民間企業で見つける社会貢献のあり方〜エネルギー問題と向き合い〜

3.技術者としてのキャリア

ーーー帰国されてからご自身の進路についてはどのように考えたのですか?

大学院で研究をしながら、「将来、原子力分野に進むべきか?」と迷ったところからIAEAでインターンをすることに決めました。

しかし、実は帰国した後もなお、就活をしながら、迷っていました。

ーーーなるほど、木内さん自身も迷われたんですね

将来のビジョンとしては、「”どのエネルギー源をどう使うか” をエネルギーについて知らない人も巻き込んで先導できる人材」になりたいと思っていました。

ただ、そう考えると、原子力の知識を勉強して理解しただけでは足りないんですよね。

再生エネルギーの潮流がある中で、 その中心に飛び込んでみて、「原子力にバックグラウンドを持ちながら広い視野を持ってエネルギー全般について先導しなければ」と最終的には考えました。

ーーー迷われた結果、最終的には現在勤められている、大手自動車メーカーにおいてEV(電気自動車)研究者としてのキャリアを選ばれたんですね。

「日本の強みに携わりたい」という気持ちがあったのと、自分のキャリアを考える際に決め手となったものが、経産省資源エネルギー庁が発表するエネルギー基本計画でした。

そこで経産省の指針として「今後、電気自動車に力を入れていく」という情報を見つけまして、その情報が現在のキャリアを選んだ際の後押しになりました。

国がこの先5年,10年,15年で力を入れていこうとしている分野には人もお金も集まりますので。


ーーー元々の専門であった原子力ではなく、社会的影響度の高い自動車という分野からエネルギー問題についてアプローチしようと思ったんですね。

もちろん自分の知らないこともあるため、入ってみて難しいこともありました。

当たり前ですけど、他の分野に飛び込んだこともあるので専門が違えばバックグラウンドも考え方も違います。

ーーーIAEAのような国際機関や政府機関ではなく”民間企業”という選択には迷いはなかったのですか?

政府系機関に進むことも考えはしましたが、まだ現場がどのように動いているのかも分からない状態で政府系に入って指針を決定するのには違和感を感じました。

まずは、実際に”指針を現実にしていく現場”であるメーカーで、技術者として経験を積むことにしました。


―――そんな木内さんの今後の展望などがあれば教えてください。

私が理想とする社会のイメージとして、政府が決定した指針、行動に対して国民全体が納得感を持って

「このエネルギー政策を進めていくのって当然だよね」

と考えられる状態があります。

どんな政策に舵を切ろうが、ある程度根拠というものを共有してエネルギーに対する不安がない社会を作りたいですね。

―――最後に国際協力の道を志す人たちに応援メッセージをお願いします。

まず行動することが大切です。

私もIAEAでのインターンをしてみて自分の視野の狭さに気づきました。
動いてみて自分が見えてこなかったこと、認識していなかった課題がいくらでも見つかると思うので。

仮説を立てることは大事ですが、動いて検証しないことには何も始まりませんから、ぜひ積極的に動いていただければと思います。

cococolor earth(ココカラーアース)
ライタープロフィール

白石達郎 早稲田大学人間科学部3年 NGO Day In Life 代表
マレーシアで、「正規就労ができず不法滞在状態となってしまう移民」と
「移民を積極的に雇用している企業」との情報差を埋める求人メディアを運営
目標:「マレーシアの不法移民問題を解決すること」
「世界一のパパになること」

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