今回インタビューさせて頂いたのは大分市で障がい者支援事業を行う今長学さん。
第3弾では、今長さんが障がいのある方々との関わりについての話、ソーシャルビジネスをやってみたい方々へのメッセージをお届けします!
今長学(いまながまなぶ)
大学卒業後、ガリバーインターナショナル(現IDOM社)に入社。
店舗での営業、本社でのマーケティング・広報・アナリストなど経験を経て、インド現地法人Ylem Infotech Pvt. Ltd.に入社。ネット事業責任者として従事。
その後2016年大分市にExist Japan株式会社設立。
障害者支援のソーシャルビジネスを開始する。
現在は大分県公認クラウドファンディング、SNSアドバイザーとして、世の中の社会問題を解決するソーシャルデザイナーとして活動も行っている。
障がいのある方々との関わり
ーーー障がい者雇用に関して法定雇用率が定められています。
この数値はもっと上げていく必要があるのではないかと私自身は思っているのですが、今長さんはどうお考えですか。
確かにものさしはあった方がいいかもしれません。
でも、私はそのものさしに執着してしまっているように思えます。
定められた指標にすがりついていて、目的と手段が逆転しているような気がしていますね。
障がい者に対する興味や理解が先だと考えているんですよ。
多くの人が「どうせ障がいのある人たちは仕事ができないでしょ」っていうイメージを持っていると思うんです。
私自身も障がい者支援事業を行う前は全く彼らのことは知らず、仕事を教えるのは大変だろうと思っていました。でも、実際には彼らは想像以上に仕事ができるんです。
私がいなくても彼らだけでビジネスは回っているくらいです。
障がいのある方々を理解するために、彼らと交流する機会を作り知ってもらって、彼らにできそうな仕事を任せることが大事だと思います。
ーーー確かに、障がい者の方々とあまり関わりのない人々は勝手なイメージを抱いてしまいがちですよね。では、障がいのある方々についてよく理解するためにどのような方法があるとお考えですか。
障がい者は障がい者の、健常者は健常者のコミュニティができてしまっていて、意図的なものではないものの両者には壁があるように感じます。
その2つのコミュニティが交流できるようなイベントがあればいいなと思います。
例えば、地域のイベントを一緒に楽しむこと、障がい者・健常者関係なく楽しめるスポーツイベントなどですね。
イベントではなくても、ご飯を一緒に食べるといった小さなことでも良いなと思います。
ーーー最後にソーシャルビジネスに関心のある読者にメッセージをお願いします。
やり続けることですね。
正直、社会貢献とビジネスを両立させることは難しいと思います。
第一、利益が出るまでには時間がかかります。
そこが一般のビジネスの大きな違いだと思います。
なかなか利益が出ないと、辞めてしまいたくなるかもしれませんが、やり続ければいつか成功します。
何とか持ちこたえて、成功するまでやり続けることが1番大事だと思います。
ーーー今長さんご自身は辞めそうになったご経験はありますか。
3年前の12月、会社の残金が2万円になってしまった時ですね。
ダウンジャケット買うか買わないかも迷うくらいにお金がなかったです(笑)
自分の利益を求めると失敗することはあります。
でも、エゴではなく、純粋に困っている人を助けたい気持ちを持って仕事に取り組んでいれば必ずどこかで自分に返ってくるんですよね。
助けた人から返ってくることはあまりなくて、大体は全く違うところから返ってきます。
私は起業してから、与えたら返ってくると実感するような経験を何度もしたので、苦しい時ほど自分のできることをやるべきだと思います。
ーーー編集後記
本編には載せていませんが、今長さんの印象的な言葉の1つが私の心に響きました。
『今の日本って出る杭を叩きますよね。ちょっと良いこととか目立とうとするとみんな叩こうとする。それは本当は羨ましいんですよね。自分もそうなりたいけどできなくて悔しいからそのように叩くんですよ。癖ができちゃう。本当は羨ましいと思っていることを否定する人々自身はわかっていないから。そういう癖とか習慣ができちゃっているからとにかく否定したがる。』
この言葉にはとても納得感がありました。
何か良いことをしようとするとそれを偽善だと批判する人もいて、そう言われると自分のやっていることに自信がなくなってしまいます。
けれど、今長さんの言葉を聞いて、誰かのためになることは自信を持ってやるべきだと思いました。
次回の記事もお楽しみに!
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。