国際協力を仕事にしようと思っても、色々な選択肢があって、キャリアが見えない。。。
こんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
ココカラアースでは約100人の社会活動家にインタビューをしてきました。
インタビューを通して見えてきた国際協力のキャリアについて、6名の具体的なロールモデルのキャリアと共にお伝えできればと思います。
*今回紹介するキャリアはあくまでも一例であり、紹介しきれていないキャリアもたくさんあります。
≫国際協力とは?15の問題と日本の取り組み、キャリアについて簡単に解説!
目次
国際機関のキャリアロードマップ
国際機関とは、世界の課題解決のために国際社会全体をリードする機関で、国家間の条約によって設立される国際法上の組織です。
一般的には大学卒業後すぐに国際機関に携われる例は少ないです。
もちろん、各機関やその機関でのポジションによって違いはあますが、多くの場合に大学院修士などの条件が必要になります。
つまり即戦力になることが求められます。
キャリアのロールモデル
大学でBOPビジネス&ICT4Dについて勉強。米国Bellevue大学1年留学。
新卒でICT企業で法人営業。
その後、アフリカの現場をみたいと、海外協力隊としてマラウイでコミュニティ開発として活動。
現地の方60人と炭ビジネスを構築。
その後は経験をアカデミックから見直すため、英国サセックス大学IDS Globalisation, Business and Developmentにて修士取得。ICT4D×アフリカ×農業について研究。
2ヶ月WASSHA株式会社にてインターン。
現在は国際協力機構(JICA)に所属。
国際協力に関係する国際連合の機関一覧
国際貿易センター(ITC)
国連合同エイズ計画(UNAIDS)
国連貿易開発会議(UNCTAD)
国連開発計画(UNDP)国連資本開発基金(UNCDF)
国連ボランティア計画(UNV)
国連環境計画(UNEP)
国連人口基金(UNFPA)
国連人間居住計画(UN-Habitat)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
国連児童基金(UNICEF)
国連国際防災戦略事務局
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
国際連合大学(UNU)
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN-Women)
世界食糧計画(WFP)
専門機関及び関連機関
国連食糧農業機関(FAO)
国際農業開発基金(IFAD)
国際労働機関(ILO)
国際通貨基金(IMF)
世界貿易機関(WTO)
独立行政法人国際協力機構(JICA)
日本貿易振興機構(JETRO)
国際協力銀行(JBIC)
国連基金および計画、調査訓練機関、その他の機関 | 国連広報センター (unic.or.jp)
記載されていない国際協力に取り組む機関は、ほかにもたくさんあります。
国際機関を目指すための制度
国際機関で正規職員で働くために利用できる制度として2つの制度を紹介します。
YPPは、採用試験と専門的能力開発プログラムのプロセスを経ることによって国際機関の職員の第一歩を踏むことができます。
JPO 派遣制度は、将来的に国際機関で正規職員として勤務することを志望する若手邦人を対象に外務省が実施している制度です。
参考資料
国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)への応募|外務省 国際機関人事センター (mofa-irc.go.jp)
国連職員採用-YPP- | 国連広報センター (unic.or.jp)
JPO派遣制度 | 外務省 国際機関人事センター (mofa-irc.go.jp)
民間企業のキャリアロードマップ
民間起業のキャリアでは、社会的企業とCSR部門で働くという2つのキャリアを紹介します。
社会的企業はソーシャルビジネスとも呼ばれており、新卒で国際協力に携わることも可能です。
一方のCSRとは企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任のことで、「corporate social responsibility(企業の社会的責任)」の頭文字をとって「CSR」と呼びます。
CSR部門は、中途採用がほとんどのため新卒でCSR担当になることはかなり稀です。
キャリアのロールモデル(社会的企業)
幼少期に当時途上国と言われていたタイを訪れ、高層ビルの近くで物乞いをする人々を見て世界の広さを実感。
高校3年生の時に東日本大震災を経験し、自らが立ち上げた学生団体で募金活動を実施し300万円の募金を集めたことをきっかけに、自らのアクションを通して世界を変えていけることを感じ、国際協力を仕事にすることを決意。
大学時代には、工学の観点から途上国のインフラに関する研究を、大学院時代にはインフラではカバーできない途上国の人々の生活やコミュニティのもつ災害への対応力に関して研究。
