スウェットショップという言葉を聞いたことがありますか?

スウェットショップ(搾取工場)とは、安価な商品の製造のため、労働者を低賃金・劣悪な環境で働かせる工場のことです。

2013年のラナ・プラザ崩壊事故をきっかけに世界的に注目されましたが、今もなお世界中の縫製工場・製造業で問題は続いています。

私たちが普段購入する衣類・電子機器・食品も、スウェットショップ(搾取工場)で生産されている可能性があります。

本記事では、搾取工場の定義・原因・有名事例・私たちにできることをわかりやすく解説します。

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スウェットショップ(搾取工場)とは

スウェットショップ(搾取工場)とは、低賃金と劣悪な労働環境のもとで労働者を働かせる「搾取工場」のことです。

名称の由来は英語の「sweat(汗をかかせる)」からきており、1830年代のロンドン・ニューヨークで低所得移民が過酷な環境で働いていた状況がルーツです。

米国労働省は搾取工場を「2件以上の労働法規に違反している工場」と定義しており、強制労働・児童労働・低賃金・長時間労働・ハラスメントなどが横行しています。

スウェットショップは主に開発途上国で見られますが、女性の権利が守られていないにも関わらず、貧困を理由に多くの女性が勤め先として選んでいます。

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スウェットショップとブラック企業との違い

スウェットショップ(搾取工場)とブラック企業は混同されがちですが、実態は異なります。

ブラック企業では、搾取の対象が正社員などの広い範囲の労働者ですが、スウェットショップでは工場での非正規・期間工を主な対象とします。

また、搾取工場は「労働法規の違反が前提」となっているケースが多く、ブラック企業よりも問題の深刻度が高い点が特徴です。

スウェットショップは先進国にも存在する

スウェットショップ(搾取工場)は、途上国だけでなく先進国にも存在します。

米国労働省の調査によると、ロサンゼルスやニューヨークにも搾取工場は確認されており、低所得移民を中心に違法な労働環境が維持されているケースがあります。

目に見えて多いのは途上国ですが、先進国にも存在する以上、これは世界規模で取り組むべき課題です。

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途上国の貧困を削減できるという意見

労働者に過度な負担を与える搾取工場ですが、「貧困の削減に貢献している」という意見もあります。

イギリスのアダム・スミス研究所は「スウェットショップが途上国の貧困率を下げた。私たちは積極的に彼らの生産する服を着るべきだ」と主張しています。

しかし、スウェットショップが実際に貧困率を下げているかどうかについて正確なデータはなく、現在も議論が続いています。

ラナ・プラザ崩壊事故

ラナ・プラザ崩壊事故とは、2013年4月にバングラデシュで発生した、縫製工場を含む8階建ての商業ビルが崩壊した史上最大規模の労働災害のことです。

ラナ・プラザは欧米の大手ファッションブランドの商品を生産しており、低賃金・過酷な労働環境のもとで従業員を働かせていました。

前日に建物の亀裂が発見され、警察から立入禁止命令が出ていたにもかかわらず、工場側は製造を優先して労働者に出勤を強制しました。

