2025年7月のCOCOCOLOREARTHには、
・日本初となる「海洋インパクト評価」の事例公開と特設サイト開設
・自治体の一般廃棄物から未利用金属を回収する、公民連携の資源循環プロジェクト
・グローバルビジネスに不可欠な「ダイバーシティ&インクルージョン」英語教材のリリース
・アフリカ14カ国のビジネス・社会情報を整理した「国別プロフィール」の公開
・不登校の親を支える人気記事12本を、夏休み限定で無料公開する企画
など、「海」「ごみ」「多様性」「国際協力」「教育・居場所」といったテーマで、ソーシャルグッドなニュースが集まりました。
本記事では、2025年7月にCOCOCOLOREARTHで紹介したプレスリリースをダイジェストでご紹介します。
目次
◆今月のトピックサマリー
・国際フレームワーク「Ocean Impact Navigator(OIN)」を用いた日本初の海洋インパクト評価と、海の日の特設サイト公開
・那須塩原市と民間企業が連携し、破砕残さ物から未利用金属を高度選別・再資源化する実証事業
・世界文化多様性デーに合わせて公開された、英語で学ぶ「ダイバーシティ&インクルージョン」教材
・アフリカ14カ国の政治・経済・ビジネス環境を整理した「国別プロフィール」シリーズ
・不登校経験者のインタビューなど、親の不安に寄り添う記事を夏休み限定で無料公開する「不登校オンライン」の特別企画
◆海の日に公開、日本初の「海洋インパクト評価」事例
UMITO Partners×笹川平和財団 海洋政策研究所×SIIF
※本記事は、株式会社UMITO Partners様からの情報提供で作成しております。
「ウミとヒトのポジティブな関係をつくる」を掲げる株式会社UMITO Partnersは、笹川平和財団 海洋政策研究所(OPRI)が海の日の2025年7月21日に開設した特設サイトに先立ち、国際フレームワーク「Ocean Impact Navigator(OIN)」を用いた、日本初の海洋インパクト評価事例を発表しました。
OINは、国連海洋会議で発表された海洋インパクト評価の国際的な枠組みで、海洋環境へのポジティブなインパクトを定量・定性的に可視化するための指標セットです。今回の取り組みでは、以下の4社の海洋スタートアップを対象に評価が実施されました。
・株式会社北三陸ファクトリー(藻場再生・ウニなど地域水産資源の利活用)
・合同会社シーベジタブル(海藻の種苗生産・養殖・販売)
・株式会社ARK(小型・分散型陸上養殖システムで海への負荷低減)
・株式会社ジーオー・ファーム(完全陸上養殖によるカキ生産)
評価結果の概要は、アジア開発銀行研究所などが共催する国際会議でも発表され、ブルーインパクトファイナンスに関心をもつ投資家・政策担当者から注目を集めています。
今後は、日本語版OIN資料や評価事例が特設サイトで順次公開される予定で、「海のネイチャーポジティブ」を測り、投資や事業の意思決定につなげる基盤づくりが進んでいきます。
◆自治体の破砕残さ物から未利用金属を回収
那須塩原市×リバー株式会社の公民連携リサイクル実証事業
※本記事は、リバー株式会社様からの情報提供で作成しております。
リバー株式会社は、那須塩原市との公民連携により、市の一般廃棄物処理施設「那須塩原クリーンセンター」で発生する不燃ごみ・不燃系粗大ごみ由来の破砕残さ物から、未利用金属等を回収・再資源化する実証事業を開始しました。
破砕残さ物にはアルミニウム・銅・ステンレスなどの非鉄金属とプラスチックが混在していますが、これまでは分別困難なため埋立処分されてきました。本事業では、リバー那須事業所の高度選別技術を活用して、残さ物から金属類を抽出し、資源として活かすスキームを検証します。
実証のポイントは以下の通りです。
・実証期間:2025年8月〜2026年3月(結果を踏まえ次年度以降の継続を検討)
・場所:那須塩原クリーンセンター
・連携:施設管理者のJFEエンジニアリング株式会社とも連携
・期待される効果:最終処分場への埋立量と処分費の削減、未利用金属の再資源化、近隣自治体への水平展開
本事業は、環境省「地域の資源循環促進支援事業(循環型ビジネスモデル実証事業)」にも採択されており、自治体と民間企業が協働して「ごみ」を資源に変えるモデルケースとして、今後の展開が期待されています。
◆英語で学ぶ「ダイバーシティ&インクルージョン」
ビズメイツが世界文化多様性デーに合わせて新教材を公開
※本記事は、ビズメイツ株式会社様からの情報提供で作成しております。
ビジネス特化型オンライン英会話「Bizmates」を提供するビズメイツ株式会社は、5月21日の「対話と発展のための世界文化多様性デー」に合わせ、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をテーマにした新教材を公開しました。
今回刷新された教材は、中上級者向けカリキュラムの一部として、「インクルーシブな文化」をメイントピックに据えた内容になっています。扱うテーマは、
・インクルーシブな文化とリーダーシップ
・多様な働き方
・障がい者のためのインクルーシブな制度
・育児休暇制度
・ニューロダイバーシティ
・ジェンダーの多様性
・愛国心とグローバル化
