地域社会に根ざした生活協同組合、グリーンコープ生活協同組合。
その単協ふくおかの理事長である坂本様に、組合の理念や活動内容、そして個人としての経歴や価値観などについて、インタビューを行いました。
坂本様は、組合員から理事長へと至るまでの道のり、グリーンコープの様々な社会課題に対する取り組み、そして個人としての社会貢献について語ります。
このインタビューを通じて、グリーンコープが目指す持続可能な未来と地域社会の強化への貢献を垣間見ることができます。
目次
グリーンコープとはどんな組織?
ーーー本日はよろしくお願いいたします。まず自己紹介をお願いします。
現在、福岡に在住で、グリーンコープ生活協同組合ふくおかの理事長を務めています。
もともとは、組合員としての立場でしたが、約2年間この役割を担っています。
私のグリーンコープとの関わりは、子どもの出産をきっかけに始まりました。
その時、初めてグリーンコープの存在を知り、加入しました。
グリーンコープに加わってからは18年が経過しており、そのうちの15年以上は組合員活動に携わっています。
グリーンコープに魅了されていますね。
ーーーグリーンコープの基本的な概要とその活動内容について話していただけますか?
グリーンコープは、西日本を中心に展開している16の生協と、約43万人の組合員で構成されるグループです。
安心・安全な商品の開発、平和・環境・福祉・子育て支援など、心豊かな暮らしを実現するための様々な事業と活動を、組合員が主体となって行っています。
現在は、生協の配達や共済などのサービスに加え、生活困窮者支援、子どもの居場所づくりなどにも取組んでいます。
また、グリーンコープの事業所から排出されるCO2を削減して、2027年までにカーボンニュートラルの達成を目指した取り組みも行っています。
HP:https://www.greencoop.or.jp/
坂本様が感じるグリーンコープの2つの主な魅力
ーーーありがとうございます。グリーンコープの魅力について具体的に教えていただけますか?
「利用形態を変えられること」、「安心安全の裏側まで見えること」
この2つですね。
グリーンコープを利用し始めたきっかけは、子育て中で買い物に行くのが大変だったことと、出産を機に食べ物に対する意識が変わっていたことです。
グリーンコープの商品は、安心して食べられること、家まで配達されることが大きな魅力です。
店舗もあるため、注文を忘れた商品を買いに行くこともできます。
また今では、家にいることも少なくなったので、宅配ではなく、店舗に取りに行くプランを利用しています。
生活スタイルに合わせて、利用形態を変えることができる点が魅力的です。
ーーー「安心安全の裏側まで見えること」についても詳しく教えてください。
生産者と直接会える機会があるのは大きな魅力です。
実際に、子どもと一緒に産地の圃場を訪問し、生産者の話を聞くことができます。
「このおじちゃんが作ってる野菜だから食べる」みたいなこともありましたね。
また、グリーンコープでは、生産者・メーカー様と共に築いてきた「産直」と「グリーンコープ商品生産・製造認証システム」のもとに、安心・安全そして安定をめざした商品を生み出しています。
組合員の「安心・安全な食べものがほしい」という願いに応えて生産者がつくったものを、組合員が利用する。
その信頼関係に基づいて、生産者は安定した農畜産業を続けることができます。
ーーーこだわりの商品を1つ教えてもらえますか?
