平和で公平な社会の実現に向けて〜松尾沢子さん〜

2. 世界に偏見を持たず客観的に己を見る 

―――国際協力で活動している中で、大切にしている考えを教えてください。

自分の置かれた状況を客観的にとらえ、俯瞰的に動くことを大切にしています。

小学校時代のユーゴスラビアの出身の友達が体験した社会の変化を考えた際に、

「自分が同じことになったらどう思うだろう」

と考えると同時に、

「相手にとって日本にいる自分はどんな存在なんだろう」

と考えを巡らせてみました。

あるいは、私が大学4年生だった当時は日本のODA支出金が世界第一位で、政府もODAを通して国際貢献しようという意識が強く、他国からも期待されていました。

そのような期待の中で、自分が国際協力に関わるとしたら、どのように考え、ふるまうことが適切なのかを考えました。

OECD/DACの仕事を通じて、各国の主張の背景にある考えや事情、同じようにある日本の主張や事情、それらを俯瞰して、合意形成を試みる訓練ができたのは、よい経験でした。

中国の災害関係者と日本における国際基準の普及状況についての共有

―――今活動していて、必要だと感じたスキルや、その事例を教えてください。

 他国や主張の違う人に対して先入観を持たないことだと思います。
また、そうするために彼らの歴史や文化、暮らしなどについて知ることだと思います。

冒頭紹介した支援の国際基準の普及活動を始めるにあたって、私は不安でした。

私は大学で法学部であったわけでなく、難民問題に強い関心をもっていたわけでもなかったので、世界人権条約や難民の保護に関する考え方を知りませんでした。

それでも担当となった際に、条約のことや、”何が”起きたから、関係者が”どう”動いているのかといった「経緯」を勉強する中で、それまで漠然と持っていたイメージと実際は違っていたことを知り、先入観を捨て一から学び吸収することの大切さを感じました。

例えば、JICAに入って最初の仕事あったベトナムの行政官を研修員として日本に受け入れた際には、ベトナムの歴史、また日本とベトナム間にはどのような歴史があるのだろうかなど一通り勉強しました。

同時に、来日する研修員一人一人の家族や暮らしについて知ることに努めました。それは「共産圏だからこうなんだろう。」という先入観をもって個人に接すると見えてこない、一人一人の個性や意見がわかると思ったからです。

 

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