スーパーに行くと、アメリカ産のトウモロコシや牛肉、中国産の鶏肉や野菜など、さまざまな国の食料が売られていますよね。
これらの食料は、生産から食卓に届くまで、かなりの距離を旅してきているようです。
この距離に注目した「フードマイレージ」の概念と、その問題点を解説します。
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目次
フードマイレージとは
フードマイレージが高いことの問題

フードマイレージが高いと、どのようなデメリットが生じるのでしょうか?
環境問題につながる
第一に、輸送距離が長いことにより、CO2の排出量が多くなります。
2019年度における日本の二酸化炭素排出量(11億800万トン)のうち、運輸部門からの排出量(2億600万トン)は18.6%を占めています。
さらに、国連のIPCCは、航空セクターのCO2排出量が、2050年には現在の2〜5倍に達すると予測しています。
遠い国から航空機で食料を輸入することは、環境にとって大きな負荷になるのです。
安定した供給を確保しづらい
第二に、食糧の安定供給や安全性の確保が困難になります。
特に最近では、コロナ禍により国際物流が抱えるリスクが注目されていますよね。
フードマイレージが高いと、世界のどこかでアクシデントがあったときに輸入が途絶えたり、価格が高騰したりするリスクが大きいのです。
日本のフードマイレージ
国民当たりのフードマイレージは、なんと日本が世界第1位となっています。
2001年の世界フードマイレージランキング
順位 | 国 | フードマイレージ(百万t・㎞) |
1位 | 日本 | 900,208 |
2位 | 韓国 | 317,169 |
3位 | アメリカ | 295,821 |
4位 | イギリス | 187,986 |
5位 | フランス | 104,407 |
6位 | ドイツ | 171,751 |
また、農林水産省によると、食料輸入だけで一人当たり年間 約130kgものCO2を排出している計算になるそうです。
「130kgのCO2」と言われても、どれほどの量なのかピンとこないかもしれません。
もし130kgのCO2を削減しようとすると、下記の行動が必要になります。
夏の間の冷房温度を27→28℃:12年分
夏の間の冷房時間を1時間短縮:19年分
毎日1時間テレビを見る時間を短縮:11年分
毎日1分間シャワーを短縮: 5年
(※引用:農林水産省「『フードマイレージ』について」2020年9月30日)
この数字を見ると、食糧輸入によっていかに多くのCO2が排出されているかが分かります。
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私たちにできること
それでは、消費者の立場として私たちにできることは何でしょうか。
ミートフリーマンデー
ミートフリーマンデーとは、「最低限週に1度、月曜日だけでも肉を食べることをやめる」というものです。
地球環境保護活動の一環として、元ビートルズのポールマッカートニーとその娘によって考案されました。
肉は水という観点だけでなく、地球温暖化という観点でも環境への負荷が大きいことで有名です。
地産地消
環境負荷の小さい商品、すなわち地元で採れた食材を選びましょう。
地産地消を進めることは、地元の農業を振興するという意味で、地方創生にもつながります。
近場で採れた食材はとても新鮮な状態でいただけますし、それで環境保護と地方創生に貢献できれば一石三鳥ですね!
まとめ
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