企業の売上高などの財務情報だけでなく、環境・社会的責任・企業統治という非財務情報を考慮して企業の成長性や持続性を判断して投資先を決めるESG投資というものがあります。

そして、ネガティブスクリーニングは最古のESG投資手法の一つです。

しかし、現在のESG投資の中ではネガティブスクリーンについてさまざまな議論が行われており、中にはESG投資ではないと唱える人もいるのです。

本記事では、ネガティブスクリーニングについて概要やポジティブスクリーンとの違い、ESG投資の7つの手法、ESG投資の現状や今後などについて詳しく解説していきます。

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ネガティブスクリーニングとは?意味を簡単に解説

ネガティブスクリーニングとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)などの非財務情報を考慮する投資手法である「ESG投資」の基準に満たない企業やセクターを投資の対象外にする手法のひとつです。

1920年代から投資銘柄選定の代表的な手法として知られており、ESG投資の最古の手法とも言われています。

ネガティブスクリーニングの例

ネガティブスクリーニングの対象となる銘柄はさまざまですが、代表的な例として宗教的・倫理的な観点から「アルコール」や「タバコ」、「ギャンブル関連製品」や、人道的な観点から「武器製造企業」や「動物実験」が挙げられます。

また、環境保護の観点から「原子力発電事業」や「化石燃料」などの銘柄もESG投資の基準に満たないため対象外となっているのです。

ポジティブスクリーニングとは

ポジティブスクリーンは、ネガティブスクリーニングの対義語です。

企業を排除して銘柄を選定するのではなく、環境に優しい製品を生産したり社会的な責任を果たすビジネスを展開しているポジティブな企業を選別して投資をする手法です。

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ESG投資の7つの手法とは?

ESG投資には下記の7つの投資手法があります。

・ネガティブスクリーニング
・ポジティブスクリーニング
・規範に基づくスクリーニング
・ESGインテグレーション
・サステナビリティテーマ投資
・インパクト投資
・エンゲージメントおよび議決権行使

ESG投資について、詳しくはこちらを確認してみてください。

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ネガティブスクリーニングは縮小する?日本の現状

欧米諸国をはじめ日本国内でもネガティブスクリーニングはESG投資とみなさないという考え方が浸透してきています。

実際に、2021年の調査ではネガティブスクリーニングの投資残高はESG投資の中で第3位まで減少しています。

今後のESG投資においても、ネガティブスクリーニングをESG投資とみなさないという考えが浸透している以上、投資残高が急激に増加することは非常に考えにくく、日本でもネガティブスクリーニングは縮小することが予想できるのです。


インパクト投資に取り組む企業3選

インパクト投資に取り組む企業を紹介します。

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コモンズ投信株式会社

コモンズ投信株式会社は、投資信託の運用・販売を行う会社です。

コモンズ30ザファンドとザ・2020ビジョンという2つの公募投資信託の運用・販売をメインに行っています。

投資先企業に長期資本を提供し、ファンドを購入する顧客には投資を通じた経済的リターンと、社会や企業とのつながりといった社会的リターンを分配する、資本の橋渡し役を担っています。

また、得られた利益の一部を社会起業家やパラスポーツのチャレンジャーなどに寄付する形で社会貢献活動も行っている企業です。

HP:https://www.commons30.jp/

コモンズ投信株式会社の事業内容や創業理由を詳しく見る

ミュージックセキュリティーズ株式会社

ミュージックセキュリティーズ株式会社は「インパクト投資」に注力し、社会課題解決型の事業に投資するプラットフォーム「セキュリテ」を運営しています。

インパクト投資とは、経済的なリターンだけではなく、社会や環境問題の解決に貢献することを目的とした投資のことです。

同社は、このインパクト投資を通じて、既存の金融機関では届かないニーズに応え、持続可能な社会の実現を目指しています。

HP:https://www.musicsecurities.com/

ミュージックセキュリティーズ株式会社の事業内容や創業理由を詳しく見る

鎌倉投信株式会社

「人と人、世代と世代を“結ぶ”豊かな社会を、皆様と共に創造したい」

鎌倉投信株式会社は、そのような想いから、事業性と社会性を兼ねた企業を対象に公募型投信を運用する独立系の企業です。

主力商品の「結い(ゆい)2101」は、一般投資家の投票で決まる「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2023 」で、アクティブ運用の投資信託の中で1位を獲得しました。

HP:https://www.kamakuraim.jp/

鎌倉投信株式会社の事業内容や創業理由を詳しく見る

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ネガティブスクリーニングに関する議論と企業の今後

近年のネガティブスクリーニングはESG投資ではないということを、ESG投資において日本の代表的な組織であるNPO法人日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)が異論を唱えたことで、ポジティブスクリーニングを用いたESG投資が積極的に行われるようになっています。

今後はネガティブスクリーニングではなくポジティブスクリーニングの投資残高が増加することが予想できるため、企業は環境に優しい製品を生産したり社会的な責任を果たすビジネスに注力することが求められるでしょう。


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よくある質問[一問一答]

ネガティブスクリーニングとは?

ネガティブスクリーニングとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)などの非財務情報を考慮する投資手法である「ESG投資」の基準に満たない企業やセクターを投資の対象外にする手法のひとつです。

ESG投資の7つの手法とは?

ESG投資の7つの手法は、ネガティブスクリーニング・ポジティブスクリーニング・規範に基づくスクリーニング・ESGインテグレーション・サステナビリティテーマ投資・インパクト投資・エンゲージメントおよび議決権行使の7つとなります。