被害は死者1,127人、行方不明者約500人、負傷者2,500人以上と甚大であり、世界中にスウェットショップ(搾取工場)の実態を知らしめる事故となりました。

この事故をきっかけに、ファッション業界でのサプライチェーンの透明性確保・労働環境改善が国際的に議論されるようになりました。

スウェットショップが生まれる3つの原因

スウェットショップ(搾取工場)が生まれる背景には、次の3つの原因があります。

  • 不十分な政権と労働保護法
  • 低い教育基準
  • ファストファッションの構造

不十分な政権と労働保護法

途上国の政府は十分な制度が整っておらず、汚職の発生も多いです。

そのような政府のもとでは労働者を十分に守ることができません。

そのため、安価な労働力を求める企業が容易に進出でき、搾取工場が生まれやすい環境が整ってしまいます。

低い教育基準

途上国では十分な教育を受けられていない労働者が多く、自分の権利を知りません。

権利を知らないために賃金や労働環境について交渉できず、劣悪な環境でも働き続けてしまうのです。

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ファストファッション

ファストファッションとは、流行に合わせて製造・販売サイクルを短縮し、低価格で衣類を大量供給するビジネスモデルのことです。

急速に変化する流行に対応し、コストを極限まで削減するために、途上国の安価な労働力が絶好の拠点となります。

「なぜこんなに安いのか」という問いの答えの一つが、スウェットショップ(搾取工場)での低コスト生産です。

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ファストファッションとスウェットショップの関係

ファストファッションとスウェットショップの関係とは、先進国の消費者の「安さへの需要」が途上国の搾取工場を経済的に支える構造のことです。

「安くて流行の服が買える」というメリットの裏側には、途上国の搾取工場での過酷な労働が存在します。

消費者が安さを求め続ける限り、ブランドはコストを下げる圧力にさらされ続け、それが搾取工場への委託生産につながります。

バングラデシュの縫製工場労働者の月収は中国の4分の1以下とも言われており、先進国の消費者の選択が途上国の労働者の生活を直接左右しているのです。

2013年のラナ・プラザ崩壊事故以降、「誰が・どこで・どのように作ったか」を問うファッションレボリューション運動が世界に広がっており、消費者の意識が少しずつ変化しています。

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スウェットショップが社会に与える3つの影響

スウェットショップ(搾取工場)が社会に与える影響は、児童労働・女性への被害・環境汚染の3つです。

「劣悪な職場」にとどまらず、地域社会全体・生態系にまで悪影響が広がっています。

児童労働

スウェットショップが引き起こす最も深刻な問題の一つが、児童労働です。

世界の約1億6,000万人の子どもが児童労働に従事していると、ILO(国際労働機関)とUNICEFが報告しています。

子どもは立場が弱く、大人に比べて低い賃金・劣悪な条件でも労働を受け入れてしまうため、搾取の対象になりやすい存在です。

参考:児童労働 (ILO駐日事務所)

