「エシカル消費」という言葉を聞いたことはありますか?
スーパーで買い物をするとき、服を選ぶとき、コーヒーを飲むとき——あなたの日常的な「選択」が、地球の裏側にいる誰かの暮らしや、地球の環境に影響を与えているかもしれません。
エシカル消費とは、そうした影響を意識しながら消費することです。
この記事では、エシカル消費の意味から具体的な行動例、認証ラベルの見方、そして関わる仕事まで、わかりやすく解説します。
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エシカル消費とは?倫理的消費の意味をわかりやすく解説
エシカル消費(ethical consumption)とは、商品やサービスを購入するとき、人・社会・地域・環境・動物への影響を考えながら選択する消費行動のことです。
日本語では「倫理的消費」と訳されます。
「倫理的」というと難しく聞こえますが、要するに「人や地球に優しい買い物をしよう」という考え方です。
たとえば、フェアトレードのコーヒーを選ぶ、地元産の野菜を買う、動物実験をしていないコスメを使う——これらはすべてエシカル消費の一部です。
消費者庁は、エシカル消費を「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義しています。
エシカル消費が注目される理由・背景
エシカル消費が今これほど注目されているのには、明確な理由があります。
背景には、地球規模の課題が深刻化していることがあります。
気候変動、プラスチック汚染、労働搾取、生物多様性の喪失——これらの問題の多くは、私たちの日常的な消費行動と深く結びついています。
一方で、消費者の意識も着実に変わってきています。
消費者庁の調査によると、エシカル消費に「興味がある」と答えた人は59.1%、「日常的に実施している」人は36.1%に達しています。
(出典:消費者庁「エシカル消費(倫理的消費)に関する消費者意識調査報告書」)
また、エシカル消費の認知度は2016年には6%でしたが、2020年には12.2%まで高まっています。
SNSやインターネットを通じて情報が広まりやすくなり、「自分の買い物が社会に与える影響」を考える人が増えています。
エシカル消費の4つの視点
エシカル消費は、1つの分野だけに関わる話ではありません。
大きく4つの視点から考えることができます。それぞれの視点を知ることで、自分に合った取り組み方を見つけやすくなります。
人・社会への配慮
開発途上国では、低賃金・長時間労働で大量生産を行う工場が今も多く存在します。
あなたが「安いから」と選んだ1枚のTシャツが、劣悪な環境で働く人の労働によって作られている可能性があります。
フェアトレード認証を受けた商品や、透明性の高いサプライチェーンを持つブランドを選ぶことで、生産者に適正な対価が届く仕組みを支えることができます。
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地域への配慮
地産地消は、もっとも身近なエシカル消費の一つです。
地元で作られた食材を地元で消費することで、輸送に伴うCO2の排出を減らし、地域の農家や生産者の収入を守ることができます。
「少し高くても地元産を選ぶ」という選択が、地域の経済と環境の両方を支えます。
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環境への配慮
太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギーを選ぶこと、プラスチックの使用を減らすこと、修理して長く使うこと——これらはすべて環境への配慮に基づくエシカル消費です。
「使い捨て」の文化を見直し、地球の資源を次世代に残すことを意識した消費が求められています。
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動物への配慮(アニマルウェルフェア)
動物の福祉(アニマルウェルフェア)も、エシカル消費の重要な視点の一つです。
化粧品の開発に動物実験が使われていないか、食肉の生産過程で動物が適切に扱われているか——こうした観点から商品を選ぶ消費者が、世界的に増えています。
「クルエルティフリー(動物実験なし)」マークのついた商品や、動物への配慮を明示するブランドを選ぶことも、エシカル消費の実践です。
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知っておきたい認証ラベル・マーク一覧
エシカルな商品を選ぶとき、頼りになるのが認証ラベルです。
「どれがエシカルな商品なのか、見ただけではわからない」という声をよく聞きます。以下のマークを知っておくと、日常の買い物の場面で迷わず選択できるようになります。
エコマーク