社会課題のために、命を燃やす社会起業家の力になりたい、これからの社会、世界を担う若い世代の教育に関わりたいという思いで認定NPO法人very50に就職。
また、自らが国際協力の実行者として、国際社会の闇となっているシリア危機の問題を解決するため、NPO法人Stand with Syria Japan理事として活動中。
国際協力に関われる企業の例
・株式会社ボーダレス・ジャパンマザーハウス
・株式会社ユーグレナ
・サラヤ株式会社
・日本工営株式会社
・アイ・シー・ネット株式会社
・株式会社JIN 等
参考資料
事例 | 事例・参考情報 – 民間連携事業 (jica.go.jp)
DRIVEキャリア
JICA Partner
≫開発コンサルに取り組む企業10選!就職・転職におすすめの大企業からベンチャー
起業家のキャリアロードマップ
起業をして国際協力をすることも可能です。
リスクが伴う分、直接的な支援や関わり方をすることができます。
起業家にはアントレプレナーとイントレプレナーがいます。
それぞれのロードマップを解説していきます。
※イントレプレナーとは、社内起業家と呼ばれており、社内で起業する人です。
イントレプレナーとアントレプレナーの違い
イントレプレナー | アントレプレナー | |
リスク | 低い | 高い |
自由度 | 低い | 高い |
事業拡大 | 早い | 遅い |
資産 | 多い | 少ない |
資金 | 多い | 少ない |
意思決定 | 遅い | 早い |
起業家のロールモデル(アントレプレナー)
株式会社Universal Trade Japan 代表取締役。
中学生の頃に世界を飛び回る事業をしたいという夢を持ち、大学生の時に先輩が学生向けの事業で起業し、役員になる。
そのキッカケで今後はサラリーマンとしてではなく、自分で商売がしたいと思う。
オシャレな物が好きだったため、アパレルで起業したいと思い、まずは3年間アパレルの企業で就職しその後独立する。
そして中国を拠点に生産をする中で、環境問題に興味を持つようになる
起業家のロールモデル(イントレプレナー)
1992年生まれ。岐阜県出身。都留文科大学卒業。
学生時代にインド現地企業・NGO、フィリピンの社会的企業でインターン。
2016年パーソルキャリア株式会社入社。
約2年半、人材紹介事業で法人向けの採用コンサルティングに従事。
退職後、ボーダレスジャパンに入社し、2019年7月より事業立ち上げのためインド渡航。
イントレプレナーを目指せる社会的企業の例
https://www.borderless-japan.com/
NPO・NGOのキャリアロードマップ
NPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)は営利を目的とせず、社会的な課題を解決するためにその利益を使う組織です。
国内で認証された全てのNPO数は50810、さらに認定されたNPO数は1210に上ります。(2021年6月時点)
NPOは資金が限られているため、新卒から入社できる組織は限られています。
企業や国際機関やJICAなどで経験を積んだ人が転職することが多い傾向にあります。
参考資料:認証・認定数の遷移 | NPOホームページ (npo-homepage.go.jp)
≫NGOとは?NPOとの違いや知られていない2つの種類、代表的な団体を紹介
NPO・NGOのロールモデル
山形大学人文学部人間文化学科 国際文化学コース卒業。
アクセプト・インターナショナル広報・ファンドレイジング局長。
大手ITコンサルタント企業にてコンサルタント、新規事業開拓を担当。
前職の国際協力機構(JICA)ではラオス・カンボジアの保健・教育・平和構築分野などを担当し、ラオス国立大学工学部の無償事業の立ち上げなどを行う。
テロ・紛争解決分野へ従事したいという強い思いから、2020年4月より現職。
新卒採用しているNPOの例
一般社団法人ボランティアプラットフォーム
https://volunteer-platform.org/
特定非営利活動法人 ARUN Seed
https://arunseed.jp/
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
https://hrn.or.jp/
新卒採用しているNPOを探せるサイト
activo
https://activo.jp/
DRIVEキャリア
https://drive.media/career
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は4つのパターンでキャリアロードマップを紹介しました。
民間企業のキャリアロードマップ
起業家のキャリアロードマップ
NPO・NGOのキャリアロードマップ
今回の記事が少しでも、あなたのキャリアを考える上で参考になれば幸いです。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。