日本国内でもフードロスについては以前から問題視されていますが、実際にフードロスがどのようなもので、どんな問題があるのか知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、フードロスの定義や原因、問題点、さらには私たちができることなどについて簡単に分かりやすく解説します。

最後にはフードロスに対して積極的に取り組みをしている企業についてもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

フードロスとは?意味を簡単に解説

フードロスの定義

フードロスとは、食品が流通する前半部分の事業活動を伴って発生する食品ロスです。

国連食糧農業機関(FAO)の発表するSOFA(The State of Food and Agriculture, 2019)では、以下のように定義されています。

小売業者・食品サービス事業者・消費者の3つの業種を除く流れ、食品供給者の判断や行動によって食品の量や質の低下が引き起こされること

参考:国連食糧農業機関(FAO)「The State of Food and Agriculture, 2019

つまり、フードロスは食品供給者が判断する生産・収穫・輸送・製造・加工・梱包までの流れの中範囲で引き起こされるのです。

フードロスと食品ロスの違い

フードロスと食品ロスは同じような意味合いで使用されることもありますが、実はそれぞれには違った意味が存在します。

フードロスは先ほどもお伝えした通り、食品供給者の判断や行動によって引き起こされるものですが、食品ロスは本来食べることのできる食品を捨ててしまうこと全般を指します。

つまり、食品が流通する中の前半部分で発生するフードロスは、食品ロスの中の一部分ということなのです。

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フードロスの現状

日本国内でもフードロスは深刻な状況となっており、令和4年6月に発表された農林水産省の「食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢」によると、事業系のフードロスは275万トン、家庭系フードロスは247万トンという数値が発表されているのです。

このように、日本国内ではフードロスは今すぐにでも解決すべき問題として認識されています。

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フードロスの原因

食品の過剰除去

私たちのもとに届く食材は、余剰部分がカットされたキレイな状態で届きますが、カットされた部分に関してもフードロスになります。

というのも、カットされた部分でも食べることのできる部分は多くあるからです。

例えば、大根の葉っぱは本来食べることができますが、スーパーに並ぶためには葉の部分はカットされることが一般的ですが、大根の葉は食べることができるため、フードロスになります。

このように、食品をキレイな見た目にするために過剰除去によっても発生するのです。

規格外品の排除

一般的に流通されるのは形の整った食品となるため、形が悪い食品や色味の悪い食品は規格外品として排除され、これがフードロスになっています。

もちろん、形や色が悪いだけで味や品質には問題ない食品がほとんどです。

包装・印字のミス

食品としては問題ないものでも、流通時の梱包や印字にミスが発生してしまうと、廃棄になってしまうことがあり、フードロスになってしまいます。

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フードロスの問題点

環境に悪影響を及ぼす

廃棄された食品はゴミ処理場にて可燃ごみとして処理されますが、処理のときに二酸化炭素(CO2)が発生してしまうため、環境に悪影響を及ぼすのです。

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貧困が進む

現状のままフードロスが進んでしまうと、人口増加に伴いさらに貧困に苦しむ人が増えてしまうと言われています。(参考:農林水産省「食品ロスの現状を知る」)

そのため、ヨーロッパ諸国ではフードロスの対象となった食品だけを販売するスーパーマーケットや飲食店が開かれているのです。

フードロスを削減するために私たちができること

フードロスを削減するために私たちができることを紹介します。

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通販で”ワケあり商品”を購入する

一般的には流通することのできない商品を事業者自ら通販で”ワケあり商品”としてお得な価格で販売しているため、それらを積極的に購入することでフードロスを減らすことができます。

もちろん、”ワケあり商品”は品質には問題なく、形が悪かったり梱包・印字にミスがあるものだけが販売されていますので安心して食べることができます。

食品の管理を徹底する

私たちが日頃から購入する量や消費期限の管理など、食品の管理を徹底して自宅での食品ロスを減らすことが、食品ロスを減らすとともに、結果としてフードロスを減らすことにも繋がります。


フードロス取り組む企業

オイシックス・ラ・大地株式会社

https://www.oisixradaichi.co.jp/

オイシックス・ラ・大地株式会社は、有機・無添加食品、ミールキットの通信販売を行う会社です。

フードロス削減アクションという取り組みを行っており、「家庭と畑のロスを削減できるミールキット」や、品質には問題ないのに、一般的な流通の規格にあわないサイズなどの理由で販売することのできない「もったいない商品」を販売しています。

株式会社クラダシ

https://corp.kuradashi.jp/

クラダシは、フードロス・食品ロス削減に貢献する、日本初・最大級の社会貢献型ショッピングサイトKURADASHIを運営しています。

日本で最もフードロスを削減する会社をビジョンに掲げ、フードロス削減×気軽にできる社会貢献の架け橋となることで、すべての人に地球課題に向き合う機会を提供しています。

株式会社コークッキング

https://www.cocooking.co.jp/

コークッキングは、「人間らしく創造的な暮らし」について日々探究を重ね、未来の新しい暮らしを支えるための「場」と「しくみ」と「ツール」をつくっています。

また、フードロス削減に挑戦するソーシャル事業部では、廃棄の危機にある食料品をレスキューするソリューション「TABETE.me」を運営しています。

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まとめ

フードロスの現状は悪く改善が必要な状況ですが、日本国内ではさまざまな企業がフードロスに対する取り組みをしています。

しかし、どの企業がどんな対策をしているのか調べるのは難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。フードロスに取り組める企業に就職したいと考えている方は企業を探すこと自体が困難でしょう。

そんな方は、以下の記事でフードロス対策をしている企業に関して詳しく解説していますので、ぜひチェックして参考にしてみてください。