環境省が認定する、日本の環境ラベルです。
製品のライフサイクル全体(製造・使用・廃棄)を通じて環境への負荷が少ないと認定された商品に付けられます。
文具、洗剤、衣類など幅広いカテゴリーで認定されており、身近なスーパーやドラッグストアでも目にすることができます。
MSC認証(海のエコラベル)
MSC認証は、持続可能な方法で管理・漁獲された水産物に付けられる国際的な認証です。
乱獲を防ぎ、海の生態系を守るための基準をクリアした商品にのみ表示されます。
スーパーの鮮魚コーナーや缶詰製品で見かけたら、積極的に選んでみましょう。
国際フェアトレード認証ラベル
開発途上国の生産者に、適正な賃金と安全な労働環境を保証するための国際認証です。
コーヒー、チョコレート、バナナなどの食品をはじめ、コットン製品でも広く使われています。
このラベルがついた商品を選ぶことが、生産者の生活改善に直結します。
GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)
GOTSは、繊維製品向けの有機基準です。
農薬不使用のオーガニックコットンを使用し、製造工程でも労働者の権利と環境への配慮が求められます。
衣類やタオルを選ぶ際の目安として活用できます。
RSPO認証
RSPO認証は、持続可能なパーム油の生産を認証するマークです。
パーム油は食品から洗剤・化粧品まで幅広く使われていますが、農園開発が熱帯雨林破壊の一因とされてきました。
RSPO認証製品を選ぶことで、森林保護と生産者の権利保護の両方を支援できます。
エシカル消費の具体的な行動例
「エシカル消費は難しそう」と感じるかもしれませんが、今日から始められる行動はたくさんあります。
あなたの生活スタイルに合わせて、まず1つだけ取り入れてみましょう。
- フェアトレード認証コーヒーやチョコレートを選ぶ
- MSC認証マークのついた魚を買う
- 地元の農産物直売所や道の駅を活用する
- 動物実験なし(クルエルティフリー)のコスメを使う
- 衣類を修理・交換・リサイクルし、ファストファッションを見直す
- マイバッグ・マイボトルを持ち歩く
- 電力会社を再生可能エネルギー由来の電気に切り替える
- 食品ロスを減らす(冷蔵庫の管理、食べ残しを出さない)
- 中古品・リユース品を積極的に選ぶ
- クラウドファンディングでソーシャルビジネスを支援する
一つひとつは小さな行動でも、積み重なることで企業や社会を動かす力になります。
SDGs目標12との関係
エシカル消費は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」と深く結びついています。
≫【SDGs目標12】つくる責任つかう責任とは?背景や現状、企業の取り組み、私たちにできることを解説
目標12は、天然資源の持続可能な管理と効率的な利用を実現するために、生産者と消費者の双方が責任を持つことを求めています。
消費者として「つかう責任」を果たすことが、エシカル消費の本質といえます。
たとえば、食品ロスを減らす、長く使える製品を選ぶ、修理を優先する——これらの行動はすべて、SDGs目標12の実現に直結します。
エシカル消費は「社会に良いことをする」という漠然とした行動ではなく、世界共通の目標と連動した具体的な取り組みです。
目標12の達成には、企業の取り組みだけでなく、消費者であるあなたの選択が欠かせません。
エシカル消費に取り組む企業の事例
エシカル消費は、消費者だけでなく企業も積極的に取り組んでいます。
ここでは、COCOCOLOR EARTHがインタビューを行った2社の事例を紹介します。
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ラッシュジャパン合同会社
HP:https://weare.lush.com/jp/lush-life/our-company/company-profile/
ラッシュは1995年にイギリスで創業したハンドメイド化粧品・バス用品メーカーです。
動物実験をしている企業からは一切仕入れを行わない方針を掲げており、アニマルウェルフェアの観点から一貫した倫理的なビジネスを実践しています。
7つの倫理的指針に基づいた製品づくりと、環境・社会課題への積極的な姿勢が、消費者から高い支持を集めています。
ラッシュジャパン合同会社で働く人のインタビュー記事を読む
≫【株式会社ラッシュジャパン】自分の『楽しい』を通じて社会に良い影響を与えたい~徳光みく~
≫【株式会社ラッシュジャパン】ボランティアは幸せの必要条件~徳光みく~
株式会社大川印刷
HP:https://www.ohkawa-inc.co.jp/
1881年創業の大川印刷は、再生可能エネルギー100%での印刷(ゼロカーボンプリント)を実現した老舗印刷会社です。
