動物実験に反対するという意見は多くありますが、動物実験はどのような効果があり、代替法があるのかなどについて知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、動物実験の概要や代替法、3Rについて詳しく解説します。

動物実験とは?

動物実験とは、動物を使った実験のことを指します。

実験のために生産・育成される動物が動物実験では使用され、マウス、ラット、モルモット、スナネズミ、ハムスター、フェレット、ウサギ、イヌ、ミニブタ、サルなどが主な動物です。

動物実験の内容もさまざまで、人間に対して危険が及ぶ可能性もある化学物質や医薬品、機械などの安全性を検証するために動物で試すことや、チンパンジーの行動実験なども含まれます。

動物実験には賛否両論ありますが、私たちの健康と福祉を向上させる医学の分野においては必要不可欠な実験なのです。

参照:一般社団法人 日本生理学会「動物実験について」日本実験動物医学会(JALAM)「動物実験のしくみ」


動物実験に反対する理由とは

ここでは、動物実験に反対する理由について紹介します。

残酷な実験だから

動物実験に反対することに対しては、動物の権利を侵害しているからという最大の理由が挙げられます。

動物実験においては動物が痛み苦しむ状況下では正しい実験が行われないため、動物に対して十分な苦痛軽減の処置は行われています。

しかし、それでも人間のために動物動物に対して薬を投与したり拘束することは残酷だと感じる方は多いでしょう。

また、動物実験においては何ヶ月も同じ動物に対し実験を行った結果、最終的に死亡するケースも少なくないため、動物福祉の観点からも避けるべきという意見があるのは当然です。

参照:一般社団法人 日本生理学会「動物実験について」

実験の効果がない可能性もあるから

人間と動物の遺伝子は異なるため、動物実験で成功したとしても人間に効果があるとは限りません。

たとえば、アメリカのメルク社のワクチンをサルに使用した動物実験では、サルに対してはHIVの観戦を防ぐことができたものの、人間には効果が得られなかったという失敗例もあります。

参照:NPO法人 動物実験の廃止を求める会(JAVA)「動物実験は間違っている)

このように、動物実験の結果が必ずしも人間に効果があるとは限らないのです。

命の是非を問う問題だから

動物実験では多くの動物の命が失われるため、動物実験に賛同するか否かは命の是非を問うということです。

そのため、動物事件に反対する意見があるのは全く不思議ではないでしょう。

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アニマルライツ(動物倫理)を考えよう

動物倫理とは、人間と動物の関係性が本来どのようにあるのか、また人間にとって動物はどのような存在なのかを哲学的・倫理的に考えることです。

日本では動物倫理について考える機会は世界的に比べると少ないですが、動物福祉論(Animal Welfare)や動物権利論(AnimalRights)について考えることで動物との関わり方を考えることは非常に大切です。

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動物実験の代替法とは?

動物事件の代替法は昔から議論が進められており、コンピューターの発展によって細胞培養や組織培養の技術の発展においては非常に効果的に活用されています。

しかし、心臓を含む各器官や身体の機能を解明する研究、病気の原因を突き止める研究などには代替法がなく、今の技術であれば動物実験を行う必要があるのです。

このような理由から、動物実験には代替法がないため、今後も動物実験を全面的に無くすのは難しいと考えられています。

参照:一般社団法人 日本生理学会「動物実験について」

動物実験における3Rとは?

動物実験における「3R」とは、1959年にRussellとBurch氏によって提唱された世界的な動物実験の基準理念です。

参照:病態モデル先端医学研究センター「3Rの原則について」

動物実験における3Rは以下の通りです。

  • Replacement(代替)
  • Reduction(削減)
  • Refinement(洗練)

それぞれの内容について、以下で詳しく解説します。

Replacement(代替)

Replacement(代替)は、可能な限り意識や感覚のない動物の使用や、コンピューターなどを用いた代替法などが求められます。

Reduction(削減)

Reduction(削減)では、動物実験に使用する個体数を削減することが求められます。

Refinement(洗練)

Refinement(洗練)では、苦痛軽減の配慮や安楽死措置の設置などが求められます。

参照:公益財団法人 実験動物中央研究所「適正な動物実験に向けて」


まとめ

本記事では、動物実験の概要や代替法、3Rについて詳しく解説しました。

動物実験は世界中で賛否両論がありますが、日本は世界に比べると動物実験に対する議論が少ない印象があります。

そのため、まずは動物実験の現状や将来性について理解して、動物実験と向き合うことが大切です。

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