カーボンプライシングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

あまり気覚えのない言葉かもしれません。

カーボン・プライシングとは、炭素に価格を付けることです。

代表的な制度としては、炭素税や排出量取引制度などがあります。

この記事では、カーボンプライシングの代表的な制度やメリット・デメリットを解説しています。

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カーボンプライシングとは

カーボン・プライシングとは、炭素に価格を付けることです。

地球温暖化の原因の1つであるCO2の排出を抑えるため、排出される炭素に価格を付け、排出量の減少を見込んでいます。

炭素に価格が付くことで、CO2を排出する業者は排出を減らすか、輩出した分の対価を支払う必要があります。

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代表的な制度

炭素税

炭素税は、石油や石炭などの化石燃料の燃焼により排出されるCO2に課税し、その排出量に応じた金額を税として支払う仕組みです。

日本は2012年から炭素税の導入を始めています。

海外に目を向けると、欧州諸国の多くが炭素税(環境税)を導入しています。

導入国一覧

導入年 導入国
1990年 フィンランド・オランダ
1991年 スウェーデン・ノルウェー
1992年 デンマーク
1999年 ドイツ・イタリア
2001年 英国
2008年 スイス
2010年 アイルランド
2012年 日本
2014年 フランス、メキシコ
2015年 ポルトガル、韓国
2017年 チリ

参考:https://www.env.go.jp/policy/tax/misc_jokyo/attach/intro_situation.pdf
https://www.env.go.jp/press/conf_cp-01/mat06.pdf

排出量取引制度 

排出量取引とは、企業ごとにCO2排出枠が設定され、その枠内にCO2の排出を抑える制度です。

また、CO2排出枠内に収まらない場合は、他事業者や国から枠を購入する必要があります。

日本では、経済産業省・環境省・農林水産省が「J-クレジット制度」を導入しています。

炭素国境調整措置

炭素国境調整措置は、輸入品に対して、その製品が作られた際に排出されたCO2の量に応じて課税するものです。

しかし、炭素排出量の計測などの技術的課題や、WTOルール の観点からの課題が指摘されており、実際に導入している国・地域はありません。


カーボンプライシングのメリットとデメリット

メリットは、CO2排出削減効果

スウェーデンの効果を例に挙げます。

炭素税導入後、一次エネルギー供給に占める水力を除く再エネの比率が拡大(2015年には水力の約3倍)。

さらに、スウェーデン環境庁は、1995年のCO2排出量について、税制改革を実施しなかった場合(1990年当時の政策がそのまま続けられていた場合を仮定)と比べると約15%減少されたと公表しています。

参考:https://www.env.go.jp/press/conf_cp-01/mat06.pdf

デメリットは、経済への影響

カーボンプライシングにより2つの影響が考えられます。

1つ目は、ものづくり大国である日本経済に打撃を与えてしまう点です。

環境省が定期的に行っている「カーボンプライシングのあり方に関する検討会」を行っており、その中では経済に悪影響を与えるとの声も上がっています。

2つ目は、企業の生産拠点を日本から炭素税の安い海外へ移してしまう「産業空洞化」につながることが懸念されています。

現状の炭素税ではそこまで大きな動きはありませんが、今後価格の上昇などがあればそれも考えられます。

さらに、日本では減っても他の地域でのCO2排出が増えて、地球全体の排出量はむしろ増えてしまう「カーボンリーケージ」が発生する可能性も高いです。


さいごに

いかがでしたでしょうか?

カーボン・プライシングとは、炭素に価格を付けることです。

日本でも導入が進んでおり、賛否両論あります。

あなたはどのように感じましたでしょうか?

ぜひあなたの意見を発信してみてください。

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ライタープロフィール

COCOCOLOR EARTH代表 吉田 宏輝(よしだ こうき)
「ボランティアを職業にする」というビジョンをもとに活動中
個人ブログ:ボランティアを職業にする人.com
Twitter:ボランティアを職業にする人