配送には電気自動車やディーゼル車を使用し、インクには環境負荷の少ないノンVOCインキ、用紙にはエコ用紙を採用するなど、製造・配送の全工程で環境配慮を徹底しています。
伝統ある企業が「環境印刷」というコンセプトで事業を刷新した先進事例として、注目されています。
株式会社大川印刷で働く人のインタビュー記事を読む
≫【株式会社大川印刷】地域に密着した環境印刷の会社で働く意義~小峰千波~
エシカル消費に関わる仕事・キャリア
エシカル消費の広がりとともに、社会課題解決を仕事にしたいと考える人も増えています。
エシカル消費に関わる代表的な職種とキャリアを紹介します。
サステナビリティ・ESG推進担当
企業内でサステナビリティ戦略を立案・推進する担当者です。
エシカルな調達方針の策定、環境認証の取得、投資家・消費者向けのESGレポート作成などを担います。
大企業だけでなく、中小企業でもCSR担当として活躍できるフィールドが広がっています。
バイヤー・調達担当(サプライチェーン管理)
フェアトレードやオーガニック認証商品の仕入れを担当するバイヤーは、エシカル消費の現場を直接動かす仕事です。
サプライヤーとの交渉、現地工場の労働環境確認、認証取得のサポートなど、幅広い業務を担います。
ソーシャルビジネス・社会起業家
フェアトレード専門店、エシカルアパレルブランド、サステナブルフードのベンチャーなど、エシカル消費を事業の軸に据えた起業・経営のフィールドも広がっています。
「稼ぎながら社会を変える」という選択肢が、若い世代を中心に注目されています。
広報・マーケティング(エシカルブランディング)
エシカルな取り組みを消費者に伝える広報・マーケターの需要が高まっています。
認証ラベルの意味を解説するコンテンツ制作、SNSキャンペーンの設計、メディア向けのプレスリリース作成などが主な業務です。
エシカル消費に共感できる就職・転職を考えているなら、以下のページも参考にしてみてください。
≫エシカル消費に取り組む企業一覧を見る
≫エシカル就活とは?注目される背景やメリット、企業の探し方を解説
まとめ
エシカル消費とは、人・社会・地域・環境・動物への影響を意識しながら消費する行動のことです。
フェアトレード商品を選ぶ、地産地消を心がける、認証ラベルを確認する——どれも今日からできる取り組みです。
消費者一人ひとりの選択が、地球の裏側の労働者の暮らしや、未来の環境に影響を与えます。
エシカル消費を「難しいもの」と捉えるのではなく、「自分の価値観を買い物で表現する方法」として、まずは1つだけ試してみてください。
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よくある質問
エシカル消費とは何ですか?
エシカル消費とは、商品やサービスを選ぶとき、人・社会・地域・環境・動物への影響を考えながら購入する消費行動のことです。
日本語では「倫理的消費」と訳されます。
たとえば、フェアトレード認証のコーヒーを選ぶ、地元産の野菜を買う、動物実験をしていないコスメを使うといった行動が当てはまります。
自分の買い物を通じて社会課題の解決に参加できる考え方で、消費者庁もエシカル消費を推進しており、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」とも深く関わっています。
エシカル消費の具体的な行動例を教えてください。
エシカル消費の行動例は、日常の中にたくさんあります。
フェアトレード認証やMSC認証マークのついた商品を選ぶ、マイバッグ・マイボトルを持ち歩く、地元産の食材を積極的に購入する、動物実験なし(クルエルティフリー)のコスメを使う、衣類を長く使うために修理や中古購入を検討する——こうした行動が代表的です。
特別なことをする必要はなく、まず1つの習慣を変えることから始めると続けやすくなります。
エシカル消費と普通の消費の違いは何ですか?
普通の消費は「自分にとってお得か・便利か」を基準に選ぶことが中心です。
エシカル消費は「その商品を作った人は適切な賃金をもらっているか」「製造過程で環境に悪影響はないか」「動物への配慮はされているか」といった、自分以外への影響まで考えて選択します。
どちらが良い・悪いではなく、エシカル消費は「自分の買い物が持つ社会的な意味」を意識することから始まります。
エシカル消費はなぜ重要なのですか?
私たちが毎日行う消費行動は、世界中の生産現場や自然環境に影響を与えています。
気候変動、労働搾取、生物多様性の喪失といった地球規模の課題の多くは、大量生産・大量消費のサイクルと深く結びついています。
エシカル消費が広まることで、企業は倫理的な生産方法に転換する動機を得て、社会全体が持続可能な方向に向かうことができます。
消費者一人ひとりの選択が、社会を変える力を持っているのです。

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
