ネガティブなことは最小化して、ポジティブなことは最大化

ーーー大切にしている考えや価値観があれば教えてください。

抽象的ですが、ネガティブを抑えつつ、社会に良いインパクトを与えられる人財になりたいです。

これは、近年、注目を集めているポジティブインパクト投資というものに近い考え方かもしれません。

ネガティブなことは最小化して、ポジティブなことは最大化するイメージですね。

また、個人的な意見ですが、社会課題の解決には、絶対的な「解」は無いように感じていますが、特定の条件を設けることで、その枠組みに中における最適解は考えられると思っています。

一例を挙げると、「皆にとって良い環境とは何か?」という問いに答えることは、なかなか難しいですが、

「現在世代だけでなく、2100年の将来世代にわたって自然環境を保全する施策としては、どんな方法が考えられるか」

という問いには、いくつか仮説を立てられるかと思います。

私の場合、この最適解を考える際に「環境政策」を学ぶことが大事なのではという想いがあり、環境政策を専攻しました。


「良い」経済活動の必要性を感じて民間企業へ

ーーーファーストキャリアはどのように決めましたか?

環境問題という複雑な問題の解決には、政府、環境NGO・NPO、企業等の様々なアクターの協力が必要不可欠であると学問を通じて学びました。

実際に、官公庁、NPO・NGO・企業という3つのセクターでのインターンを通じて、どのセクターも素晴らしい活動を行っており、大変意義のある仕事をされていると身をもって経験できました。

その中で、私はファーストキャリアとして企業を選択しました。

その根底には、社会に対してインパクトを与えるためには、「良い」経済活動が必要不可欠で、それを促進する一助になりたいという想いがあったからです。

ーーーどうしてそのような考えに至ったのですか?

インターンで参加させていただいていた私にとっての「良い」活動が日本のメディアでは、ほとんど報じられていなかったことが要因の一つです。

広く多くの方に興味を持っていただくためには、良い経済活動が必要だと感じたことを覚えています。

また、経済活動を学ぶには、どんな営利組織でも「経営」の視点が必要と思い、経営コンサルティング業界で働きたいと考えました。

その中でも意思決定者である経営者と比較的近い環境で働ける点に魅力を感じ、2016年に船井総合研究所に環境ビジネスに携わる目的で入社しました。

ーーー当時、就活で大切にしていた軸はありますか?

社会に対して大きなインパクトを与えるという軸を大事にしていました。

また、学んだ環境学の知見を可能な限り活かす事のできる職業を探しました。

ーーー船井総合研究所では環境ビジネスに関わることはできましたか?

面接時にも、強く環境分野で働きたいと伝えていたため、幸いなことに意思を尊重していただけました。

メインで担当していた業界は、再エネ、静脈産業(産業廃棄物)、建設業などでしたが、入社1年目は様々な経験を積む目的でローテーション制度があり、士業(弁護士)や運輸交通業界など他の業界にも携わることもありましたね。


ESG投資に深く携わるために転職を

ーーーその後、転職を決めた背景を教えてください。

大きな要因は、国際的な潮流であるESG投資やSDGsといった概念が広まり始め、その概念に触れられる環境に身を置きたかったことが理由です。

当然、船井総合研究所には大変お世話になりましたが、よりグローバルな視点で物事を考えたいという想いから転職を決意しました。

ーーー新卒で就職をした時から転職は視野に入れていましたか?

特に考えてはいなく、むしろ定年まで、勤め上げることも考えていました。笑

ただ、何が起こるか想定が難しい現代社会において、自分がやりたいことができた時にチャレンジできるような能力を身につけることは意識して仕事に取り組んでいました。

ーーー転職の際は、どのような軸がありましたか?

大きな軸は、広く環境問題(とりわけ気候変動問題)に携われる仕事という軸でした。

その他にも、一緒に働く人や労働環境、労働時間、グローバルな視点等の項目を考慮し、それらの項目に対して重みづけをして意思決定していましたね。

特に、一緒に働く人は変えることができないので比較的意識していました。

CSRデザインとの出会いは、本当に偶然の要素が大きかったのでラッキーでした。

他にも、外資系の経営・会計コンサルティングファームも候補としてはありました。