世界中で注目されているジェンダー格差を無くす取り組みは、最近の日本でも注目されており、それが「LGBT法案」といったジェンダーニュートラルへの取り組みです。

しかし、LGBT法案については聞いたことがあっても、ジェンダーニュートラルを知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ジェンダーニュートラルの意味や注目された背景、取り組み事例について詳しく解説していきます。

ジェンダーについて関心がある方はぜひ最後まで読んでみてください。

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ジェンダーニュートラルとは?

ジェンダーニュートラルとは、gender(性別)とneutral(中立)という2つの単語を組み合わせて作られた言葉で、性やジェンダーによる規範に縛られない中立的な考え方のことを指します。

現代の日本では「女性はこうするべき」や「男なんだから」などという性差によって異なる役割認識や社会的地位などが与えられることがあります。

しかし、ジェンダーニュートラルにおいてはこのような性差による違いをなくし、性別に関係なくすべての人が平等になるように言動や思考、社会制度などを実現する考え方です。

ジェンダーニュートラルと混同しやすい似ている言葉については以下のURLをチェックしてみてください。

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ジェンダーニュートラルが注目された背景と身近な例

日本においてのジェンダーニュートラルは、LGBT理解増進法案(LGBT法案)や新宿に新設された”歌舞伎町タワー”のジェンダートイレなど、さまざまな部分で取り組まれている活動であるため、インターネットやSNSなどを通じて徐々に注目度を集めています。

また、私たちの身近でもジェンダーニュートラルの取り組みは行われているのです。

例えば、2020年10月から日本空港では、男性と女性を分ける呼び方が問題視されて「Ladies and gentleman」というアナウンスが排除されました。

さらには、「看護婦」ではなく「看護師」と呼んだり、「保母」を「保育士」と呼ぶなど、敬称に関してもジェンダーによる違いがなくなるように変化しています。

このように、今まで当然のように使用されていた男女を区別する言葉遣いや敬称などはジェンダーニュートラルへの取り組みによって無くなっているのです。

参考:性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進

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ジェンダーニュートラルへの取り組み事例

ファッション・アパレル

ファッション・アパレル業界では、メンズとレディースに区別せずに”ユニセックス”な着こなしができるようなアイテムを数多く販売することでジェンダーニュートラルに取り組んでいます。

また、ファッショントレンドを決めるパリコレなどのコレクションでは、さまざまな性を持つのモデルがランウェイに登場したり、男性がスカートを身につけるなど、ジェンダーレスな着こなしが注目を集めているのです。

コスメ

以前までは”化粧は女性がするもの”という認識が強かったですが、最近のコスメメーカーではメンズ専用コスメやジェンダーレスコスメなどが販売されているため、男性でも気軽に化粧品を購入できるようになりました。

また、インターネットやテレビ、SNSなどで化粧をする男性の露出が増えたこともあり、今では男性・女性のどちらでも化粧をすることが当たり前な考え方になっています。

おもちゃ

子どもが遊ぶおもちゃに関してもジェンダーの影響を大きく受けています。

例えば「男の子はかっこいい車のおもちゃ」や「女の子はおままごと」など、性別によって与えるおもちゃが無意識のうちに決定されているのです。

このようなジェンダーの違いを無くすために、ジェンダーニュートラルなバービー人形が発売されるなど、玩具メーカーもジェンダーニュートラルに取り組んでいます。


ジェンダーニュートラルについての理解を深めよう

本記事では、ジェンダーニュートラルの定義や実際の事例について解説しました。

まず私たちにできることは、固定概念を持たずにジェンダーについてさまざまな考え方を持つことです。ぜひ本記事を参考にしてジェンダーニュートラルについての理解を深めてみてください。

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