など、多様性をめぐる現代的な論点が網羅されています。
講師とのディスカッションを通じて、英語で「違いを尊重しながら協働する」姿勢や表現を身につけられる点が特徴で、企業のD&I推進やグローバル人材育成の一環としても活用できる教材となっています。ビズメイツ自身も多国籍なメンバー構成と多様性を尊重する社内文化を持つことから、教材開発には現場のリアリティが反映されています。
◆アフリカ14カ国の「国別プロフィール」を公開中
現地ネットワークと連携し、日本企業の最初の一歩を後押し
※本記事は、株式会社アクセルアフリカ様からの情報提供で作成しております。
株式会社アクセルアフリカは、アフリカへの事業展開を検討する日本企業向けに、各国のビジネス・経済・社会の基本情報をまとめた「国別プロフィール」を順次公開しています。2025年7月25日時点で、14カ国分の国概況レポート(第1部)が公開されました。
公開されている国は、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、エチオピア、ガーナ、エジプト、モロッコなど14カ国。各レポートは、
・国概況(地理、政治体制、人口など)
・経済概況(主要産業、経済指標、貿易・投資状況)
・ビジネス環境(制度、スタートアップ動向、外資参入状況など)
という3部構成で整理されており、現在は第1部を中心に公開、今後第2部・第3部も順次追加される予定です。
情報収集にあたっては、アフリカ出身のABEイニシアティブ卒業生ネットワーク「カケハシアフリカ」と連携し、「現地の声」と専門的な分析を組み合わせたレポートとなっている点が特徴です。日本からアフリカ市場を見る際の「入り口」として、多くの企業にとって有用な情報基盤になっていきそうです。
◆不登校の親に向けて、人気記事12本を夏休み限定無料公開
「不登校オンライン」が特別企画を実施
※本記事は、株式会社キズキ様からの情報提供で作成しております。
不登校の子どもを持つ保護者向けウェブメディア「不登校オンライン」は、通常は有料会員向けに公開している人気記事の中から12本を厳選し、夏休み限定で無料公開する特別企画を実施しています。
・公開期間:2025年7月15日(月)〜7月31日(水)の平日(1日1本ずつ掲載)
・閲覧可能期間:2025年8月31日(土)まで
・対象記事:不登校の心理、親子関係、勉強・進路、居場所づくりなどを扱う人気記事12本
・閲覧方法:申込フォームからメールアドレスを登録し、送付されるURLとパスワードで閲覧
特に第8弾の記事では、高校入学直後に不登校となり中退、その後5年以上のひきこもりを経験した岡田和哉さん(仮名)のストーリーが取り上げられています。本人が「居場所」と出会い、自信と希望を取り戻していく過程や、親との関わり方について語る内容で、「子どもの力を信じて、将来への希望を一緒に見てほしい」というメッセージが印象的です。
「夏休みはちょっとホッとできるけれど、明けてからが不安」という保護者の気持ちに寄り添い、毎日少しずつ読み進められる構成になっている点も、この企画ならではの特徴です。
◆編集部から:2025年7月を振り返って
2025年7月のニュースを振り返ると、
・海洋スタートアップのインパクトを国際基準で可視化し、「海のネイチャーポジティブ」を推進する取り組み
・自治体のごみ処理の現場から、未利用金属を資源として取り戻す公民連携プロジェクト
・多様性と包摂を、英語学習とビジネススキルの両面から育てていく企業の挑戦
・アフリカ各国のリアルな情報を、日本企業の「最初の一歩」につなげる国別レポート
・不登校の親が一人で抱え込みすぎないよう、夏のタイミングに合わせて情報とストーリーを届ける試み
など、「見えづらかったものを可視化し、次の行動につなげる」動きが共通しているように感じます。
海の状態、埋立ごみの中身、職場の多様性、海外のビジネス環境、子どもや親の心の動き——それぞれを丁寧に言語化・数値化し、共有することで、社会の変化に向けた具体的な一歩が見えてきます。
読者のみなさんにとっても、
・海やごみ、D&Iなど、気になったテーマのニュースをもう一度深掘りしてみる
・アフリカや不登校支援など、「自分の今」と少し距離のあるテーマに、あえて触れてみる
といったところから、新しい視点や行動のきっかけが生まれるかもしれません。
※本記事で紹介したニュースは、各プレスリリースおよび公式情報をもとに、COCOCOLOREARTH編集部が再構成しています。
参考記事
海の日にOIN特設サイトが公開、日本初の海洋インパクト評価事例を発表!UMITO Partners、国内4社の海洋スタートアップに対しOIN評価を実施
公民連携で自治体の破砕残さ物から金属回収・再資源化を推進 那須事業所 高度選別で那須塩原市の一般廃棄物のリサイクル実証事業を開始
ビズメイツ、世界文化多様性デーに合わせ 「ダイバーシティ&インクルージョン」教材をリリース
アフリカの国別プロフィールを順次公開中!14カ国の情報を発信中!
【不登校の親向け記事を特別無料公開】高校中退から5年以上引きこもった男性が、「居場所」と出会って自信と希望を持てた理由

この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
