今回は、CSRデザイン環境投資顧問株式会社で働く宮澤 大喜さんにインタビューさせていたただきました。

学生時代は、①官公庁②NPO/NGO③企業 という3つのセクターでのインターンを行っていた宮澤さん。

3つのセクターの経験を通して、形成した環境問題を軸としたキャリアを伺いました。

また、今話題となっているESGに関するお仕事とはいったいどのようなものなのでしょうか?

プロフィール
宮澤 大喜(みやざわ だいき)

CSRデザイン環境投資顧問(株)シニアコンサルタント
2016年京都大学地球環境学舎修士課程修了(地球環境修士)。
在学中、分野横断型の産学連携プログラムを活用して行った国際NGO、環境NPOでのインターンを通じてCBD-COP12(生物多様性条約第12回締約国会議)や地方自治体のエネルギー政策決定過程等に参加。
そこでの経験から環境配慮、経済性を両立させる「環境ビジネス」の必要性を感じ、経営コンサルティング会社の船井総合研究所に入社。
建設業、静脈産業、士業(弁護士)のクライアントに対するコンサルティングに従事した後、現職のCSRデザイン環境投資顧問に入社。
現在は、J-REIT、私募リート、私募ファンド、デベロッパー、インフラファンド向けに海外機関投資家が求めるサステナビリティ調査「GRESB」への参加サポート・評価向上に向けたコンサルティングに従事している。

現在のお仕事について

ーーー 現在はどんな活動をされていますか? 

CSRデザイン環境投資顧問株式会社にて、不動産会社・※J-REIT・インフラファンド向けの海外機関投資家が求めるサステナビリティ調査「GRESB」の参加支援、評価向上コンサルティングをメインにお仕事をさせていただいていおります。

具体的には、企業やファンド等の組織が投資家からの要請に応える目的で参加する、サステナビリティ調査「GRESB」のスコアを高めるサポートをしています。

一例を挙げると、組織が保有する物件において高効率設備の導入する(LEDを導入する等)、再生可能エネルギーを導入する等の施策をすると評価され、GRESBにおける得点が向上します。

また、近年では、サステナビリティに関する国際的な潮流を背景に※ESG投資に注目が集まっているため、そうした投資を受けるべくESGに関するコンサルティングにも従事しております。

また、対企業以外の活動しては、大学等でESGやSDGsに関する講演を行ったり、社外ではNPO/NGOでプロボノ活動に参加しています。

※J-REIT(リート)は、多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。なお、REIT(リート)はReal Estate Investment Trustの頭文字をとったもので不動産投資信託のことを指します。特に日本では頭にJAPANの「J」を付けてJ-REIT(ジェイリート)と呼ばれます。

※ESGとは、「環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)」の頭文字を取ったものです。ESG投資は、金融機関などが企業に投資をする際に、ESGの指標を考慮することを言います。


51個目を自分で発見したいと思った原体験

ーーー社会課題に関心を持った原体験やきっかけを教えてください。

これといった原体験はなく、日々の生活の中で関心を持つようになった気がします。

ただ、思い返せば、小学生時代に『子どもたちが地球を救う50の方法』という読書感想文の書籍を読んで、51個目の方法を自分でも発見したいと思ったのは覚えています。

また、学生時代に自転車で日本全国を旅した際に、綺麗な風景をたくさん見て、こんな風景が後世まで続けばいいなと思ったことも関係あるかもしれません。


3つのセクターを経験した学生時代

ーーー学生時代に力を入れて取り組んだ社会的な活動はありますか?

多くの貴重な経験をさせていただきましたが、ここでは2つの経験に関してお話させていただきます。

1つ目は、国際NGOである世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)でのインターンです。

このインターンは森里海連環学という、各種大学院の垣根を超えた学際的な交流やグローバル人材の輩出を目的としたプログラムを活用した実施したものです。

WWFジャパンでのインターンシップでは、黄海エコリージョン支援のプロジェクトに携わり、主に報告書の邦訳作業を行いました。

また、幸運なことにインターンを実施した時期が、広報の時期であったことから北京で行われた国際ワークショップや、韓国・平昌で開催されたCBD・COP12(生物多様性条約の第12回締約国会議)にも参加させていただきました。

もう1つは、環境NPOである環境エネルギー政策研究所(ISEP)でのインターンです。

こちらのインターンでは、地域主導型の再生可能エネルギーの促進方法に関するイベントサポートや、書籍の校正作業、地方自治体への再エネ政策への関与等をさせていただきました。

また、ローカルな視点だけではなく、グローバルな視点も大切にする組織であったため、海外のシンクタンクが出している再エネに関するレポートの邦訳作業や、国会エネルギー調査準備会の運営補助等、本当に多くを学ばせていただきました。

ーーーとてもたくさんの経験をされていますね。インターンに参加しようと思ったきっかけはありますか?

理由は2つあります。

1つは、そもそも大学院の卒業要件にインターンの参加が必須だったことです。笑

そしてもう1つ、こちらがメインの理由でしたが、実際に社会に出る前に社会を構成している様々なセクターでは、どんなことを行っているのか身をもって経験したかったという理由がありました。

この想いは比較的強かったため、主体的に動いたことは覚えています。

結果的には、①官公庁(パブリックセクター)②NPO・NGO(ソーシャルセクター)③企業(ビジネスセクター)という3つのセクターでインターンをすることができ、その後の進路を考えやすくなりました。