天然の動植物性油脂から作る「せっけん」ですね。
グリーンコープは、九州を中心にした「せっけん派」生協が一つになって誕生したこともあり、創立当時からの人気商品です。
洗浄用製品に使用されている、石油などを原料に作られた「合成界面活性剤」を使わないため、体にも環境にも優しいせっけんです。
環境問題は食卓の上の話
ーーー実際に生産の裏側を見る機会もあるのですね!カーボンニュートラルへの取り組みも行っているそうですね。
魚や野菜が取れなくなってる、果物が育たないっていう話を、生産者やメーカー様と会うので直接聞くんですよ。
実際に、カタログに載っていた商品がなくなっていたりすると、環境問題は遠い国の問題ではなく、自分の食卓の上の話だと実感しています。
そのような背景からも、電気自動車への切り替えやCO2排出のない電気(グリーンコープでんき)の使用など、積極的な取り組みを行っています。
多くの方々の支援を受けた恩返しがしたい
ーーー坂本様が社会課題に関心を持った原体験やきっかけを教えてください。
私は子どもの頃、病気がちで、多くの方々の支援を受けて生活していました
今は元気ですが、当時は入院や通院の日々でした。
自分と同じような状況の人の手助けができたらいいなと思い、ヘルパーの資格を取得したり、手話の学校に通ったりしていました。
実は、グリーンコープも社会福祉法人を持っていて福祉事業を行っているんです。
私はもともと支部の福祉委員長などを担当して福祉に触れる機会にも恵まれました。
最も大切にしているのは、「命を1番にする」
ーーー理事長を務める中で、大切にしている考えや価値観があれば教えてください。
グリーンコープの活動において最も大切にしているのは、「命を1番にする」という価値観です。
組合員理事として、経済的な利益よりも命の重要性を優先しています。
これは、利益や経営といった要素を超えた、根底にある考え方ですね。
グリーンコープのような生協では、株式会社ではなかなか実現しづらい意思決定が可能です。
組合員一人ひとりの声を尊重し、多様な意見を取り入れることで、社会的な意義を持つ決定を下すことができるのではないかと思っています。
配達員から始まる多様なキャリアパス
ーーー組織にはどんな思いをもって働かれている人が多いですか?
グリーンコープで働く人々は、多様な背景を持っています。
多くは配達スタッフとして入協し、さまざまな活動を通じて成長し、環境問題や社会課題に対する意識が高まっていくというケースが多いです。
職員は、自分たちの行動が社会や環境に良い影響を与えているという誇りを持って働いています。
ーーー仕事のやりがいはどんなところにありますか?
利用者様と配送を通して関わり、関係性を築いていくことがやりがいですね。
基本的には、毎日曜日ごとに同じルートを周ります。
そのため、利用者様とは顔見知りの関係になるので、色々なお話ができて楽しいです
また、新しい商品やおすすめした商品の感想を直接いただけるので、それがやりがいにもつながります。
ーーーどんなキャリアパスがありますか?
グリーンコープでは、現場を知るという意味合いで配達員から始まり、様々なキャリアパスが存在します。
立候補制の文化が強く、自分の夢や目標に基づいて、多様な業務に挑戦し成長していく機会がありますね。
特に、環境問題や福祉に関心を持つ方には、自分の価値観を仕事に反映させることができる環境があります。
実際に、福祉分野に関心があり、配達員から社会福祉法人の部署に移動して活躍している職員もいます。
地域コミュニティの強化と、暮らしやすい環境の創出
ーーー今後のビジョンや組織として目指す姿があれば教えてください。
グリーンコープの目指す姿は、地域コミュニティの強化と、組合員が暮らしやすい環境の創出です。
子どもの居場所の提供や高齢者への支援など、地域のニーズに応えることで、人々が安心して暮らせる環境を目指しています。
住み慣れた街で最後まで過ごしていけるようにしたいですね。
ーーー最後に読者へメッセージをお願いします。
「あなたの夢、グリーンコープだったら叶うかも」
前理事長が、よくおっしゃっていた言葉です。
私もそう思っています。
多様な働き方と機会があり、それぞれの従業員が自分自身の夢や目標を追求し、実現していくことができる環境がグリーンコープには存在します。
組合員とのつながりを大切にし、社会的な価値を創造する仕事を通じて、従業員一人ひとりが自己実現を果たしています。
グリーンコープに関わることで、新たな夢が生まれ、それを実現できる環境がここにはあります。
採用情報
グリーンコープでは、新たなメンバーを積極的に募集しています。
宅配ニーズでの需要が高まり、業績も順調に拡大しており、安定した職場環境が整っています。
宅配事業以外にも、福祉事業や環境問題、社会貢献活動にも積極的に取り組み、事業の幅を広げています。
初心者でも安心して始められるような研修プログラムとサポート体制が整っています。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。