人権問題は、世界中で最も重要なテーマの一つです。
日本や世界ではさまざまな人権問題が発生しており、深刻な社会問題として取り組みが行われています。
本記事では、日本と世界のそれぞれの人権問題について詳しく解説します。
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目次
人権問題とは?
そもそも人権とは、すべての人間が尊厳に基づいて、生まれながらに持っている権利です。
たとえば、「こんな仕事をしたい」や「健康に生きたい」など、当たり前のことを当たり前にできるための権利です。
人権問題とは、このような人間が平等に生きることを妨げる問題のことを指し、現代の日本および世界ではさまざまな人権問題があります。
参照:法務省「人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について(答申)」
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日本にある人権問題一覧
ここでは、日本にある人権問題を紹介します。
女性の人権問題
日本では「女は家庭」や「これは女の仕事」など、昔ながらの考え方が残っており、このような考え方が女性の職業の選択肢を奪うことに繋がります。
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子どもの人権問題
児童虐待やいじめ問題、性的な商品化など、子どもに対する人権侵害が社会問題化しています。
子どもの人権問題は家庭内や学校内などの狭いコミュニティで発生することが多いため、自治体を中心に社会的に意識改革を行うことが必要です。
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高齢者の人権問題
少子高齢化が進んでいる日本では、介護生活を余儀なくされる高齢者も多いですが、その中で精神的・肉体的な暴力を受けたり、財産を侵害されるなどの問題が発生しています。
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障がい者の人権問題
障がいを持っているというだけで差別や偏見の目を向けられることで、社会活動が制限される問題があります。
アクセシビリティの欠如や雇用の機会不足などの課題もいまだあります。
出身地による人権問題
日本の歴史の中では出身地によって社会的・経済的に地位の低い地域もありましたが、その影響で今現在でも出身地による差別が問題視されています。
このような差別を「部落差別(同和問題)」といい、落書きやインターネット上への書き込みは深刻化しています。
外国人の人権問題
外国人の人権問題は、世界中で発生している深刻な問題です。
これらの問題は、移民、難民、留学生、労働者など、さまざまな背景を持つ外国人が直面する可能性があります。
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感染症による人権問題
HIV感染者やハンセン病など、日本ではさまざまな感染症が発症しています。
しかし、医学的・科学的な認識が世間に浸透していないことから、感染症から回復した人に対して偏見や差別が行われています。
刑期を終えて出所した人の人権問題
一度は犯罪を犯してしまいはしたものの、刑期を終えて出所した人や執行猶予判決を受けた人、保護観察処分になった人のなかで社会復帰したいと考えている場合、偏見や差別の目を向けられることから社会復帰が難しい現状があります。
インターネットでの人権問題
誰でも簡単にインターネットを使えるようになったことから、SNSや掲示板などで度を超えた誹謗中傷や悪意のある投稿によって多くの人の人権が侵害されています。
アイヌ人への人権問題
アイヌ人は日本とは異なる文化で生活していたこともあり、今でもアイヌ人への格差差別があります。
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世界にある人権問題一覧
ここからは、世界にある人権問題を紹介します。
黒人差別
白人が多いアメリカやヨーロッパでは、黒人というだけで人種差別を受けることが問題となっています。
アジア人差別
欧米諸国を中心にアジア系人種への差別行動や発言が問題となっています。
特に新型コロナウイルス感染症が広まった際は大きな問題となりました。
紛争による貧困
紛争地域に生まれた子どもや紛争地域となった地域に居住している人は、紛争の影響で貧困や性的被害など、多くの人権問題に直面しています。
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民族への差別
世界中には、先住民族や少数民族が数多く存在していますが、そのような民族に対しても差別意識は根強く残っています。
アルビノ狩り
アフリカ系の人種の多くは生まれながらに黒い肌ですが、先天性白皮症という病気によって身体の一部が白色(アルビノ)になってしまうことがあります。
このアルビノは魔除けや幸運をもたらすという迷信があるため、先天性白皮症の人が手足を切り落とされたり、殺害されるなどの被害を受けているのです。
LGBTQに対する差別
LGBTQとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとった言葉です。
このような性的少数者が差別されている現状があります。
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宗教による差別
世界にはさまざまな宗教を信仰している人がいますが、地域によっては宗教信条によって差別されたり、殺害されるなどの問題が発生しています。
児童労働
児童労働は、子どもたちが長時間、低賃金で、しばしば健康や教育の機会を奪う形で働かされる状況を指します。
世界的には、様々な産業で児童労働が見られ、特に開発途上国で顕著です。
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人身売買
世界では約4,960万人の人身取引が行われていると言われており、その半数近くがアジア地域で行われていると言われています。
参照:GLOBAL ESTIMATES OF MODERN SLAVERY
まとめ
この記事を通じて、私たちは日本と世界各地で発生している様々な人権問題について考察しました。
女性、子ども、高齢者、障がい者、特定の民族や性的指向を持つ人々など、多岐にわたる集団が直面している課題から、インターネット上での差別や人身売買といった現代特有の問題まで、人権侵害は多様な形で存在しています。
これらの問題に対処するためには、教育の向上、法律の改正、意識の変革、そして何よりも人々の間での連帯が必要です。
読者一人ひとりが人権問題に対する認識を深め、自分たちのコミュニティや社会全体での変化を促すための行動を起こすことが、より公正で平等な世界への第一歩となります。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。