してきましたが、具体的なゴールやビジョンという方向性があったから変化しながらも行動に移すことができました。
仮でもよいので、ゴールやビジョンを決めることは大切です。
それを叩き台にし、アクションを起こし、行動する中でその都度ゴールとビジョンを修正することで、進むべき道に向かいます。
積極的に動いて後悔のない人生を送ることを意識していれば、どんな道に進んでもカタチになるのではないでしょうか。
ーーーユニカセレストランを経営する上で多くの苦悩があったと思うのですが、やはりビジョンが明確だったからこそ乗り越えられたのですか?
そうですね。
レストラン開店から3年目に入った時、レストランの大家に家賃を3倍にされ、払えないなら出ていけと追い出され、引っ越しで数百万円の損害を抱えてしまったり、トレーニングをした青少年らに裏切られる苦悩は何度もありました。
しかし、どんなに辛くとも
『子どもたちが安心して暮らせる社会を実現させる』
というユニカセのビジョンを心の支えに這い上がりました。
私も家族を失った経験で心の傷を抱えているからこそ、自分たちが経験した辛い思いを次世代に受け継がせたくない、という貧困層の青少年たちの強い想いに共感し、ユニカセの道標としてこのビジョンを掲げています。
学生へのメッセージ
ーーーー最後に学生へのメッセージをお願いします。
自分は今何ができるのか、常に考え続けて欲しいです。
というのも、近年SDGsやCSRが話題になっていますが、それらのワードがプロモーション戦略の1つとして使われているのではないかな、と感じてしまって。
もちろん、SDGsは一人一人が取り組まなければならない地球規模の課題ですし、CSRも大切な考え方ですが、最近の状況に対して少しモヤモヤを感じます。
ユニカセではCSV(Creating Shared Value/共通価値の創造)という言葉を重要視しています。
これは、経済的な価値を生みながら、個人や社会のニーズに貢献できる取り組みをし社会的な価値を創造していくという概念です。
自分が目指す目標は何か考えながら、CSVという概念を心に置き、興味のある関わり方で国際協力に携わっていただけたら嬉しいです。
ーーー編集後記
今回のインタビューを通して、中村さんの貧困層の青少年に寄り添う姿勢が特に印象に残っています。
青少年と連絡が取れなくなってしまったことが原因で、中村さんは10年続けたレストラン運営を諦めなければいけないという状況になってしまいました。
しかし、青少年たちを責めず、むしろ彼らのバックグラウンドを考慮し、「支援もなく運営を続けるのは大変だったと思う」と労いの言葉をかけていました。
将来、私もそのような貧困層の人たちと関わる時には、相手の目線でも考えることが出来る大きな器を持って向き合いたいです。
青山学院大学地球社会共生学部2年。
国内外の教育に興味があります。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。