地産地消はSDGsや6次産業との関係性が深いと言われていますが、どのように関係があるのでしょうか。

また、地産地消をするメリットやデメリットはどんなことなのでしょうか。

本記事では、地産地消のメリットやデメリット、SDGsとの関係性などについて詳しく解説します。

地産地消を通じて、私たち一人ひとりが持続可能な未来への貢献を考えるきっかけになれば幸いです。

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地産地消とは

地産地消とは、地域で生産された野菜や加工食品、畜産品、水産物、木材などの「農林水産物」を、生産された地域内で消費する取り組みを指します。

地産地消は食材を指す言葉として認識されていることも多いですが、木材や木製チップなどの「林産物」も含まれているということを理解しておくといいでしょう。

参照:農林水産省「地産地消(地域の農林水産物の利用)の推進」


地産地消のメリット5選

地産地消のメリットは以下の通りです。

・新鮮な食材を入手できる
・生産者との距離が近い
・地域活性化につながる
・流通での環境負担を減らせる
・特産物として観光資源になる

それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。

新鮮な食材を入手できる

地元で生産された新鮮な食材が地元で消費されるため、新鮮な野菜を提供することができます。

食品は鮮度が高いほうが栄養価が高いと言われているのも嬉しいポイントです。

生産者との距離が近い

生産者と消費者の距離が必然的に近くなる地産地消では、お互いの顔を知れるという大きなメリットがあります。

消費者としては生産者の顔を知ることでより安心して食材を口にすることができます。

また、生産者としても消費者の声が直接届くことでモチベーションの向上や改善などを行いやすくなるのです。

地域活性化につながる

地域内で生産と消費を行うことで、地域内でお金の循環が起こるため、地域の活性化につながります。

また、消費者のニーズを掴みやすく、新たなビジネスを展開することも期待できるため、新たな雇用の創出や、従業員の給与アップなどにもつながるはずです。

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流通での環境負担を減らせる

地域内で生産と消費を行う地産地消では、食材の輸送距離が短くなるため、輸送時に発生する二酸化炭素の削減やエネルギー消費を抑えることに繋がります。

また、流通にかかるコストを削減できるため、生産者の利益が大きくもなります。

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特産物として観光資源になる

地産地消にて地元住民が食材に高い価値を見出してくれることで、特産物として日本全国にアピールすることができます。

特産物を全国にアピールすることができれば、観光客が増えて地域の活性化にも繋がるのです。


地産地消にデメリットはある??

地産地消では、消費者と生産者の両方に「コストが高くなる可能性がある」というデメリットが存在します。

生産者としては地産地消のために、大量生産ができなくなったり、新たな流通の仕組みの構築などの手間が発生するため、設備投資や人材確保のためのコストが発生するのです。

そのため、消費者としても地元の食材を安く手に入れることが難しいこともあり、同じ食材をスーパーで購入したほうが安く収まるという場合も出てくるでしょう。

このように、多くのメリットがある地産地消ですが、デメリットも存在するため、総合的な視点で考えることが大切なのです。


地産地消とSDGsの関係を解説

地産地消は、SDGsの目標のなかでも、目標14「海の豊かさを守ろう」と目標15「陸の豊かさを守ろう」という2つの目標と密接な関係にあります。

地域の海や畑で採れた食材を地域だけで消費することで、必要以上に収穫する必要がなくなるため、海と陸の資源の保護につながるのです。

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6次産業とは?地産地消との関わり

6次産業とは、農林業者(1次産業)の価値を高めるために、食品加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)と合わせた取り組みを行うことを指します。

このように1次産業と2次産業、3次産業を組み合わせた産業であることから、それぞれを掛け算した「6」という数字がつけられているのです。

6次産業は生産から加工、販売までを行うということから、「町おこし」や「地域活性化」との関係性が強く、6次産業を活性化させることで地域事業者の所得が増加したり、雇用の創出に繋がります。


地産地消に取り組む企業

地産地消の促進に取り組む企業を紹介します。

株式会社ビビッドガーデン

https://vivid-garden.co.jp/

株式会社ビビッドガーデンは、第一次産業の抱える課題に挑むITのスタートアップです。

「生産者のこだわりが正当に評価される世界へ」というビジョンを掲げ、全国の生産者が、自由に出品できるオンライン直売所「食べチョク」を開発、運営しています。

みらい畑株式会社

みらい畑株式会社は、耕作放棄地を活用して有機野菜を増やし、地産地消を促進しています。

有機肥料、減農薬栽培で育てられた野菜をぬか漬けにし、腸活ミニ野菜として販売しています。

私たちが地産地消をするためには何ができる?

地産地消をするために私たちができることは、普段の買い物から産地を意識することです。

スーパーで食材を購入するとき、かならず生産地が記載されているため、地元で作られた食材を積極的に購入することで地産地消に繋がります。

また、地元食材を使ったレストランや、産直市場、地元食材を取り扱ったイベントなど、地産地消をするためのさまざまな取り組みが行われていますので、探してみると良いでしょう。

このように地産地消は身近で取り組むことのできる課題ですので、ぜひ明日のお買い物から実践してみてはいかがでしょうか。


まとめ

地産地消に取り組むことは、新鮮でおいしい食材を食べると同時に、地域経済を支え、環境保護に貢献するという様々なメリットをもたらします。

しかし、コストの増加や大量生産の困難さなど、いくつかのデメリットも認識する必要があります。

私たち一人ひとりが地産地消に意識的に取り組むことで、持続可能な地域社会の実現に貢献できます。

日々の買い物から意識を変えてみること、地元の食材を使ったレストランを支援すること、地元の特産品を積極的に購入すること。

これらはすべて、より良い未来への一歩となります。