NGOとNPOの違いを正確にご存じでしょうか?
NGOは「非政府組織」、NPOは「非営利組織」と訳されますが、いまいちイメージが湧きにくいはずです。
NGOの中には、国際協力NGOと名乗るNPO法人日本国際ボランティアセンターもあるため、一概にNGOとNPOは違うとも言い切れません。
さらに、実はあまり知られていませんが、NGOには大きく2種類のタイプがあり、しっかりと見極める必要があります。
この記事では、NGOとNPOの違いやNGOの種類、代表的なNGOをご紹介します。
目次
NGO(非政府組織)とは

NGO(非政府組織)とは、様々な国際的な社会課題に対して取り組む政府以外の民間組織です。
NGOは、Non-Governmental Organizationの略称で、非政府組織と訳されます。
もともとは、国連の会議で政府以外の関係組織を示すのに使われていた言葉が広まったものです。
NGOが取り組む課題は、環境問題や貧困問題、飢餓、紛争など多岐に渡ります。
その中でも国際協力に取り組む組織を国際NGO、環境問題に取り組む組織を環境NGOと呼びます。
NGOとNPOの違い

NPOとは
NPOは「Non Profit Organization」の略で、日本では「非営利組織」と呼ばれています。
様々な社会貢献活動を行う非営利組織ですが、事業等で利益を上げることは問題ありません。
ただし、出た利益はすべてNPO法人の活動資金にあてなければいけません。
国内で認証された全てのNPO数は50,484、さらに認定されたNPO数は1,263に上ります。
(2022年12月時点)
NGO法人はない
NPOとNGOの違いはなんでしょうか?
NPOはNPO法人と名乗ることができますが、NGOにはNGO法人という名称がありません。
そのため、多くのNGO団体は、NPO法人や一般社団法人、公益法人などの法人格を取得しています。
特に海外に本部のある組織の日本支部のNGOは、何かしらの法人格を持っていることが大半です。
NGOの中には、NPO法人格を取得する団体もあり、NPO=NGOとなるケースも少なくありません。
つまり、NPOとNGOには大きな違いはあまりなく、法人格の取り方の違いと言えます。
海外で活動する団体がNGO?
NPOとNGOの違いとして、活動場所の違いが挙げられることがあります。
海外で活動しているのがNGO、国内で活動しているのがNPOと言われることも多いですが、海外で活動していなくても、NGOと名乗る団体はあります。
次の「NGOの種類」で、詳しく見ていきましょう。
NGOの種類

NGOに明確な種類というのは存在しませんが、NGOは大きく2つのグループに分けられます。
海外の団体の場合
主にNGOと呼ばれる組織は、海外で活動する団体になります。
特に、海外に本部がある組織の日本支部は、NGOと呼ばれています。
そのため、国内のNPO法人よりも大きな規模の組織が多いです。
国内の任意団体の場合
国内の任意団体もNGOと名乗る場合があります。
上記の定義に当てはめれば、環境問題や貧困問題、飢餓、紛争に取り組む組織は、NGOと名乗っても問題ありません。
この場合は、海外の団体とは異なり、法人格を持っていないことが多く、信頼できる組織かしっかりと見極める必要があります。
つまり、日本国内でのNGOは、主に海外に本部を持つNGOと日本国内の任意団体が存在するのです。
NGO団体の具体例と活動内容

ここでは、NGOをいくつか紹介します。
グリーンピース・ジャパン
グリーンピース・ジャパンは、 環境保護と平和を実現するための社会システムの変革をめざし行動する、「国際環境NGOグリーンピース」の日本支部です。
世界55以上の国と地域で活動し、国内だけでは解決が難しい地球規模で起こる環境問題に世界で連携して解決に取り組んでいます。
WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)
WWFは、人類が自然と調和して生きられる未来を目指し、約100カ国で活動している環境保全NGOです。
WWFジャパンは、自然の中に人間が存在するという自然観を取り入れ、日本国内および日本が関係している国際的な問題に取り組んでいます。
日本国際ボランティアセンター
日本国際ボランティアセンターは、アジア・アフリカ・中東、そして東日本大震災の被災地で支援活動を行っている国際協力NGOです。
団体名は英文の「Japan International Volunteer Center」の頭文字を取った「JVC」の略称で表記されることが多いです。
JANIC
JANICは、国際協力NGOを支援するNGOです。
ネットワークをつくることで、NGO間、政府や企業、労働組合、自治体等との連携・協働を進め、NGOの力を最大化し、社会課題解決の促進を目指しています。
JICAからJANICへ、日本のNGO全体に関わる松尾さんの想いとは〜JANIC 松尾沢子さん〜
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
セーブ・ザ・チルドレンは、国連に公式に承認された、子どもたちのための民間の国際援助団体(NGO)です。
現在は、日本を含む29ヶ国の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で子ども支援活動を展開しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
NGOとは、様々な国際的な社会課題に対して取り組む政府以外の民間組織です。
NPOとNGOの違いについては、法人格の違いとなります。
そのため、NPO法人かつNGOという組織も存在します。
日本語訳にとらわれずに、NPOとNGOの違いをできたのではないでしょうか?
次回の記事もお楽しみに。