今回は、株式会社RASHISA代表の岡本翔さんにインタビューしました。

岡本さんは、原体験がきっかけで虐待問題をビジネスの力で解決する会社を経営しています。

虐待領域のリーディングカンパニーを目指し、様々なチャレンジをする岡本さんはどんな思いを持って経営をしているのでしょうか? 

プロフィール
岡本 翔(おかもと しょう)

株式会社RASHISA代表。
2014年に福岡県の久留米大学に進学。
2017年(当時大学3年生)に株式会社RASHISAを創業。
2019年に就活サービスをリリース。同年、事業譲渡。
2020年にRASHISAワークス開始。

 

現在の活動について

ーーー現在はどんな活動をされていますか? 

株式会社RASHISAの代表をしています。

株式会社RASHISAは、虐待問題をビジネスの力で解決するベンチャー企業です。

現在は、RASHISAワークスを運営しており、虐待の後遺症のある方に在宅でできるお仕事を通して、収入と社会との接続をつくっています。

また、虐待問題に関する情報発信をするsocial portというメディアの運営も行っています。

人材会社を起業した学生時代

ーーー学生時代はどのようなことをされていましたか?

学生時代は、ボランティアなど社会的な活動はあまりしておらず、人材会社を起業していました。

もともと、高校3年の時『毎日が冒険』という高橋歩さんの本を読んで、起業家という生き方に憧れを持っていたんです。

そこで、経営を学ぶため大学に入学し、長期インターンやヒッチハイク、バックパッカーなどを経験しています。

その後、大学3年生の時に、九州の学生と東京のベンチャー企業をマッチングさせる採用イベントを軸に起業しました。

就活の領域にチャレンジした背景には、「一人一人が可能性を広げられる社会を創りたい」という思いがありました。

ーーー起業するときに不安や怖さなどはありましたか?

不安や怖さは、ほとんどなかったですね。

絶対にうまくいくビジネスモデルがあった訳ではないのですが、失うものがなかったので不安はありませんでした。

当時は、学生だったことも大きいと思います。

虐待問題に取り組むと志した理由

ーーー人材事業から虐待問題へ取り組むと転換を決めた理由はありますか?

背中を押してもらったことが大きな理由です。

機能不全家族で育ったという原体験を持っており、取り組みたいとは思っていました。

しかし、なかなか一歩を踏み出せていませんでした。

そんな時に2人の経営者に背中を押してもらいました。

ーーーどんな声をかけていただいたのですか?

1人目の方には、出資のお願いをする中で、自分の人生を全て話す機会があり、これまで話せなかったことまでありのままを伝えました。

その中で、その方に「おかしょーくんの人生って面白いね」と言っていただきました。

面白いと言ってもらえたことで、否定していた自分の人生を肯定できたのです。

虐待の経験は、悪だと思い込んでいたのですが、それ以外の見方もあるのだと気づけました。

2人目の方は、虐待問題に取り組みたい伝えた時に、すごく応援してもらえました。

この2人の経営者からの後押しは、本当に感謝しています。

どのようにして今のビジネスモデルに?

ーーー今のビジネスモデルには、どのようにしてたどり着きましたか?

まず、虐待サバイバー(被虐待者)の方にヒアリングする中で、働く場所に困っていることがわかりました。

そこで虐待サバイバーと虐待サバイバーが働ける環境の整った会社をマッチングさせる人材紹介業を始めたんです。

しかし、事業を進めていく中で、「人材紹介」というビジネスモデルは企業側、求職者側どちらにとってもニーズがないということがわかりました。

そこで、在宅ワークを中心に融通を利かせて働けることを考えて、今のビジネスモデルになりました。

ーーーユーザーさんにヒアリングをする際に気を付けていたことなどはありますか?