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女性への影響

衣類産業では労働力の約80%を女性が占めているとされており、スウェットショップ(搾取工場)における女性への影響は特に深刻です。

セクハラ・パワハラが横行し、育休・産休制度も整備されていないケースが多く、妊娠を理由とした解雇も報告されています。

コロナ禍では女性労働者への解雇が集中的に行われるなど、搾取工場において女性の権利侵害は多岐にわたります。

環境汚染

スウェットショップが引き起こすもう一つの大きな影響が、環境汚染です。

途上国では環境規制が緩く、廃棄物を適切に処理せずに河川・土壌を汚染するケースが後を絶ちません。

衣服の製造には大量の水が使われるため、ファッション産業は世界で最も汚染の多い産業の一つとも言われています。

工場排水により魚が住めないほど川が汚染されている地域も実際に存在します。

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スウェットショップの問題に対して私たちができること

スウェットショップの問題は「知ること」から解決が始まります。

ここでは、今日から実践できることを4つ紹介します。

商品の背景を知る

購入する商品がどこで・誰によって作られているかを意識することが大切です。

特に、破格な価格で販売されている商品に対しては「なぜその値段が実現できるのか」という疑問を持ち、背景を調べてみましょう。

その商品を作った労働者の環境を知ったうえで購入するかどうかを判断することが、消費者としての責任ある行動です。

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フェアトレード商品を選ぶ

フェアトレードとは、途上国で生産された商品に対して適正な価格を支払い、生産者の権利・生活を守る仕組みのことです。

フェアトレード認証製品を選ぶことで、労働者の権利が守られ、児童労働の削減にもつながります。

最近ではオンラインや大型スーパーでもフェアトレード商品が入手しやすくなっており、日常の買い物から取り組めます。

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企業の倫理性を調べる

購入前に、そのブランドが労働環境や人権に配慮しているかどうかを調べることも有効です。

ブランドのウェブサイトやサステナビリティレポートで、サプライチェーンの透明性・労働者の権利方針・第三者認証の取得状況などを確認しましょう。

「Fashion Revolution」のファッションスコアカードなど、ブランドの透明性を評価する国際的なツールも活用できます。

サステナブルブランドを選ぶ

搾取工場(スウェットショップ)の問題に向き合い、公正な生産体制を実現しているサステナブルブランドを選ぶことも、問題解決に向けた有効なアクションです。

サステナブルブランドは価格が高めのことが多いですが、その価格が労働者の適正な賃金・安全な環境を守っていると考えれば、価値ある選択です。

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よくある質問

搾取工場(スウェットショップ)とは何ですか?

搾取工場(スウェットショップ)とは、労働者を低賃金・劣悪な環境・違法な労働条件のもとで働かせる工場のことです。

主に衣類・靴・電子機器などの製造業において、途上国を中心に世界各国で見られます。

米国労働省の定義では「2件以上の労働法規に違反している工場」とされており、強制労働・児童労働・長時間労働・ハラスメントなどが横行しています。

私たちが普段購入する「安い服」や日用品の製造過程に、搾取工場が関与している可能性があります。

消費者として「どこで・誰が・どんな環境で作ったのか」を意識することが、問題解決の第一歩です。

スウェットショップはなぜなくならないのですか?

スウェットショップ(搾取工場)がなくならない最大の理由は、先進国の消費者が「安さ」を求め続けることで、ブランドが生産コストを下げる圧力にさらされ続けているからです。

途上国では十分な労働保護法が整備されておらず、労働者も自分の権利を知らないために交渉力を持てないという構造的な問題もあります。

加えて、多国籍企業が下請け企業に製造を委託する複雑なサプライチェーンが、責任の所在を曖昧にしています。

解決には、消費者の行動変容・企業のサプライチェーン透明化・途上国の法整備・国際的な監視体制の強化が必要です。

スウェットショップはどの国に多いですか?

スウェットショップ(搾取工場)はバングラデシュ・カンボジア・ミャンマー・インドネシア・ベトナムなどの縫製産業が盛んな東南アジア・南アジアに多く見られます。

なかでもバングラデシュは2013年のラナ・プラザ崩壊事故で国際的に注目されましたが、現在も縫製業が主要産業であり、労働環境の改善は道半ばです。

一方で、ロサンゼルスやニューヨークなどの先進国にも搾取工場が存在することが米国労働省によって確認されており、先進国だけの問題ではありません。

スウェットショップは特定の国に限らず、地球規模で存在する課題です。

フェアトレードでスウェットショップの問題は解決できますか?

フェアトレードは、スウェットショップ(搾取工場)問題の解決に向けた有効な手段の一つです。

フェアトレード認証を取得した工場・農場では、適正賃金の支払い・安全な労働環境の確保・児童労働の禁止・民主的な組織運営が義務づけられています。

消費者がフェアトレード商品を選ぶことで、こうした基準を守る生産者への需要が高まり、市場全体の労働基準引き上げにもつながります。

ただし、フェアトレード認証を取得できている工場はまだ全体のごく一部にすぎないため、フェアトレードだけで問題が完全に解決するわけではなく、企業の自主的な取り組みと各国政府による規制強化も必要です。

まとめ

本記事では、スウェットショップ(搾取工場)の意味・原因・有名事例・私たちにできることを解説しました。

ラナ・プラザ崩壊事故に象徴されるように、搾取工場の問題はファストファッションの「安さ」を支える構造的な課題です。

「安い服を買う」という私たちの日常的な選択が、途上国の労働者の生活に直接影響しています。

まずは購入する商品の背景を知ることから始め、フェアトレード・サステナブルブランドの選択を通じて、公正な世界への一歩を踏み出しましょう。

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