※本記事は、株式会社ペーパル様からの情報提供で作成しております。

株式会社ペーパル(本社:奈良市、代表取締役:矢田武博)は、食べられなくなったお米をアップサイクルした紙素材「kome-kami」(コメカミ)を2021年に発売しましたが、2023年11月に化学薬品を米糊に代替した新しいkome-kamiを開発しました。パルプをつなげるために使われる化学薬品を、お米で作った糊「コメバインド」で代用することに成功し、CO2削減を実現しました。

●新kome-kamiの3つの特徴
1.お米で作った糊「コメバインド」を開発し、パルプをつなげる薬品の代替に成功。
2.お米の力を借りることで、CO2の発生を削減しました。
3.フードバンクに売上の1%を寄付し、食品ロスをなくして必要な方に巡る社会を目指します。

●お米の力で脱炭素を実現

廃棄される災害用備蓄食品の加工米や加工流通段階で排出されるお米などを活用することで、CO2の削減も実現しました。1ロット(5トン)の紙を製造する際に化学薬品をコメバインドに代えることで、約62.8kg(杉の木約7本分の年間吸収量)のCO2の排出を削減。お米を配合させることで約43.8kg(杉の木約5本分の年間吸収量)のCO2を排出せずに留めています。(※1)

CO2の削減CO2の削減

●コメバインド開発のきっかけと道のり

通常、紙の強度を高めるためには化学薬品が使われていて、パルプ同士の結びつきを強くしています。日本では古くからお米を接着材として使う文化があったため、パルプをつなげるための薬品に代替にできないかという発想から開発を始めました。

お米を水に溶かして加熱し、練り続けることで粘着性のある米糊ができます。お米の配合方法や加熱の仕方など、10か月以上かけて幾度となく試作を繰り返しました。その結果、最適な配合方法を発見することができ、これまでのkome-kamiと品質が変わらずに、代替できる品質の米糊「コメバインド」の開発に成功しました。

コメバインド製造工程コメバインド製造工程

●kome-kamiを通じて目指すこと

「CO2とフードロスを削減し、困りごとを抱える方をサポートする」新たな循環を広げる。

江戸時代には紙に米が使われていたなど、限られた資源を使いつくしていた文化(※2)がありましたが、この文化にならい、食べられなくなったお米をアップサイクルして価値を生み出します。その価値をフードバンクの活動に還元することで、食べられるものは必要とされる方に届く取り組みを大きくする。このような新しい循環の仕組みを創り、さらにこの支援の輪を広げたいと考えています。さらに、kome-kamiは古紙として回収でき、再生紙に使われるため資源として循環します。

kome-kamiで目指す支援の輪kome-kamiで目指す支援の輪

  • kome-kamiが解決したい社会課題について

●フードロス問題

現在、日本全体で年間523万トン(※3)にもおよぶフードロスが問題となっています。近年、企業や自治体が備蓄する災害用食品は増加していますが、利用しきれず食用では使えない状態のものも発生しています。また、加工や流通段階で食用として使えなくなってしまうものも多数発生しています。これらは、フードロス量の523万トンにカウントされてない数量となっています。フードバンクなどと連携したりして活用を模索していますが、全てが活用しきれるわけではありません。

●子供の貧困問題について

現在、日本の子どもの『10人に1人』が貧困問題に直面しています。(※4) フードバンクではこの問題を支援するため食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取って必要な方に配達する活動をしています。団体によっては申請者が増え続け、資金面での課題が出てきているケースもあるそうです。新規の申請が増える一方で寄付金は増えておりません。今後さらに申請が増えれば人手も寄付金も足りなくなります。このような想いを持って活動される方々を少しでも支援したいという想いでkome-kamiを通じて応援する仕組みを創りました。

令和4年 厚生労働省国民生活基礎調査の概況令和4年 厚生労働省国民生活基礎調査の概況

●食用以外でも求められる「お米の需要促進」

国内のお米の需要は年々減少しています。(※5) 食糧自給率の問題だけでなく、耕作放棄地や休耕田の観点からも、食用だけでなく工業用も含めたお米の需要を増やす必要が高まっています。

令和4年 農林水産省 米をめぐる参考資料令和4年 農林水産省 米をめぐる参考資料

●株式会社ペーパルについて
 1890年(明治23年)に奈良で創業して以来、133年に渡り紙の販売を通じて紙文化を支えています。2008年にFSC®/COCを取得して以来、「紙」という循環可能な素材を社会に提供し、脱プラスチックを視野に入れた素材の啓発活動を行うことで、SDGsへの取り組みを推進しています。SDGsの取り組みをさらに拡大させるため、2020年4月より、フードロス問題の解決を目指すための素材「フードロスペーパー」の開発を行うプロジェクトを行っており、これまで「kome-kami」や「クラフトビールペーパー」、「momi-kami コートボール紙」、「vegi-kami にんじん」を開発しました。また、脱炭素に貢献する紙ゼロCO2ペーパーも開発し、販売しています。


 【会社概要】    ペーパル本社ペーパル本社

会社名    :株式会社ペーパル  
所在地    :奈良県奈良市池田町76-7
代表者    :矢田 武博
資本金    :3,000万円
創業      :1890年(明治23年)
事業内容  :紙や紙製品の開発・販売
WEBサイト : http://www.pepal.co.jp/

 【URL】 
kome-kamiサイト:https://foodlosspaper.com/kome-kami
Xアカウント:https://twitter.com/kome_kami_paper
instagramアカウント:https://www.instagram.com/kome_kami_paper/
vegi-kamiにんじんサイト:https://foodlosspaper.com/vegi-kami
ZERO CO2 PAPER:https://zeroco2paper.com/

【参考文献・注釈】
※1 林野庁ウェブサイト
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html 
※2 編纂と文化財科学 東京大学史料編纂所研究紀要 第23号
https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/publication/kiyo/23/kiyo0023-07.pdf
※3 農林水産省ウェブサイト
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html
※4 厚生労働省 2022年国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
※5 農林水産省ウェブサイト 米をめぐる参考資料
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kikaku/attach/pdf/kome_siryou-82.pdf
※世界初について:当社調べ(2023年10月)。食用ではなくなったお米を粉砕してパルプに混ぜ、かつコメバインドを使うことで化学薬品を代替し、CO2の排出量を低減した印刷用の洋紙の事例について調査したところ、事例はありませんでした。