相手を否定せず、自分が話しすぎないように傾聴をすることを大切にしています。

また、トラウマに触れてしまう可能性もあるので、事前に深くヒアリングをしても大丈夫かどうか、外部には情報を流さないことなどの合意形成をしています。

自分がやりたいから課題に取り組む

自分がやりたいから課題に取り組む

ーーー大切にしている考えや価値観や、その考えをもった原体験があれば教えてください。

自分がやりたいから、この課題に向き合うという価値観を大事にしています。

「誰かのために」となってしまった瞬間に言い訳や、誰かを責めるという行為が発生する気がするんです。

自分がやりたいことをやっている限りは、諦めたり誰かのせいにすることはないと思います。

だからこそ、この問題に取り組むのは、自分がやりたいことだからという意識をもっています。

「これは失敗だった」と思う経験

ーーー社会課題解決において、「これは失敗だった」と思う経験はありますか?

最近の失敗では、パーパスキャリアというソーシャルセクター特化型のお仕事探しサービスですね。

限られたリソースの中で、RASHISAワークスの業務や経営者としてあらゆる業務がある中で両立をすることが非常に難しかったです。

また、パーパスキャリアは、「働きたい人」と「企業」をマッチングするサービスなのですが、この両輪を同時に集めようとしたことがよくなかったですね。

まずはどちらかに全集中するべきだったなと思います。

ーーーその中で学びはありましたか?

私たちがやらなくてもよかったと気づけたことが一番の学びですね。

すでに、パーパスキャリアのような事業をやられている企業がある中で、私たちがやらなければならない理由はなかったんです。

これからは、私たちだからできることに集中していきたいなと思いました。

ーーーそもそもパーパスキャリアはなぜ立ち上げられたのですか?

虐待の後遺症に悩む方に仕事を届けるためです。

その方法は2つあり、1つは特性を活かした仕事を任せること、もう1つは自社で市場価値の高い事業を創り、仕事を任せることです。

RASHISAワークスは前者を担っており、パーパスキャリアは後者を考えていました。

現在は、パーパスキャリアに変わる私たちにしかできない事業を準備しています。

必要なスキルはメタ認知とご自愛力

必要なスキルはメタ認知とご自愛力

ーーー今の活動をしていて必要だと感じたスキルを教えてください。

必要だと感じるスキルは2つあります。

1つ目は、メタ認知力です。

これは、自分がどれくらい疲れているのかなどを認知する力です。

虐待サバイバーの方のお話を聞く中で、追体験をして感情移入をしてしまうことが少なくありません。

そのような時に、自分を俯瞰して物事を構造的に考える力が必要だと感じています。

2つ目は、ご自愛力です。

ご自愛力は、自分で自分の心をケアする力ですね。

事業柄、心身ともに疲弊することが多い中で、自分自身でメンタルをコントロールできないと社会課題の解決は難しいと思います。

私の場合は、日々の呼吸を意識したり、瞑想をする時間を取っています。 

虐待領域のリーディングカンパニーを目指す

ーーー社会課題解決における今後のキャリアを考えていれば、教えてください。

虐待領域のリーディングカンパニーを目指して、まずは目の前の課題解決をするために事業を作っていきます。

中長期では、虐待を受けた方々が働ける企業を増やしたいという思いがあります。

しかし、現状として多くの企業は、虐待の後遺症に悩む方の受け入れができていません。

なので、RASHISAワークスでは、虐待に関するナレッジを貯めて企業を支援をする準備をしています。

また、虐待サバイバーの暮らしを支援する商材も扱いたいですね。

例えば、不動産や金融関連の支援ができれば、虐待環境からの避難ができます。

このようにして、虐待領域のリーディングカンパニーを目指しています。

社会課題の道を志す学生へメッセージ

ーーー最後に社会課題の道を志す学生へメッセージをお願いします。

自分自身がやりたいと思ったら、やったほうがいいです。

始めるには勇気が必要ですが、どんな小さな一歩でもいいのではじめてみましょう。

私自身、虐待問題に向き合うと決めてから、自分の人生はより豊かになりました。

解決したい課題があるなら、ぜひ向き合って見てほしいです。

これまで以上に人生が楽しくなると思います!

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