※本記事は、NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル様からの情報提供で作成しております。

海洋ごみ問題解決に向けて活動するNPO法人クリーンオーシャンアンサンブル(香川県小豆郡小豆島町、代表理事:江川裕基)と有限会社ランドベル(本社:広島県尾道市/岡山工場:岡山県笠岡市、代表取締役:藤川太一)は、当団体が回収する海洋ごみ(ビン・ガラス)の再資源化について協働を開始いたしました。

当団体メンバーによる有限会社ランドベルの岡山工場見学の様子(左前:藤川代表取締役、右前:江川代表理事、後左から:横田、大西、モハメド)

  • 海洋ごみ回収にかかる課題

海洋ごみは、生態系を含む海洋環境の悪化、漁業や観光への影響など、様々な問題を引き起こしており、世界全体で取り組むべき課題となっています。2022年の経済協力開発機構(OECD)の報告によると、2019年には170万トンのプラスチックごみが海洋に流出していたとされています。また、2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超え、2060年までには世界で排出されるプラスチックごみの量は約3倍となり、そのうちリサイクルされるプラスチックごみは5分の1以下になると予測されています。

当団体では、香川県小豆島の多尾海岸で毎月ビーチクリーン活動を行っています。2020年8月からこの活動を開始し、3年以上経った今、回収した海洋ごみの総重量は1,500キロを超え、多尾海岸にも多種多様な海洋ごみが海上・海底・海岸に存在していることが明らかになりました。これまで当団体が回収した海洋ごみの内訳は、廃プラスチック類が非常に大きな割合を占めており、次いで金属、ビン・ガラスなどとなっています。今回、当団体と有限会社ランドベルが協働で再資源化を進めていくビン・ガラスは、廃プラスチック類と比較すると重量ではあまり多くはありませんが、ビン・ガラスが自然界で分解されるために必要な期間は100万年以上と言われており、決して見過ごすことのできない海洋ごみの一つです。また、ビン・ガラスは波にもまれて角の取れた小さな破片と細かくなり、近年では「シーグラス/ビーチグラス」と呼ばれ、アクセサリーなどで再利用されることもありますが、その再利用量はごくわずかであり、より効果的な再資源化が望まれています。

出典:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル

多尾海岸に漂着した多種多様な海洋ごみ

  • 有限会社ランドベルとは

有限会社ランドベルは、2006年4月に設立し、産業廃棄物の収集運搬・コンサルタントを主な事業として成長を続け、2016年12月に岡山工場を建設し、廃ガラスの再資源化に取り組む企業です。同社の廃ガラス再資源化プラントでは、全自動で「スーパーソル」と呼ばれる人工軽石を製造しています(有限会社ランドベルホームページ:http://www.landbell.jp/index.html)。

  • 「スーパーソル」とは

廃ガラスを粉砕、焼成発泡させることで生まれた人工の多孔質軽量発泡資材である「スーパーソル」は、地球にやさしい土壌還元型資材であり、透水性・保水性に優れ、耐火性を兼ね備えている人工軽石です。 また、製造工程において、用途に合わせ比重・吸水率を自由にコントロールすることにより、緑化・断熱・園芸・水質浄化・建築・土木など、多くの用途で活用でき、資源循環型社会構築において必要不可欠な高い付加価値をもつ製品です(引用:有限会社ランドベルホームページ)。

加えて、足で踏むと音が出る防犯砂利としての機能を持ち合わせており、個人宅などの防犯にも役立っています。また、水質浄化や脱臭などの効果もあることから、避難所に指定される小学校などに浄化装置として設置されているほか、世界の水質汚染地域での活用も期待されています。

「スーパーソル」は、原料となるビン・ガラスを粒状に破砕した後、粉末状になるまでさらに破砕します。粒度分別装置によって均一なガラスの粉を取り出し、それぞれ発泡添加剤と混合・攪拌後、焼却炉で熱を加えることでスーパーソルができあがります。

「スーパーソル」の製造工程
出典:有限会社ランドベルパンフレット, http://www.landbell.jp/images/pdf/eco.pdf(参照 2023年12月01日)

  • 今後の展開

当団体では毎月香川県小豆島の多尾海岸にてビーチクリーン活動を実施しており、その中で回収されたビン・ガラスを有限会社ランドベルへ輸送し、「スーパーソル」という環境にやさしい製品として皆さまのもとへお届けしたいと考えております。一般的に、海洋ごみは漂流中に様々な生物や汚れ、海水の塩分などが付着しますが、再資源化するためにはこれらを取り除く必要があるため、技術的にも財政的にも再資源化は困難であると言われています。一方、「スーパーソル」では、ある程度洗浄されたビン・ガラスであれば、色や形を問わずに再資源化することが可能です。製造された「スーパーソル」は、ホームセンターなどで販売されていますので、ぜひご購入をご検討いただけますと幸いです。

また、ビーチクリーン活動を通してより多くの海洋ごみの再資源化量を増加していくため、皆さまのご参加を随時募集しております。ご不明点などございましたら、当団体のお問い合わせフォーム、もしくは各種SNS(https://lit.link/cleanoceanensemble)よりお問い合わせください。

  • マンスリーサポーター/一緒に活動していただける仲間を募集中!

海洋ごみは、生態系を含む海洋環境の悪化、漁業や観光への影響など、様々な問題を引き起こしており、世界全体で取り組むべき課題となっています。2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超え、2060年までには世界で排出されるプラスチックごみの量は約3倍となり、そのうちリサイクルされるプラスチックごみは5分の1以下になると予測されています。

この危機を乗り越え、海洋ごみゼロの世界を実現し、きれいな海を未来の世代に残したい。そのためには皆さまのご支援・ご協力が不可欠です。どうぞよろしくお願いいたします。

▼ご支援方法
(1) ウェブサイトから寄付する(クレジット決済・銀行振込)
https://cleanoceanensemble.com/donate/
(2) ボランティア/プロボノとして参画する
https://cleanoceanensemble.com/volunteer/

組織概要
・名称:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル(NGO Clean Ocean Ensemble)
・住所:香川県小豆郡小豆島町坂手甲985番地
・設立:2020年12月
・代表理事:江川 裕基
・主な活動国:日本、モザンビーク、ベトナム
・公式サイト:https://cleanoceanensemble.com/
団体の名前は、Clean(綺麗な)Ocean(海を)Ensemble(より多くの人と一緒に)というメッセージを込めています。

情報元サイト:PR TIMES
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